金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

廻り目平から金峰山往復

2008年10月20日 | 

10月19日日曜日快晴。6時過ぎから朝食の用意をする。といってもカップラーメンとコーヒーだ。予定より少し遅れて廻り目平キャンプ場を7時25分に出発。西股沢沿いの林道(一般車両は通行禁止)の道を1時間歩いて分岐点到着(八丁平に登る道はあまり歩かれていないようだ)。15分程登ると「最後の水場」があった。ここから山道は沢を離れて深い森の中をひたすら登っていく。私はこの深い秩父の森が好きだ。昼なお暗い苔むした道には心休まるなにかがある。山道は一度水平になり最後の登りになった。10時金峰山小屋到着。ここはもう針葉樹林帯を抜け出ていて、雄大な景色が広がっている。目を引くのは八ヶ岳とその手前の瑞かき山だ。

Kinnpousanngoya

写真は小屋の横にある7,8mの岩、左手に瑞かき(みずかき)山が見える。ここから頂上までは20分の登りだが意外に疲れた。

Gojyouiwa

金峰山小屋で大休止を取ったので頂上到着は10時40分、廻り目平から3時間10分で登ったことになる。標準コースタイムより休憩込みで20分程早かった。写真は頂上の南にある五丈岩、岩の頂上まで登っている人も多いが私は止めにした。もし登り始めて中途でギブアップしたり、万一にでも転落すると面目丸潰れだから君子危うきに近寄らずである。若き日の剣尾根や屏風岩の勇者も老いては五丈岩を敬遠するか・・・・

頂上からは富士山、南アルプスの北岳、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、鋸岳、八ヶ岳連峰、中央アルプス、乗鞍岳そして浅間山まで四方の山を一望できた。金峰山2599m、高さこそ少し東の北奥仙丈岳2602mに僅かに譲るものの秩父の盟主である。廻り目平ルートは増富温泉ルートより登山時間は短いが、廻り目平への交通の便が悪いので登山者は少ない。我々も数パーティと出会ったに過ぎない。

Mizukakisan

11時40分頃下山開始。下山途中で紅葉の中に瑞かき山を見た。この山の景観は特異だ。22百メートルの標高でこれだけ岩に取り囲まれた山は日本では例を見ない。

午後1時には林道終点に到着。この後は紅葉を楽しみながらぶらぶらと歩いた。

Kouyou

Kouyou2

Noboriguchi

Nanakamado

午後1時50分廻り目平到着。約2時間で金峰山から下山した。帰路私は信州峠から瑞かき山の麓をドライブして須坂ICに入った。信州峠を下った辺りからの瑞かき山の姿が素晴らしいことをお伝えしよう。急いでいたので写真は撮らなかったが。

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テロが住宅ローン犯罪を助長した

2008年10月20日 | 金融

米国の住宅市場の崩壊の原因は「住宅ローンの返済能力が乏しく、以前ならば住宅ローンを受けられなかった人々に住宅ローンが提供され、そしてその多くがデフォルトになったことによる」というのが現時点での一般的な説明だ。では誰がそのような動きを推進したか?という点については後程説明するが、住宅ローン拡販の過程に詐欺等の犯罪行為が沢山あったと言われている。ではどうして詐欺等の犯罪行為が多発したかというと、2001年の9.11テロ以降F.B.Iが捜査員を大幅にテロ防止にシフトせざるを得なかったことによる。つまり経済犯罪の取り締まりよりも、テロ防止にシフトしたことが住宅ローン等に関する犯罪を助長させ住宅ローンのデフォルト多発につながっているという見方ができる。「風吹けば桶屋が儲かる」的な論理ではあるが、9.11テロの後遺症が住宅市場の崩壊につながったということが言えるかもしれない。

ニューヨーク・タイムズによると9.11テロ以降F.B.Iは1,800人以上の捜査官~これは犯罪捜査官のほぼ3分の1に相当する~を犯罪捜査からテロ防止と諜報活動にシフトした。F.B.Iは2003,04年には住宅市場における金融詐欺が危険な状態にあることを認識し、捜査官を増強しようと試みたが法務省と予算当局に拒否されている。

2002年にエンロンが破綻した後、法務省が企業詐欺について極めて強い告発を行ったことがある。ところがこれに対してホワイトハウスと財務省は「法務省とF.B.Iが反ビジネス的な態度を取っていることは企業のリスクテイク指向を冷却する」と懸念を示した。これも2004年頃から急増した住宅関連の経済犯罪を助長したと考えられる。

住宅ローン詐欺疑惑に関してニューヨーク・タイムズは別の記事で一例を示している。それは米国住宅都市開発省がKB Homeという住宅開発業者に対して借り手の収入を過大に示す書類に基づいて住宅ローンを認可したとして、行政処分を申請した件だ。

KB Homeは結局責任を認めることなく320百万ドルを払って住宅都市開発省と和解した(このような取引は米国では多い)。これは住宅ローン疑惑を巡る最大級の和解の一つである。しかし興味を引くのはその金額ではない。実はクリントン政権時代に住宅都市開発省の長官を務めたヘンリー・シスネロス氏が2年前までKB Homeの役員に名前を連ねていることだ。またシスネロス氏は破綻してバンカメに救済合併されたカントリー・ワイドの役員も兼ねていた。

シスネロス氏は持ち家拡大政策を積極的に推進した。例えば住宅ローンを受ける人はそれまで過去5年間の安定収入の証明が必要だったが、それを3年に短縮した。その後シスネロス氏はセックス・スキャンダルで住宅都市開発省を辞めざるを得なくなり、テキサス州に帰りKB Homeの役員になったり、自分でディベロッパーになったりした。それ自体は法律違反ではない。また彼は彼が役員を務めたKB Homeやカントリーワイドの不正行為を知らなかったと言っているし、彼がその件で告発されているという記事もない。だがニューヨーク・タイムズの記事は同義的責任という言葉を想起させる。

持ち家促進のためにローン条件の緩和を進めた政府高官が不良資産化した住宅ローンを多額に実行する企業の役員に回った・・・・・という構図には今回の米国の住宅問題の縮図がある様に思われる。

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