金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

金融問題は大西洋を渡る

2008年10月06日 | 金融

9月下旬にドイツの金融相シュタインブリュックが「金融におけるアメリカのスーパーパワーを終わった。これからはドイツやフランスが世界の金融秩序のルール作りにもの申すのだ」という主旨の発言をしたことはこのブログに書いた。ところがそれから10日も立たない内に、ドイツは自国の大手銀行ヒポ・リアル・エステイトの救済に350億ユーロを投入することになった。その少し前にはベルギー・フランスが出資するデクシアに両国が資本注入を決めているし、その前にはベルギー・ルクセンブルグ・オランダが大手行フォルティスの救済に動いている。

何のことはない金融不安は大西洋を渡って米国から欧州に広がっているどころか、欧州の状況の方が悪い位だ。アメリカの商業銀行は1ドルの預金に対して96セントの貸付を行っているが、欧州大陸の銀行は1ユーロの預金に対して1.4ユーロの貸付を行っている。マネーポジション(借入過多)なのだ。つまりマネーマーケットから資金を取って辻褄を合わせている。ところが現在のように銀行を含めて短期資金の出し手がカウンターパーティのリスクを恐れて、金を出し渋るとマネーマーケットは機能しなくなる。

欧州の銀行のバランスシートが悪化した直接の原因は、米国のサブプライムローン関連商品に投資したことだが、欧州の住宅市場でもバブルがはじけている。

米国では先週金曜日に「金融安定化法案」が下院で可決された。しかしそれ以降世界中で株価は下落を続けている。今日TOPIXはザラ場で1000ポイントを切った。「どうして株価はこんなに下がるのですか?」「どこまで下がるのですか?」という質問を受けるが答は簡単ではない。

金融問題が大西洋を渡って欧州に伝播したように、金融問題は今や米国のみならず世界各国で消費者のマインドの問題になっている。資産価値の下落、給与やボーナスが減る不安、雇用不安などが高まりあらゆる分野で財布の紐が締まり始めた。何が消費者マインドを好転させるキッカケになるかが分かるまで株価のターニングポイントは予想することが難しい。

主要国の財務大臣・中央銀行総裁が一緒になって、新しい金融市場の秩序作りを行い、金融市場が機能を回復することがまずその第一歩である。市場は4日の「欧州4カ国の共同声明」だけでは不十分と判断している。次の一手が重要になってきた。

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病院探すならQLifeで

2008年10月06日 | 健康・病気

病院を紹介するサイトは幾つかあるが、口コミ病院検索QLife(http://www.qlife.jpは最大手のサイトであり、約16万件の病院情報(病院・診療所・歯科医院、動物病院など)を持っている。私の住んでいる西東京市の歯科医院について調べると、24件の口コミ情報が掲載されている。西東京市の歯科医院の数を調べると大体120件なので口コミのカバー率は20%である。

この記事広告を書くに際して、口コミ病院検索サイトを運営する株式会社QLifeのニュースレターを読んで次の点に共感したので、このサイトを読者の皆さんにお勧めすることにした。一つは「『医療』の理想形は、患者の死生観・病歴・経済状態などにより異なる」という多様な価値観を認めている点である。もう一つは「『ネガ情報」は掲載しない」という方針だ。「ネガ情報」は医者を傷つけるだけでなく、対象病院に通っている患者を不安に陥れる危険性があるという配慮からだ。

現在医療を巡る問題は多様化しているが、その一つの原因は患者の医療機関に求めるサービスが多様化していることにあると考えられる。「保険外治療でお金がかかっても良いから高度な医療サービスを受けたい」「生活の質を出来るだけ落とさない治療を受けたい」などという具合に患者の要望は多様化している。一方医療機関が提供するサービスのレベルも多様化しつつあるが、その情報が消費者に十分伝わっていない可能性が高い。

下記グラフは「医療機関に関する口コミも有用性」を示したものだ。これを見ると9割近い人が口コミの有用性を認めている。

医療機関に関する情報サイトを支えるのは、患者の口コミ情報である。一人一人の受診経験に基づく対象医療機関に対する印象や評価にはばらつきがある。しかしその評価が多くなると私は「客観性」が高まってくると考えている。多くの人が口コミ病院検索QLifeを利用するとともに、治療経験に基づく「評価」を投稿されることを希望する。それにより日本の医療サービスが効率化すると私は考えている。

なおQLifeは知的健康生活マガジン『QLife SQAURE』http://www.qlife.jp/square/というサイトも運営している。こちらにはお医者さんへのインタービュー等読み応えのある記事がでている。   

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仲介業者にはとにかく注意だ

2008年10月06日 | うんちく・小ネタ

少し前から留学仲介大手業者「ゲートウェイ21」の経営破綻が問題になっている。今日の日経新聞によると昨日(10月5日)に留学予定者達債権者を対象に説明会を開いたとある。留学予定者達が払った9億5千万円は会社の資金繰りに充てられ返済の見込みはないと福井社長は言っている。

この問題について杜撰な経営をした仲介業者に第一義的に責任があることは免れないが、私はビジネス・モデルと留学予定者側にも問題があるのではないかと考えている。どういうことかというと、留学予定者のために学校を探したり申請の代行をすることが、仲介業者の仕事と思われるが、それなりに人手を要する仕事だろう。人を使うとすれば事務所がいるし、留学予定者を集めるとなると広告(私は見たことがないが)も必要だ。つまり元々学費など留学費用にかなり仲介業者の手数料を乗せないと成り立たない商売である。

留学予定費用を払い込んだ被害者には酷に響くかもしれないが、私は「自分の留学なのだから準備も極力自分でやるべきだった」と申し上げたい。自分で学校を選択する、その学校の申請フォームを取り寄せる(今なら大半インターネットで取れるはずだ)、申請をする、試験が必要なら試験を受ける・・・・。これらのことは自分でやるべきなのである。何故ならそれ自体が勉強で貴重な経験だからだ。

外国で暮らし始めると病気や事故を含めて大小のトラブルに見舞われる可能性がある。その時は自分で対処しなけらばならない。そのためにも色々なことを自分でやる習慣をつけるべきなのだ。

次に色々な業界において「仲介業者」が介在すると必ずコストがかかるということをよく理解しておくべきだ。そしてその仲介業者が本当に必要かどうか良く検討するべきなのだ。

仲介を頼む人(今回の場合なら留学予定者)は何が本来のコスト(例えば学費)で何が業者のコストなのかを明らかにして貰いながら、仲介業者を介在させるべきかどうか検討するべきなのである。もしそれを明らかにしないような業者は問題のある業者なので、使わない方が良いだろう。

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