金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

神経磨耗相場

2008年10月26日 | 金融

今の相場全般を表現するのに、Nerve-racking(神経消耗)という表現が相応しそうだ。ニューヨーク・タイムズは40年も運用業界にいるファンド会社の社長Grantham氏の言葉を引用している。彼はこのような相場は見たことがなく、バリュー投資家(割安銘柄を探す投資家)にとって実に神経を消耗する相場だという。つまりもう底値だと思って少し株を買うと翌日には「俺はなんて馬鹿だったんだ」と反省するハメに陥るからだ。

しかし彼の思いは我々共通のものだし、無理からぬかもしれない。今の金融業界の混乱は我々には経験のないものだからだ。例えていうと80年代後半の日本のバブルの崩壊、ブラックマンデー、90年代後半のアジア通貨危機、LTCMの破滅、2001年のアルゼンチンの通貨危機などが一度におきている状態だ。ブランクマンデーの時もその後日本は株価の最高値を更新した。日本の不動産バブルの崩壊は日本だけの出来事だった。LTCMの破綻については中央銀行や大手銀行が連携して危機を回避した。つまり危機は世界の一部で起きてもしっかりしているところはしっかりしていたのである。しかし今回世界で起きていることは過去数年に一度バラバラに起きていたことが、一度に起きている。どこかが悪くてもどこかは良いという状態ではなくなってきた。ただ相対的には日本は今回は傷が浅いと見られている。それと皮肉なことに震源地のアメリカの通貨ながら、決済通貨だけにドルへの需要が高まっている。

つまり消去法的に日本円と米ドルに資金が逃避し、エマージング通貨は暴落している。通貨の暴落はドル建て等外貨建て債務の弁済負担を重くして、デフォルトリスクを高める。新興国企業のデフォルト増加は先進国の金融業界にダメージを与え、貸出抑制につながる。

従って今の喫緊の課題はエマージング通貨の下落防止だ。これで過去の金融混乱時のメニューは出揃ったように見えるがまだ出るのだろうか?「ある」と考えた方が良いだろう。

それはクレジット・デフォルト・スワップだ。これは過去の金融危機時には市場が小さくてほとんど問題にならなかった。金融危機という暴風雨のフルコースを味合うにはもう少し時間がかかるかもしれない・・・と私は考え始めている。

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雪の50名山(1)

2008年10月26日 | 

先週金曜日に山や歩くことが好きな先輩と一献傾けていた時「山登りをする時テーマがあった方が良い」という話になった。私は今の会社の連中と「山の会」を始めた時は「近隣の都道府県の最高峰を登ることを一つの目標に」ということでスタートした。そして東京都の最高峰・雲取山、埼玉県の最高峰・三宝山(甲武信岳のすぐ北の山)などに登ってきた。

一方私の個人的な山登りの一つの目標は「雪の50名山」に登るというものだ。私は冬の人のいない山が好きである。雪山は静かにして饒舌である。なお「雪の50名山」というのは市販のものではなく私が作ったものだ。100でなくて50なのはこれから100の雪山を登ることができるかどうか疑問なのでとりあえず50にした。その中には既に登った山もあるし、これから登ろうと考えている山もある。50は暫定的な数字で60になるかもしれないし、40で終わるかもしれない。ただ目標をもって山を歩くことは楽しい。

対象は「12月頃から5月連休の頃に雪のある山」「美しい写真がとれそうな山」「原則週末の休みで登ることができる山」ということにした。登山方法はスキーでもスノーシューでも一番便利な方法を使うことにした。リストの中にはごく簡単な山から少し体力と技術がいる山もある。

【関東の身近で易しい雪山】大菩薩嶺・金峰山・雲取山・笠取山・浅間隠山・赤城山・荒船山

Daibosatu

写真は大菩薩嶺から見た富士山。このクラスの山は冬でも天気が良くあまり雪が降らない。6本爪アイゼンで歩くことができる場合が多い。

【八ヶ岳連峰・美ヶ原】赤岳・阿弥陀岳・横岳(含む硫黄岳)・天狗岳・北横岳・蓼科山・美ヶ原・霧ケ峰

これらの山を一つに括るのは少し無理がある。赤岳・阿弥陀岳・横岳の頂上を極めるには本格的な雪山になり、厳冬期は8本爪以上のアイゼンや場合によってはザイルが必要だ。しかしこの地域は天気が良くアプローチも近いので一まとめで数えた。

Akadake

Akadake2

上の写真2枚は12月の赤岳。晴れた日の赤岳は美しい。下の写真は阿弥陀岳。阿弥陀の頂上は強風と寒気が支配する厳しい世界だ。

Amidadake

写真は横岳。硫黄岳から横岳の険しい稜線をたどると手先が凍えてくる。冬の八ヶ岳は美しく厳しい世界だ。

Yokodake

一方霧ケ峰や車山の辺りを暖かい日にスノーシューをはいて歩くのも楽しい。遠く着たアルプスの山々が見える。冬の大気は澄んでいて気持ちが良い。

Kirigamine

また時間がある時に残りの「私の雪の50名山リスト」を紹介したいと考えています。

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