金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

秋分の昭和記念公園

2007年09月22日 | うんちく・小ネタ

9月22日土曜日ワイフと手話記念公園で写真を撮りながらサイクリングをする。今日はかなり暑かった。正確に言うと明日から秋分の日で気温もかなり下がるらしい。「暑さ寒さも彼岸前」という俚諺が正しいとすると今日まで暑くても仕方がないということだろうか?

昭和記念公園は立川西口から入ったが入り口に近いところにフィソステラギアというトラノオの仲間の花が咲いていた。はじめて見る名前である。

Phisostegia_1 

この時期のお目当てはコスモスなのだ。原っぱ広場にはハッピーリンクという種類のコスモスが咲いている。これは余り背が高くなく花も小さくて見栄えが良くない。

Happylink

コスモスの本場は「コスモスの丘」なのだが、こちらは一、二分咲きというというところだった。

Gyakko

逆光に花びらを透かしてみた。コスモスの原産地はメキシコ、日あたりと水はけが良いと痩せた土地でも良く育つという。

熊蜂が蜜を吸うコスモスをアップしてみた。

Kumabachi

西立川口からほど遠くないところに彼岸花が咲いていた。誠に華麗にして複雑な花である。

Manjyushage_1

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大いなる安定時代は終わるのか?

2007年09月22日 | 金融

エコノミスト誌は「最近の金融危機は安定成長の黄金時代の終わりのシグナルか?」という記事を発表している。

ポイントは以下のとおり

  • 米国程順調な経済を持った国はない。過去20年以上うらやましいことに堅実な成長と低いインフレをうまくコントロールしてきた。この幸運に加えて支出は日常的に収入を超えていて、その結果経常収支の赤字を招いていたが経済に明らかなマイナスの結果をもたらさなかった。
  • 近時は他の先進国も米国と同様の経済的安定を享受している。ビジネスサイクル(循環的な景気変動)の変動は過去に比べてよりスムーズになっている。これは部分的には金融資産と住宅資産の拡大および企業と家計が積極的に債務を取り入れたことによる。

エコノミスト誌によると安定成長の時代、別の言葉でいうとGreat Moderation(大いなる安定)が終わったのかどうかについて楽観論と悲観論がある。

  • もし成長と安定のコンビネーションが単に幸運の賜物だったのであれば、今から痛みを伴う修正が始まる。しかしもし世の中が動く仕組みの変革が安定成長をもたらしていたなら、黄金時代は今後も続くことを意味するのだろうか?

経済成長率のボラティリティは90年代以降低下している。

  • 最も目に付くボラティリティの低下は労働市場にある。80年代中頃から米国の失業率はその前の世代に比べて顕著に変動幅が少なくなっている。61年から83年の間米国の年間失業率は3.5%から9.7%だったが、84年以降は4%から7.5%のレンジになっている。

この様な変化の裏にあるものは何だろうか?「黄金時代」と呼ばれた時代にもアジアの通貨危機だとかロシアの債務不履行、ドットコム・バブルの崩壊などがあったが、経済のボラティリティはそれ程上昇しなかった。これについて学者は「在庫管理の改善」「信用市場を拡大した金融改革」「より賢明な金融政策」をそのドライバーとしている。

  • 在庫はGDPに対して占める割合が小さいが、景気変動に与える影響は驚くほど大きい。技術革新によりメーカーは買い手に関するより良い情報を入手することができ在庫を圧縮することができるようになった。在庫圧縮効果は今後とも持続すると考えられる。
  • これに比べて金融改革のメリットはより疑わしい。少なくとも今のところは。信用スコアリングや証券化により信用供与が拡大した。消費者を例にとると、生涯の収入を見合いに今の支出に必要な借入を行うことができるようになった。

ここでエコノミスト誌は悲観論を持ち出す。それは経済の安定成長をもたらしたドライバーの一つである「金融改革」が突然それを脅かすことになったという。

エコノミスト誌の記事はかなり長いので、この辺りで省略するが結論は「米国が最大のリスクとして残っている」「今もし米国がハードランディングするなら、それは他の先進国の予告になるだろう」ということだ。

若干解説を加えておくと「経済と労働市場の安定が、消費者に大きな借金をすることを可能にしそれが不動産価格の上昇につながり、不動産価格の上昇が消費を拡大させそれが経済成長につながる」という循環があった。その過程で現在の収入をベースにするとローンを借りることができない人まで「担保住宅の値上がり期待」をベースに借金をした。これが「大いなる安定時代」の一つの断面である。従って不動産価格の下落をスタート点にしてサイクルが逆転しだすとハードランディングする可能性が高いというのがエコノミスト誌の見方だろう。

当然もっと楽観的な見方をする人もいる。評論家であればどんな見方をしてもよいが、投資家の立場でいうと、かなり重大な判断を求めらるところだ。

コメント (1)
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