9月の月末は日曜日、終日雨で気温が低い。クールビズが終わり明日から又ネクタイを締めて会社に行くが、季節の移り変わりは上手く出来ている。しかし雨で一日ゴロゴロしていても仕方がないので、ワイフと大泉のTジョイへ映画を観に行く。作品はエデット・ピアフの生涯を描いた「愛の賛歌」だ。2時間半の映画はピアフの生涯をほぼ余すところなく描いている~といってピアフの人生については付け刃で調べたのだけれど~
歌手としての成功と栄光、妻子あるボクシングのチャンピオン、マルセル・セルダンとの恋、そのマルセルの飛行機事故による突然の士。その後のモルヒネ中毒・・・・ピアフの一生は短く激しい。47歳で死を迎えるピアフは猫背になりヨボヨボだ。少なくとも60歳を越えている様に見えた。酒、モルヒネで元々弱いピアフの体はぼろぼろだったのだろう。主演マリオン・コティヤールは弱り切ったピアフを好演している。
この映画のテーマは何か?私はピアフが最後に歌った「水に流して」の歌詞の中に答があると思った。
♭いいえ 私は何も後悔していない 私は代償を払った 清算した 忘れた 過去なんてどうでもいい
「愛の賛歌」でピアフは歌う。
あなたが死んでも あなたが遠くに行っても あなたが愛せてくれさえすれば平気 だって私も死ぬのだから
最近は結婚披露宴に出席することもほとんどなくなったが、若い時出席した披露宴ではこの曲がよく流れた。しかしピアフの愛の背景を考えるとそれがふさわしい選曲なのか疑問を感じた。
私は不倫の愛が悪いとか良いとか言うわけではない。ピアフの愛はそのような善悪の彼岸を行っている。「そう生きるしかない」「そう愛するしかない」というぎりぎりを生きたからピアフの歌と人生は心を動かすものがある。しかしそれは一般の人々には強過ぎる飲み物かもしれないのである。