「国家の罠」 佐藤優著 (新潮文庫) 定価:705円
【この本を読んだ理由】
新聞広告の文庫・新書欄でこの本の簡単な解説を読んだ。まだ、いくらか記憶に残っている「鈴木宗男事件」関連であったので、興味を持った。
【読後感】
この本は、第59回毎日出版文化賞特別賞を受け、衝撃のベストセラーとなったものの文庫化されたもの。
著者「佐藤優」は、鈴木宗男事件にもっとも関係の深い容疑者として逮捕され、無罪を主張しているが、’05年2月執行猶予付き有罪判決を受け、現在上告中。
ところで、この事件は「国策捜査」というもので、わたしには理解し難き事件である。
この本を読んで、510頁に亘る文章を通して、著者の熱き闘いと思いが強烈に伝わってきた。
この本の解説をしている小説家の川上弘美さんが、
“本書は、「鈴木宗男の「懐刀」であったノンキャリア外交官佐藤優が、事件の前後のいきさつと、逮捕されてからの拘置所内での検察官とのやりとり、そして事件の全貌にかんする自分の分析を、克明に書いた作品です。”
と述べている。
また、
“この本がいい本だと思う理由は、
・克明さ
・明晰さ
・美学の存在
でも、いい本だからといって、
「この本に書いてあること全てをうのみにしない方がいいよ。」
と言っているような行間から語りかける作者の声がある。”
とも述べている。
とても共感できる解説だった。
わたしは、
この著者の凄さは、
・登場人物が全て実名で書かれていること。
・この事件の良し悪しは、歴史が証明してくれるという著者の自信が漲っていること。
だと思った。
読んでみたいと思います!