レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

新「ミケーレの蒼き仮面」124及び125

2014-08-22 07:56:57 | 小説

新「ミケーレの蒼き仮面」124及び125




 元右大臣の襟元をつかんでいる肺女の身体の側に
王の身体がやっと近づいたとき、
 「あー、重かった。
 もう、ごめんだよ」
 肺女の首はそう言った。
 そして、
 その言葉とほぼ同時に王の身体の両手が動きだし
肺女と王の首を入れ代えた。


 不思議な出来事を目の前で見た元右大臣は気絶した。
 民衆も突然の出来事にただ呆然としていた。
 そして、
 しばらくすると、
 国王はその場で元右大臣に覆い被さるように
前のめりに倒れたのだった。


 「さあて、この後どうするかな?」
 「ラーメンは海王なんでしょう?
 任せるよ。
 でも、王様、大丈夫かなあ?」
 「あー、お話しの途中ですが、
 そちらは海王様?
 俺は、
 いえ、
 私はサギーでこいつらの...」
 「わかってるよ!
 サギーだろ!
 今から話すことをよく聴いて、
 民衆をその場に土下座させな!」
 「土下座?
 なるほど!
 わかりました」
 サギーは調子よくそう言うと、
 ラーメンの前で跪いてみせた。

 
 「あんたー!
 あのインチキ柿のせいでみんなひどいめに遭ったよ!
 惚けたのかい?」
 元の身体に戻った肺女ハイジは、
 そう言って柿女に近づくと、
 その頭を軽くなでた。
 「ごめんよ。歳だからねえ。
 でも、あんたで良かったねえ」
 柿女はギロチン台を見て笑う。
 「まあねえ」
 「でも、
 マヌケな王様は大丈夫なのかい?」 
 「王?
 ああ、あの身体は使えなかったねえ。
 重すぎ! もっと痩せないとねえ」
 「あたしの訊いたことに答えておくれよ」
 「ああ、そうだったねえ。
 あたしがすぐ交換したから大丈夫よ。
 パワー切れで倒れただけよ。
 それより、
 あの男どうにかしないとねえ。
 あいつはこの国を滅ぼすよ」
 「それなら、心配はいらないよ。
 あの子たちがうまくやってくれるよ」

 「王様、大丈夫かなあ?」
 「パティ、もう大丈夫よ!」
 「だよね!
 やっぱり、神様っていたんだねえ」 
 「そうだねえ。
 あんた、もう恐くないのかい?」
 「うん。
 何かおなかすいたなあ」
 「あら。
 いい度胸してるわねえ。
 後でおいしいもの食べさせてあげるから、
 もう少し大人しくしてなさい」
 チュンメーはパティにそうやさしく言った。

(続く)



「そして3人しかいなくなった?」572

2014-08-22 07:35:02 | 小説

「そして3人しかいなくなった?」572


 「ジョンは気が短いからいっちゃったよ。
 俺たちも戻ろうか。
 リカさんならひとりで戻ってくるよ」
 「そうだね。ケンシロウくん」
 ケンシロウと秀吉は大きな声でそう言うと、
 ジョンと同じように、いったんそこから来た方向に走り出した。
 そして、
 それから、また、今度はゆっくりと足音を立てないように、
また、元の場所に戻ってきたのだった。
 「ケンシロウくんって意外に策略家だね」
 「秀吉くんだって、似てようなもんさ」
 二人はリカを誘いだすためにそんなことをしたのだった。
 だが、
 二人の思惑どおりにリカはなかなか出て来なかった。
 それもそのはずで、リカはまだ以前の姿には戻っていなかったからだった。
 「遅いねえ?」
 「リカさん賢いからバレたかな?」
 「そうかもな。
 ちょっとわざとらしかったかな」
 「黙って待とうよ」
 「そうだな。
 でも、マルナさんかタケさん本当に来てしまうね」
 「なら、それでいいじゃない。
 僕は何か別の理由があると思うんだ」
 結局、ケンシロウと秀吉はジョンとはリカが出てこない理由について、
まったく違うことを考えていたのか、リカが隠れている洞穴の前で待つことにした。


 「ジョン!
 ひとりで何しに来た!」
 タケルがいきなり走って戻ってきたジョンを怒鳴りつけると、
 「途中報告のため戻って参りました!
 ちょっと訳ありの便秘で、
代わりにマルナおねえさんかタケおねえさんを連れてこいって、
ケンシロウくんと秀吉くんが言ってます」
と、
 ジョンは一言余計なことを言った。
 「訳ありの便秘?」
 タケルがそれだけ言ってジョンを睨むと、
 マルナが笑顔で、
 「わかったわ!
 タケル、怒ることないわよ。
 生理現象だからしょうがないじゃない。
 あたしが行って恥ずかしくないように、うまくリカさんに話すから。
 で、ジョン。
 リカさん、どこでしゃがんでたの?」と、
 マルナは変な想像をしたのか、そんなことを言うと、
 「そこまでは目撃してません」
 「ジョン、もう話さないでいいから、そこへ連れてって」
と、
 マルナはあり思い込みからジョンの言葉は真に受けず、
それだけ言うと、ジョンの手を引くようにして、
ジョンが戻ってきた方向に走り出したのだった。
 マルナとジョンがいなくなった後、
 タケが首を傾げながら、
 「何か変ですね?
 何故、ジョンくんだけ戻って来たんですかね。
 マルナさんの思い込みどおりなら、3人揃って戻ってくればいい
と思うんですけど」
と言うと、
 エミが、
 「ケンシロウおにいちゃんと秀吉おにいちゃんは頭良さそうだから、
何か理由あるのよ」
と、
 彼女にしては生意気にそんなことを口にしたのだった。


(続く)



サクラナ外伝フォー「正夢」

2014-08-22 06:39:43 | 小説

サクラナ外伝フォー「正夢」


 「こういうとき、
 おまえは役に立つな」
 「そうだな。
 でも、あのおばさん、病院代払えるのかよ?」
 「心配ない。
 俺の親父は単なるお人好しじゃないから。
 いざとなったら、生活保護受けさせてそこから支払ってもらうんだ。
 それにな...
 やめとく」
 「聞くのやめとく」
 「俺も。
 でも、結構歳の割には綺麗だよね」 
 「たしかにな。
 すっぴんがアレだから、
化粧したらかなりの美人かもな。
 おまえ、
 熟女好きだからいいんじゃない」
 「そこまで年上はなあ」



 タマキがウメナの叔父の家に行き、
正直に話すと、
 「嫉妬でやけ酒で脳梗塞再発の可能性大かもしれないよ。
 でも、胸騒ぎはしないから、いずれ意識が戻って帰ってくるよ」
 叔父は意外にも明るい表情でそんな冗談めいた言い方をした。
 「嫉妬って、
 私と叔父様のこと?」
 「それしかないね」
 「あおくんと百合さんのことは?」
 「それはないと思うけど。
 でも、あおむくんもそこまでしなくてもいいのになあ」
 「だから、顔の広い叔父様にどうにかサクラナを見つけ出してもらいたくて
今まで黙っていたのに相談に来たんですよ」
 「わかったよ。
 私の知り合いに医師会の会長がいるから、
 サクラナちゃんの写真を渡して
東京のどこかの病院に入院していないか、探してもらうから」
 「叔父様!
 やっぱり、頼りになりますね」
 「こういうときにしか役に立てないしね」


(続く)


理想のプチデブ女タレント!レイジー編「顔が命の...柳原に負けたプチデブご愁傷様」

2014-08-22 02:22:05 | 小説

理想のプチデブ女タレント!レイジー編「顔が命の...柳原に負けたプチデブご愁傷様」

深田オバハン健在!

 

水卜麻美
20.9%
深田恭子
15.7%
4位 篠崎愛
8.4%
5位 安めぐみ
6.4%
5位 柳原可奈子
6.4%
7位 磯山さやか
6.0%
8位 小嶋陽菜
4.8%
9位 渡辺直美
2.8%
10位 今野杏南
1.6%
11位 佐々木彩夏
1.2%
11位 筧美和子
1.2%
14位 おのののか
0.8%
14位 ビヨンセ
0.8%
16位 水樹たま
0.4%
16位 譜久村聖
0.4%
16位 滝沢乃南
0.4%
19位 須藤茉麻
0.0%
19位 鈴木香音
0.0%

BY GOOランキング

 


ジャニーズ無双?レイジー編「ジャニーズ特権VS議員特権!勝者は?敗者はエロ聖子」

2014-08-22 02:18:37 | 小説

ジャニーズ無双?レイジー編「ジャニーズ特権VS議員特権!勝者は?敗者はエロ聖子」

議員にエロ特権はありませぬ!

 

急上昇 フィフィ
12.0
4位 NEW 真飛聖
1.9
5位 NEW 岸谷香
1.6
6位 急上昇 浜崎あゆみ
1.6
7位 急上昇 武田梨奈
1.5
8位 NEW 細川ふみえ
1.5
9位 NEW 紺野あさ美
1.4
10位 急上昇 中山美穂
1.0
11位 急上昇 菅山かおる
0.9
12位 急上昇 増田有華
0.8
13位 NEW 小林恵美
0.7
14位 急上昇 栗原恵
0.7
15位 NEW 吉原知子
0.6
16位 NEW 大石恵
0.6
17位 NEW 大山加奈
0.6
18位 急上昇 高橋みゆき
0.6
19位 上昇 マギー
0.5
20位 急上昇 松井珠理奈
0.5

BY GOOランキング

 


ggrnabe勘違!人気がある訳じゃない!レイジー編「マックに行くと殺されてミンスが言うと嫌われる」

2014-08-22 02:15:20 | 小説

ggrnabe勘違!人気がある訳じゃない!レイジー編「マックに行くと殺されてミンスが言うと嫌われる」

某総理「ミンス様々!
お遍路様様!
さあ、別荘へ」

そんなことより、マック殺人事件の方が気になる!

で、そのオチは?

 


BY いまトピ

 


ggrnana女子アナネタに釣られるな!レイジー編「だが、クリックして。また、時間の無駄!」

2014-08-22 02:12:25 | 小説

ggrnana女子アナネタに釣られるな!レイジー編「だが、クリックして。また、時間の無駄!」

具体名のない女子アナに釣られてはいけない!

クリック無用!

 

NEW 女子アナ 線路転落
100
10位 NEW 破たんの白元
41.2
11位 急上昇 コウメ太夫に驚愕
39.3
14位 急上昇 集英社 謝罪
31.0
18位 NEW 熊田曜子 怖い
20.4
20位 急上昇 AKB超選抜にタブー直撃
19.2

BY GOOランキング

 


ggrnhabatsuジャニ後継者争い勝負あり?レイジー編「視聴率コケコッコーで共倒れ?」

2014-08-22 02:09:27 | 小説

ggrnhabatsuジャニ後継者争い勝負あり?レイジー編「視聴率コケコッコーで共倒れ?」

ついにいくのかジャニさん...

 

1. smap育ての親 猛抗議 31,416
2. プロポーズの夜に滑落死 26,112
3. 中山美穂 離婚の真相 24,672
4. 熊田曜子 怖い 21,624
5. ミタパン父 親子の断絶 21,552
6. ドラえもん 打ち切り事件 19,512
7. ジャニーズ 圧力か 17,328
8. 氷川きよし 大ピンチ 13,200
9. 葉山エレーヌ 失望の声 12,720
10. 山本圭一 絶望的 12,624
11. 女子アナ 線路転落 12,552
12. みのもんた 緊急記者会見 10,704
13. 浅野忠信 すごい写真 10,008
14. 脊山麻理子にブチ切れ 9,936
15. 破たんの白元 9,384

BY GOOランキング

 


男のエロ部位第?レイジー編「またもモッコリ効果なし?まずは筋トレより始めよ」

2014-08-22 02:06:07 | 小説

男のエロ部位第?レイジー編「またもモッコリに効果なし?まずは筋トレより始めよ」

某モッコリ男「その他がモッコリだって!」

さあ、何故にイチモツに目がいかない?

嘘つき女が多いわけ?


8344票
胸板
6805票
4431票
4位
3761票
5位 背中
3069票
6位 喉ぼとけ
1859票
7位 お尻
1433票
8位 匂い
900票
9位
796票
10位
713票
11位 くちびる
631票
12位 ひげ
578票
13位 手首
410票
14位 ふくらはぎ
243票
15位
212票
16位 太もも
143票
17位
82票
17位
82票
19位 その他
1585票

BY NTTドコモみんなの声


カミサン伝説18三部作改「幸福の像編33」

2014-08-22 02:00:03 | 小説

カミサン伝説18三部作改「幸福の像編33」



 そして...


 「兄貴、ヨクオの死刑が執行されたって」
 かおむがあおむに言うと、
 「多分、
 長年のバチがあたっただすな。
 僕ももう一度、
 真面目に生きるだすよ」
 「もう、
 真面目に生きてるじゃないか」
 「そういう意味じゃないだすよ。
 昔、詐欺をした人に、ちゃんと返すだすよ」
 「そういうことか、じゃあ、俺もだ」
 「そうじゃないとだすなあ。
 もとえが僕の変わりに受けてくれたバチがまた当たりそうだすよ」
 あおむが、
 死んだもとえの写真を見ながらそう言う。
 「でも、
 詐欺の主犯は姉さんだろう」
 「そうだすが、
 僕も共犯だったからだすから」
 あおむがまたもとえの写真を見る。
 「でも、兄貴にもバチはあたっていたんだぜ。
 ずいぶん、
 長く意識がなかったからなあ。
 多分、
 龍之介とマジメさんのおかげだぞ。
 兄貴があれですんだのは」
 「そうだすなあ。
 そう言えば、
 最近、
 龍之介からまったく連絡がないだすなあ」
 あの後、
 完治したあおむは、
 ふと、龍之介のことを思い出し、
 何の連絡もないので心配になったのだった。
(続く) 


新作ディープ(?改)オチタ編13「ハッピーエンド?」

2014-08-22 01:30:27 | 小説

新作ディープ(?改)オチタ編13「ハッピーエンド?」


 こうして、
 木太郎とヒトメ、
 永久ともとめ、
 二組の挙式は無事終わった。
 なお、
 10年前のあの事件の際、
 永久ともとめが二人揃って、
 もとこの右腕をスコップで殴打したが、
 もちろん、
 正当防衛が認められたことは言うまでもない。
 そして、
 それがきっかけで二人が結ばれることになったことも。
 他方、
 もとことオオシマは、殺人未遂の容疑で逮捕された後、
二人とも獄中で自殺したことを念のため付け加えておこう。
 まずは、めでたし、めでたし?

(終、ボツになったはずだ!)





新作ディープ(?改)「演劇用のナイフ?」

2014-08-22 01:05:39 | 小説

新作ディープ(?改)「演劇用のナイフ?」


 「ホウセイ。
 でも、
 オオシマは地下から出られないぞ。
 隠し扉のプレートを壊したんだから。
 それに、
 もとめ先生は、
 オチタが同行して207号室に一応閉じこめたんだろうが、
 自分の意思では、
 どうしようもできなかったはずだよ。
 レイカとチウメがナイフを探しにこの部屋を出たときに、
もとめ先生と接触した場合以外に犯行の可能性はない。
 だから、
 やっぱり、犯人はあの二人だけか、
 それにもとめ先生が加わったのかいずれかだよ」
と、
 木太郎が反論する。
 すると、
 ホウセイが持っているナイフを見て、
 「レイカちゃんは演劇部じゃないから、
これを演劇用のナイフだと言われれば、信用するんじゃないかなあ。
 アスカちゃんどう?」
 「そうね。
 確かに、よく似てるから知らなければ信用するかもね。
 でも、
 こうやってよく見ると違うわね。
 彼女が犯人じゃないなら思いこんだっていうことになるわよね。
 私も護身用に持ってきたけど、
 今は? あれっ?
 あー、あの騒ぎの際、
 くそたくんの部屋に置いてきたかも。
 そういえば、
 実は、
 あたしたちのグループで相談したとき、あたしの護身用のナイフを使おうと考えていたのよ。
 もとこにそれを持たせて暴れさせて、正当防衛で殺そうと考えたの。
 チウメも演劇部だから持っていたのは本物ではなく護身用ナイフのはずなのよ。
 でも、
 結果的にオチタくんが違うナイフを持っていたということは、
 チウメが、
 わざと違うナイフをレイカに渡した
ということしか考えられないわね。
 問題は、
 レイカともとめ先生がチウメに加担してるかどうかね?
 それと、オオシマがどうかね?
 私も木太郎くんと同じで多分オオシマだけは関係ないと思うけど」
 ホウセイの考えに対し、
 アスカは木太郎に近い意見を言う。
 「私は、
 チウメともとめ先生がグルで、
 レイカは利用されただけだと思うけど?」
 アユメが新しい意見を言う。
 「もとめ先生が皆殺しなんて、
 そんなひどいこと考えるかなあ。
 もとこが考えるのは理解できないでもないけど、
 悪いのは、
 チウメちゃんだけだと思いたいなあ」
 オチタはそう言う。
 「女だけが犯人ならどうにかなりそうだ。
 だから、俺からすると、
 オオシマが共犯かどうかが問題だな」と、
 木太郎が言うと、
 「もし、
 オオシマがどうにかして地下からもう出てきていたとしたら、
とっくにここに来ているはずよ。
 強そうだもん。
 でも来てないでしょう。
 オオシマはまだ地下よ!
 それに、
 仮にオオシマが共犯だとしても、
 最終的には、あたしたちを殺して、
もとこのせいにしないといけないんじゃないの?
 そうだったら、
 早くあたしたちをどうにかしないと死亡推定時刻で、
 そういう偽装もできなくなるんじゃない?
 だから、
 こんなにもたもたしていないわよ」
 アスカがそう言った。
 このとき、
 また、
 ドアがガッシャガッシャと動いた。

(続く)


新本編「キモ男3人衆、イケメン屋敷の謎」「チウメの携帯」

2014-08-22 00:38:20 | 小説

新本編「キモ男3人衆、イケメン屋敷の謎」「チウメの携帯」



 「イヤリングは絶対にはずすな。  
 あとはその指示に従え」
 あおむは、
 チウメの携帯電話に届いていた最後のメールをみんなに見せた。
 「まさか、チウメちゃんが共犯?」
 「残りのメールは」
 エイタが聞くと、
 「消えているだす」
 あおむがそう答えると、
 エイタがあおむからその携帯電話を受け取り中身を確認して、
 「あー。
 この着信時間だと、
 バスを降りる前くらいだから、
 多分、
 メールを確認もせず、
 バスを降りる前に電源を切ったまま消し忘れたんだな」
と言う。
 「で、差出人は」
 木太郎が訊くと、
 「Yしかなかっただすよ」
 「Y?
 うーん?
 まさか、野郎のYか」
と、
 いつきが言う。
 「野郎か?」
 あおむ以外の3人は考えこむ。
 エイタが、
 あおむに、
 簡単に昔のいきさつ、
 野郎の正体を木太郎が言わないことを説明した。
 「オチタは悪い奴だったんだすか?
 犯人は太郎という奴なんだすかな
 うーん? 野郎だすか?」
 「木太郎、
 まだ野郎の正体を言えないのか」
 エイタが言うと、
 「絶対に言わない」
と、
 木太郎が言うと、
 「じゃから、
 野郎は木太郎なんじゃろうが」
と、
 キタジマは言う。
 「また、その話しか」
 木太郎が言うと、
 「やっぱり、こうなったら、
チウメちゃんにすべて話ししてもらうしかないなあ。
太郎も知っていることだし」
と、
 エイタが言うと、
 「そんなことをしたら、みんなみたいに、やられます。
 もう、許してください」
 チウメは泣きながら言う。
 「もう話すしかないじゃろう。
 話せないなら、わしがおぬしを殺して、わしも死ぬぞ」
と、
 キタジマが脅すと、
 チウメがまた震えだす。
 「その様子だと、
 キタジマさんもまだ秘密にしていることがあるんですね」
 エイタはそう言った。

(続く)