レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

「そして3人しかいなくなった?」572

2014-08-22 07:35:02 | 小説

「そして3人しかいなくなった?」572


 「ジョンは気が短いからいっちゃったよ。
 俺たちも戻ろうか。
 リカさんならひとりで戻ってくるよ」
 「そうだね。ケンシロウくん」
 ケンシロウと秀吉は大きな声でそう言うと、
 ジョンと同じように、いったんそこから来た方向に走り出した。
 そして、
 それから、また、今度はゆっくりと足音を立てないように、
また、元の場所に戻ってきたのだった。
 「ケンシロウくんって意外に策略家だね」
 「秀吉くんだって、似てようなもんさ」
 二人はリカを誘いだすためにそんなことをしたのだった。
 だが、
 二人の思惑どおりにリカはなかなか出て来なかった。
 それもそのはずで、リカはまだ以前の姿には戻っていなかったからだった。
 「遅いねえ?」
 「リカさん賢いからバレたかな?」
 「そうかもな。
 ちょっとわざとらしかったかな」
 「黙って待とうよ」
 「そうだな。
 でも、マルナさんかタケさん本当に来てしまうね」
 「なら、それでいいじゃない。
 僕は何か別の理由があると思うんだ」
 結局、ケンシロウと秀吉はジョンとはリカが出てこない理由について、
まったく違うことを考えていたのか、リカが隠れている洞穴の前で待つことにした。


 「ジョン!
 ひとりで何しに来た!」
 タケルがいきなり走って戻ってきたジョンを怒鳴りつけると、
 「途中報告のため戻って参りました!
 ちょっと訳ありの便秘で、
代わりにマルナおねえさんかタケおねえさんを連れてこいって、
ケンシロウくんと秀吉くんが言ってます」
と、
 ジョンは一言余計なことを言った。
 「訳ありの便秘?」
 タケルがそれだけ言ってジョンを睨むと、
 マルナが笑顔で、
 「わかったわ!
 タケル、怒ることないわよ。
 生理現象だからしょうがないじゃない。
 あたしが行って恥ずかしくないように、うまくリカさんに話すから。
 で、ジョン。
 リカさん、どこでしゃがんでたの?」と、
 マルナは変な想像をしたのか、そんなことを言うと、
 「そこまでは目撃してません」
 「ジョン、もう話さないでいいから、そこへ連れてって」
と、
 マルナはあり思い込みからジョンの言葉は真に受けず、
それだけ言うと、ジョンの手を引くようにして、
ジョンが戻ってきた方向に走り出したのだった。
 マルナとジョンがいなくなった後、
 タケが首を傾げながら、
 「何か変ですね?
 何故、ジョンくんだけ戻って来たんですかね。
 マルナさんの思い込みどおりなら、3人揃って戻ってくればいい
と思うんですけど」
と言うと、
 エミが、
 「ケンシロウおにいちゃんと秀吉おにいちゃんは頭良さそうだから、
何か理由あるのよ」
と、
 彼女にしては生意気にそんなことを口にしたのだった。


(続く)




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