佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

この国の政治家に戦略眼があるのか?

2008-09-08 09:23:10 | 戦略眼
自民党総裁候補たちの政権構想とやらが出はじめているようです。読んだわけではないので、いまの段階でああだこうだというのも失礼なことですが、新聞を読んだ限りでは税制の話が中心のようです。

でも、ちょっと首をかしげてしまう。

たしかに当面の景気は大事だけれど、日本が今後十年くらいで何をしなければいけないか、という長期的な構想がなぜもっと前に出てこないのだろう。

農業政策、特に食糧自給の問題の場合では、それくらいのスパンで考えて、きちんとした政策をたてないとうまくいくわけがない。これは地方の活性化とも大いに関係する話です。

エネルギー問題だってそうです。私は太陽光発電がいちばん可能性があると見ていますが、それでもまだひよっこです。これをどうやって育てていくかは、エネルギー戦略だけでなく、外交政策、安全保障問題とも大きくかかわってくる。

いま、ロシアや中国が辺境の地で資源エネルギー争奪の紛争を引きしています。そういうことが、巡り巡って世界紛争にまで発展する危険だってある。そうなれば、海外でエネルギーを調達することは至難の業になるでしょう。そういうリスクにどう対処するつもりなのか。具体的戦略が自民候補から聞けるのでしょうか。

さらに言えば、道州制のような国家の骨格・構造を変えることを、彼らが真剣に考えているのかどうか。国家運営費用、税金、保険料支払いの引き下げに最も効果があるのがこの戦略です。

しかも、地方活性化という願望さえ、この戦略で達成可能なのです。しかし、まともな議論が展開される気配はいまのところない。

それから、社会保障制度の問題はいまさら言うまでもありませんね。

小沢民主党にも同じ懸念があるのですが、政治家はあまりにも目先のことばかり考えているような気がします。

財政の健全化を図るといっていても、それはあくまで戦術レベルの話にすぎないと私は見ている。上で述べたような戦略があって、ではそれを税制などでどう実現していくかという論議にならないと、まともな国家運営にはなりそうもないと私は思います。

政治家さんたちは、そのあたりの戦略意識が希薄なような気がして仕方ない。会社で言えば、部長クラスの発想でしかない。トップとしての戦略眼が見られない。

これから政権構想が発表されるそうですから、そのあたりを見てみたいのですが、正直あまり期待できないような気がしている。


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