佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダーの条件39――士農工商の大いなる錯覚

2008-04-03 10:27:48 | リーダー感覚
昨晩NHKの「その時歴史は動いた」を見ました。徳川四天王の紹介でしたが、あまりよく知らない人物もおりましたので、「へー、そういう人たちだったの」と思いました。

そのなかでは、井伊直政は割りと知っておりました。勇猛果敢な軍団として有名ですが、もとは確か武田騎馬軍団ではなかったでしょうか。武田の軍団を直政軍に編入したと記憶しますが。

軍団が赤い鎧をまとうので、「井伊の赤ぞなえ」として恐れられたそうです。井伊さんは関が原の合戦で戦端を開いたのだそうですが、その役割は本来は福島正則に割り当てられていたため、明らかに軍規違反でした。

本来なら軍法会議ものですが、家康は不問に付したそうです。家康は、かなり懐の広い人のようです。

この日は、NHKのスタジオに新入社員50人が集められ、そのような意志決定をどう思うか、意見を述べていました。みなさん真面目に問題を考えていて、ういういしさに好感をもちました。

ただ、NHKの質問の設定には少々苦笑いしました。ステレオタイプな質問でしたから。武将たちの意志決定を会社組織の問題として考えさせるわけです。たとえば、「組織の命令に従わないで、自分の行動を貫いた井伊をどう思うか」とかですね。

会社と軍隊とは違いますからねえ。四天王の行動を会社にそのまま置き換えて考えるというのも、どうなんでしょうか。命がかかっているのと、お金がかかっているのでは人間行動は違うはずではないか、と思いましたが。そういう意見を言う人もいましたがね。

まあ、しかし、それは些細なことで、実はどうでもよいのです。

本当の問題は、日本中のサラリーマンが、自分たちは将軍やその家来のつもりでいることですね。会社は軍団。あるいは、○○藩のつもり。役員さんは城代家老とかですね。

でも、本当のことを言えば、サラリーマンはただの百姓なんですよ。農民です。金を搾り取られるだけの。

「百姓は倒れる直前まで搾り取れるだけ搾り取れ」と江戸時代には言われてたんでしょ。それですよ。

現代で武士と言えるのは官僚だけでしょう。そこに大いなる錯覚がある。新卒の人もそのうち気がつくかな。定年まで気がつかないほうが幸せかもしれませんがね。

ですから、景気を活性化させるためにどうすればいいかを考えるとき、藩政をどう活性化させたんだろう、と考えるのはとんだお門違い。どうやって農村を新興したかと考える方がよいのではないですか。いや、どうやって農民から搾り取るかを考えるべきか?

今日はちと皮肉すぎます?

景気に影響を与えるのは、いまや内需です。GNPの6割は内需でしたっけ。だから、税金下げて、ガソリン下げて、給料上げたほうが、景気はよくなるはずですよ。公共事業なんかやめて、その分減税すればいいんですよ。公共事業なんか、ひょっとしたら江戸時代の、なんと言いましたっけ、藩の力を弱めるために幕府が藩に土木工事を押し付けたでしょう、あれかもしれませんよ。知事さんも、予算分捕りにしょっちゅう参勤交代させられるしねえ。

政府も自民党も、昔のやり方にしがみついている。でも、企業だってそうです。今年はボーナスを上げないそうですよ。去年までは景気がいいのに研究開発のための内部留保が必要だと言い、じゃあ今年こそはと期待していたら、景気がかげりだしたからダメだって。ほんとに、サラリーマンはお百姓さんそのものだ。


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