S嬢のPC日記

2004年から2007年まで更新を続けていました。
現在ははてなで活動しています。

ショート・アイズ

2006年01月15日 | つぶやき
 2005年08月20日にアップした「宇宙遊星間旅行」に入れられたねこどしさんのコメント。
大人になってふと思い出し探してましたが廃刊との事。しつこく古本屋を探し、おととしネットを通して見つけなんと2万で購入しました。
 そうそう、こうやって、探し続けたものに出会えるチャンスを拾えるのがネットというものであるよなあ、と。

 過去、自分の中で未完成になっている思考の元になっているもの、そんなものを解決させるためにネットを利用することがある。その中で、ネットでも見つからない、非常に残念なものがわたしにはある。

 1982年に文学座で上演された「ショート・アイズ」という作品がある。わたしはこの作品のゲネプロ、つまり上演前の通し稽古を見学する機会を当日突然に得て、前情報全く無しに観劇。非常に強く印象に残ったのだけれど、テーマや、その演出においてどこに主眼を置いたものだったのか、全く覚えていない。観劇後、そのポスターを見ながら、強く残った余韻に呆然としていた記憶のみが残っている。

 ずっと長いことそのままになっていたのだけれど、ネットを利用するようになって、この終わらない感想を完結させたいという欲が出る。

 でも見つからない。本も出版されていない。このときの上演の感想や解説をしてくれる個人サイトも無い。

 見つかったもので、めぼしいものはコレだけ。 ミゲル”マイキー”ピニェイロ”を知ってますか

 以下、本文から引用。
「ショート・アイズ」とは、児童暴行犯を指す隠語で、プエルトリカンやアフリカン・アメリカンばかりの刑務所に白人の「ショート・アイズ」が収監されるというドラマだ。
 柄の悪い悪質な犯罪者ばかりが収監されている刑務所。そこに白人の気弱そうな囚人が収監される。その囚人の犯した犯罪については、他の囚人たちに隠されている。
 やがて、この白人の犯罪を、他の囚人たちが知ることになる。この犯罪がわかった時点で、他の囚人たちは瞬間沈黙し、憎々しげに吐き捨てるように呟く。「ショート・アイズ」「ショート・アイズ」「ショート・アイズ」…。
 児童に対しての性的暴行犯は「ショート・アイズ」と呼ばれ、もっとも軽蔑され、憎まれる存在だと、そんな意味合いだったと思う。この白人はこの日から、他の囚人たちから数々の暴力と暴行を受け、殺されるのだったか自殺するのだったかという形で、ぼろぼろの状態で死ぬのがラストだった。
 この白人が、自分を忌み嫌いながらも、自分の犯罪を語るシーンがあった。そのシーンの視点が誰よりであったのか、記憶が定かじゃない。ストーリーの展開もよく覚えていない。たった1人の白人という、人種差別が関係していたのかということもよく覚えていない。ただ、わたしの記憶に強烈に残ったのが、他の囚人たちが新参者の白人を「児童に対しての性的犯罪者」と知った時点の反応と、その憎み方だった。全て囚人で、いわゆる世間的に正しい人間など1人もいない。しかしその中でも、憎むべき罪として、法律を超えて人間の価値観で裁かれる存在と出てきた「ショート・アイズ」。

 映画として上演されたというこの「ショート・アイズ」、日本では公開されなかったようだ。日本では、この文学座の上演後、本多劇場にて公演されているらしい。

 これ以外の情報が手に入らない状況で、わたしは誰かの「ショート・アイズ」公演のレビューが読みたい。この作品についてもっと知りたい。とりあえず、検索であまりにも少ないこの「ショート・アイズ」に関しての、個人が出せる情報のひとつとして、拙いなりに出しておこうと思う。

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