黒猫、飼ってます。

３年半ほど前のある日、誰かがウチの裏に捨てていきました。
写真は拾って数日後のものです。
近所の方のお話によれば、近くの国道を使って車で子猫を捨てに来る方がいるらしく、その中の一人によって捨てられた子猫だろうということでした。
夜、敷地内の物置の裏でぴゃーぴゃーと鳴き、様子を見に行くと、玄関に回って座っていました。
のちに聞いた獣医の話では、この時推定で生後２ヶ月を過ぎた程度ということでした。
親から離して生きるには、ぎりぎりの時期だったようです。
今はむくむくと大きくなっています。
野良ではなく、人の家で飼われた猫から生まれ、しばらくはそこで暮らした子猫であることは、猫用の砂のトイレでの「しつけ」が完璧にできていたことですぐにわかりました。
子どもに対して、何をされても「絶対に爪を立てない」利口な猫です。

結婚して間もない頃、生まれたばかりの子猫が迷い込んできたことがありました。
公園に面した集合住宅だったので、その公園に捨てられた猫のようでした。
すぐに様子が変わり、病院に連れていった二日後に亡くなりました。

今の家に住み始めてから、すぐに向かいの家の猫が頻繁にやってくるようになりました。
猫を飼っていたにもかかわらず、家の中で犬を飼い始め「家を追われてうろうろしている」猫でした。
きちんともらい受けたいと思っていたのですが、「ご迷惑だから」とばかり言われてしまって、どうしようかと思っていた頃に、姿を見せなくなりました。
そのうちに、数軒先の家の縁の下で、何かを吐いて死んでいるのが見つかりました。

今、ウチにいる、この黒猫。
「生きている」、そのこと自体の実感が、とてもうれしいご縁の一つです。