S嬢のPC日記

2004年から2007年まで更新を続けていました。
現在ははてなで活動しています。

「たったひとつのたからもの」:感動と日常

2004年11月08日 | たったひとつのたからもの
おととしのこと。
車に11歳ダウン症児娘と、障害というものは持ってない8歳の息子を乗せ、
所用の帰りにコンビニへ。
娘が降りないので、置いて出る。
(こうした時に、時々車の中で待ちたがる)

数分後、店のすぐ前に停めた車に戻る。

・・・車がロックしてある。

(しまった、キーを中にさしたままだ)

「ちぃちゃん!」

思わず大きな声を出したわたしに、
叱られたのかと思った娘が、
セレナの最後列のシートにあわてて移動。

「ちがう、ちぃちゃん。お願い、コッチ来て」
(運転席を指さす)

窓をきっちり閉め、ロックされた車の中に向かっての声なので、
自ずと大きくなる。
(もともと、声、でかい。。。)

「だいじょうぶよ、がんばって、
 お願い、だいじょうぶよ、コッチに来て」


叱られているのかいないのか、
怪訝そうな顔をする娘。

「お願い、がんばって、
 だいじょうぶよ、コッチに来て」


「おかあさん、どうしよう」 と息子。
「だいじょうぶよ、ちぃなら、きっと、できる。
 だいじょうぶよ」

(実は、母、大慌て、大焦り)
(でも、キーをさして出た自分がまちがいなく、悪い)
(瞬間、JAFも考える、でも、信じようよ)

運転席に移動する娘。

「ちぃちゃん、ココよ~、ココ」
(運転席ドアのロックを指す。多分、そこでいじったはず。)
(ただ、本人にその自覚、それを思い出す能力があるかは
 かなりアヤシイ)

「ちぃちゃん、だいじょうぶよ、
 ココよ~~、ココ」

(そのあたりにちょっと手を伸ばす)
(あきらめる)
(運転席を離れようとする)

「だいじょうぶ、がんばって、お願い、もう一度」
(また、そのあたりにちょっと手を伸ばす)
(あきらめる)
(運転席を離れようとする)

「だいじょうぶよ、だいじょうぶ。
 お願い、がんばって、お願い、もう一度」


くり返すこと、数回。

カチャ

「やった~~~~~!」 大騒ぎで手を取り合って喜ぶ母と息子。

「さ、行こうぜ~~~~」


後日、このコンビニで。
レジにいたバイトのお嬢さん二名、
目にお星様いっぱいの表情で、

「かんどう、しました~~~~~」

・・・は???

「この間、ずっと見てたんです。
 どうしようかってのも、言ってたんです。
でも、店長が、
『あのおかあさんに任せなさい』って。
『あれでダメなら、きっと何か言ってくるかもしれない、
 でも今は、もう少し、待ちなさい』って。
で、あいたんです! 車のドア!


「・・・あ、はい。」

「かんどう、でした!」

「・・・あ、はい。」 (おお、意味、了解)
「ありがとうね~~~。」

感動、なんです、かね。
感動、なんだろう、なあ。
そうか、感動、かあ。

という、ある日のお話。

感動?

いや、それがどうのということでもなく、
感覚が、もう、よくわからない?
って感じ? かな?

いや、事件ではあったけど、
けっこう、日常。
あと、反省材料、かな?
自分への。

あとは、このコンビニが、
「単なるコンビニ」ではなく、
「レジの人と話すコンビニ」になったこと、かな?