週末を利用して、はとバスのツアーに娘と参加した。

初日は、新宿から中央高速を経由して上高地へ。安曇野で一泊し、2日めは立山黒部アルペンルートから雪の大谷ウォークを楽しむコースである。
「バスなんだから、ソフトクリームはダメだよ。飲み物もちょっとにしておきなさい」
釘を刺したのは私ではない。大学生の娘である。たたみかけるように、とどめの言葉が突き刺さる。
「いつも勝手に飲んで、勝手にトイレに行きたくなるんだから」
しょんぼり……。否定はしないが、飲食を制限されると、ちとツライ。
早めに申し込んだおかげか、バスの座席は最前列だった。だが、この日は、東名高速を走行中の観光バスを目がけて、乗用車が飛んでくるといった信じられない事故が起きている。景色よりも安全性を優先するなら、中ほどの席が一番いいのかもしれない。
バスが走り始めて1時間半。早速、談合坂SAで休憩をした。時間はたっぷりあるし、そろそろ口さみしくなってきた。
「コーヒー飲みたいな」
「飲めばいいじゃない」
「でも、トイレが心配」
「じゃあ、やめれば」
「半分こしない?」
「いいよ」
「でも、お店に行列ができてる」
「あっちの機械は空いてるよ」
「機械じゃイヤ~」
「ケッ」
結局、何も買わずにバスに戻った。あとから、これが正解だとわかった。可愛いバスガイドさんが、温かいお茶を振舞ってくれたからだ。

「おいし~」
上高地はの気温は、27度のときもあれば、14度のときもあるらしい。どこかのサイトで、「この時期の平均気温は21度」と書いてあったような気がして、私は長袖2枚を着込んでいた。東京では少々暑かったが、上高地ではちょうどいいはずだったのだが……。
「皆さま、上高地は雨の模様です」
松本インターを下りてしばらく走ると、フロントガラスに水滴が叩きつけられる天気に変わった。自由散策の時間が2時間半あるというのに、なんという不運。しかも、だんだん雨脚が強まっている。
「お母さん、どうするの? こんな雨の中、歩きたくないよ」
「同じく。上高地帝国ホテルでまったりしよう」
元気なグループは合羽を着て傘を差し、大正池からハイキングに出発したようだが、すっかりやる気を失った私たちは、帝国ホテルでのんびりランチを楽しむことにした。

天気が悪いせいか、ランチタイムでも満席ではなく、待ち時間なしで食事にありつけラッキー!

食後にホテルを出たら、先ほどまでの攻撃的な雨が、小雨に変わっている。
「よし、河童橋まで歩こう」
「うん」
残念ながら、穂高連邦は見えない。

それでも、並んだ白樺がリゾート感を漂わせ

都内の日常生活では味わえない爽快さが感じられた。
雨だけど、来てよかった。
それにしても寒い。寒すぎる。ほんの10分歩いただけで、指先が固まってしまったし、体が縮こまって背筋を伸ばせない。21度などという情報を信じた私がアホだった。
「河童橋ってアレじゃね?」

バスターミナルは橋の手前にある。とても橋まで行く気にはなれず、離れた場所から写真だけ撮って、そそくさとバスに乗り込んだ。
「あったか~い」
「お帰りなさいませ」
添乗員さんとバスガイドさんが笑顔で迎え入れてくれた。
「さきほど、現地の方と話をしていたら、今日の気温は9度とおっしゃっていました」
ガイドさんの言葉に耳を疑った。
「きゅうどぉ?!」
そりゃ、寒いわけだ。
立山黒部アルペンルートの室堂では、6月でも最高気温が10度に届かないというから、中綿入りのコートをキャリーに入れてある。まさか、上高地でも必要になるとは思わなかった。
さんざん飲み食いしたので、念のため、バスが出発する前にトイレに寄ることにした。
ここはチップ制となっている。環境保全を願い、100円玉を料金箱に入れた。ついでに、「次の機会があったら晴れますように」と念じてみる。
賽銭箱じゃないっつーの。

↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)

初日は、新宿から中央高速を経由して上高地へ。安曇野で一泊し、2日めは立山黒部アルペンルートから雪の大谷ウォークを楽しむコースである。
「バスなんだから、ソフトクリームはダメだよ。飲み物もちょっとにしておきなさい」
釘を刺したのは私ではない。大学生の娘である。たたみかけるように、とどめの言葉が突き刺さる。
「いつも勝手に飲んで、勝手にトイレに行きたくなるんだから」
しょんぼり……。否定はしないが、飲食を制限されると、ちとツライ。
早めに申し込んだおかげか、バスの座席は最前列だった。だが、この日は、東名高速を走行中の観光バスを目がけて、乗用車が飛んでくるといった信じられない事故が起きている。景色よりも安全性を優先するなら、中ほどの席が一番いいのかもしれない。
バスが走り始めて1時間半。早速、談合坂SAで休憩をした。時間はたっぷりあるし、そろそろ口さみしくなってきた。
「コーヒー飲みたいな」
「飲めばいいじゃない」
「でも、トイレが心配」
「じゃあ、やめれば」
「半分こしない?」
「いいよ」
「でも、お店に行列ができてる」
「あっちの機械は空いてるよ」
「機械じゃイヤ~」
「ケッ」
結局、何も買わずにバスに戻った。あとから、これが正解だとわかった。可愛いバスガイドさんが、温かいお茶を振舞ってくれたからだ。

「おいし~」
上高地はの気温は、27度のときもあれば、14度のときもあるらしい。どこかのサイトで、「この時期の平均気温は21度」と書いてあったような気がして、私は長袖2枚を着込んでいた。東京では少々暑かったが、上高地ではちょうどいいはずだったのだが……。
「皆さま、上高地は雨の模様です」
松本インターを下りてしばらく走ると、フロントガラスに水滴が叩きつけられる天気に変わった。自由散策の時間が2時間半あるというのに、なんという不運。しかも、だんだん雨脚が強まっている。
「お母さん、どうするの? こんな雨の中、歩きたくないよ」
「同じく。上高地帝国ホテルでまったりしよう」
元気なグループは合羽を着て傘を差し、大正池からハイキングに出発したようだが、すっかりやる気を失った私たちは、帝国ホテルでのんびりランチを楽しむことにした。

天気が悪いせいか、ランチタイムでも満席ではなく、待ち時間なしで食事にありつけラッキー!

食後にホテルを出たら、先ほどまでの攻撃的な雨が、小雨に変わっている。
「よし、河童橋まで歩こう」
「うん」
残念ながら、穂高連邦は見えない。

それでも、並んだ白樺がリゾート感を漂わせ

都内の日常生活では味わえない爽快さが感じられた。
雨だけど、来てよかった。
それにしても寒い。寒すぎる。ほんの10分歩いただけで、指先が固まってしまったし、体が縮こまって背筋を伸ばせない。21度などという情報を信じた私がアホだった。
「河童橋ってアレじゃね?」

バスターミナルは橋の手前にある。とても橋まで行く気にはなれず、離れた場所から写真だけ撮って、そそくさとバスに乗り込んだ。
「あったか~い」
「お帰りなさいませ」
添乗員さんとバスガイドさんが笑顔で迎え入れてくれた。
「さきほど、現地の方と話をしていたら、今日の気温は9度とおっしゃっていました」
ガイドさんの言葉に耳を疑った。
「きゅうどぉ?!」
そりゃ、寒いわけだ。
立山黒部アルペンルートの室堂では、6月でも最高気温が10度に届かないというから、中綿入りのコートをキャリーに入れてある。まさか、上高地でも必要になるとは思わなかった。
さんざん飲み食いしたので、念のため、バスが出発する前にトイレに寄ることにした。
ここはチップ制となっている。環境保全を願い、100円玉を料金箱に入れた。ついでに、「次の機会があったら晴れますように」と念じてみる。
賽銭箱じゃないっつーの。

↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
しかしホテルのレストランはさすがに良いですね~!しかし若い頃は手が出ませんね。お疲れ様でした。
道が細くて大型バスでトンネルをくぐるのが大変でした。
入口でクラクションを鳴らし、対向の大型車には停まってもらわないとすれ違えない場所もあります。
でも、その割には雨で楽しめず……(笑)
ネットを見る限りでは、五千尺ホテルのレストランが美味しそうでしたよ。
機会があれば、行ってみたいです。
9度で池にはまったら、凍死しますね……。
猛暑の東京から離れ、避暑に訪れるのが理想かと。
空気も水も美味しい、素敵なところですよね。
我が家では、いきなり立山室堂目指してガンガン登るスタイルなので、ホテルで優雅にランチなんて、おしゃれな経験がありません。
おいしそう!
青空を見てほしかった気もします。
今日は室堂の話をアップする予定です。
とはいっても、乗り物に頼るルートですが(笑)
上高地のイメージは「とにかく寒いところ、北極並み」となってしまいました。
青空は立山で見ましたよ。
山から見る空は、濃い青に見えます。
幸せを感じる瞬間でした。