何日か前から、左目の異物感を感じていた。ゴロゴロした感じが、どうにも不快である。
どうしようかな……。
その日は土曜日だった。用事があり、昼過ぎには出かけなければならない。でも、午前中なら空いている。
今、眼科に行かなければ、月曜まで治らないのだ。重い腰を無理やり引っ張り上げ、私は駅前に向かった。
「あのう、初めてなんですけれど」
「じゃあ、問診票の記入をお願いします」
痛みはない。視界も悪くない。異物感と少々の充血があるだけだ。
ただ、徐々に耐え難いレベルに近づいているから、何とかしてほしい。
また、あれかな……。
思い当たる節はあった。私は結膜結石ができやすい体質らしい。あかんべえをすると、白くて小さなできものがあり、これが悪さをするのだという。
子どものときから、ときどき眼科で除去してもらっていたが、ここ何年かは放置している。
おそらく、また復活したのだろう。
「笹木さん」
ようやく順番が来たようで、名前が呼ばれた。
医師は若い女医であった。問診票を片手に、予習をしている。
「今日は、目がゴロゴロするんですね」
「はい。結膜結石ができやすいと言われたことがあるので、それかもしれません」
「では拝見しましょう」
まずは、下まぶたからだ。
「ああ……。いっぱいありますね」
「でも、ゴロゴロするのは上なんです」
「上?」
医師は、下まぶたから手を離し、上まぶたをひっくり返した。
「……こりゃ、ゴロゴロするはずだわ」
自分では、上まぶたの奥が見えない。どのくらいの結石ができているのかわからないが、相当な数に上るようだ。
「全部は取り切れませんけど、やってみましょう」
彼女は点眼麻酔を私の目に注すと、メスを持って結石を取り始めた。
「これが気になるなぁ」
「もうちょっとなのに……」
診察は孤独な仕事なのだろうか。彼女は独り言を連発し、結石と格闘している。
5分後、ようやく結石退治にめどがついたらしい。医師は疲れた顔をして、椅子に座り込んだ。
「これでゴロゴロしなくなると思いますが、まだいくつも残っていますから、気になったら来てください」
「はい」
「右目はどうかしら」
医師は、右目のまぶたを裏返し、結石ができているかを確認した。
「こっちは何もないです」
「へ?」
なぜか、私の結膜結石は、左だけと決まっているらしい。
実に不思議だ……。
子どものとき、和田慎二さんの『左の眼の悪霊』という漫画を読んだことがある。
私の場合は、「左の眼の治療」だなと、つまらないことを考え、あやうく滑りそうになった。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
どうしようかな……。
その日は土曜日だった。用事があり、昼過ぎには出かけなければならない。でも、午前中なら空いている。
今、眼科に行かなければ、月曜まで治らないのだ。重い腰を無理やり引っ張り上げ、私は駅前に向かった。
「あのう、初めてなんですけれど」
「じゃあ、問診票の記入をお願いします」
痛みはない。視界も悪くない。異物感と少々の充血があるだけだ。
ただ、徐々に耐え難いレベルに近づいているから、何とかしてほしい。
また、あれかな……。
思い当たる節はあった。私は結膜結石ができやすい体質らしい。あかんべえをすると、白くて小さなできものがあり、これが悪さをするのだという。
子どものときから、ときどき眼科で除去してもらっていたが、ここ何年かは放置している。
おそらく、また復活したのだろう。
「笹木さん」
ようやく順番が来たようで、名前が呼ばれた。
医師は若い女医であった。問診票を片手に、予習をしている。
「今日は、目がゴロゴロするんですね」
「はい。結膜結石ができやすいと言われたことがあるので、それかもしれません」
「では拝見しましょう」
まずは、下まぶたからだ。
「ああ……。いっぱいありますね」
「でも、ゴロゴロするのは上なんです」
「上?」
医師は、下まぶたから手を離し、上まぶたをひっくり返した。
「……こりゃ、ゴロゴロするはずだわ」
自分では、上まぶたの奥が見えない。どのくらいの結石ができているのかわからないが、相当な数に上るようだ。
「全部は取り切れませんけど、やってみましょう」
彼女は点眼麻酔を私の目に注すと、メスを持って結石を取り始めた。
「これが気になるなぁ」
「もうちょっとなのに……」
診察は孤独な仕事なのだろうか。彼女は独り言を連発し、結石と格闘している。
5分後、ようやく結石退治にめどがついたらしい。医師は疲れた顔をして、椅子に座り込んだ。
「これでゴロゴロしなくなると思いますが、まだいくつも残っていますから、気になったら来てください」
「はい」
「右目はどうかしら」
医師は、右目のまぶたを裏返し、結石ができているかを確認した。
「こっちは何もないです」
「へ?」
なぜか、私の結膜結石は、左だけと決まっているらしい。
実に不思議だ……。
子どものとき、和田慎二さんの『左の眼の悪霊』という漫画を読んだことがある。
私の場合は、「左の眼の治療」だなと、つまらないことを考え、あやうく滑りそうになった。
↑
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
麻酔するから痛くない?
私は前に、年末ものもらいができて、眼科に切りにいきました。
「痛かったら我慢しないでね。男の方が痛い痛いというけど、女の人は我慢しちゃうから…」と女性の眼科医に言われました。
痛くないんですよ、これが。
異物感のほうがイヤですね。
ジワジワと圧迫されるような気がして。
ものもらいも不快です。
男性は痛みにも血にも弱い人が多いかもしれません。
この前、娘が自転車で転び、大きな擦り傷を作りました。
友達と会う約束をしていたので、コンビニに入り絆創膏を買おうとしました。
男性客がすれ違いざまにキズを見て、倒れそうになっていたとか(笑)
見たくなかったでしょうね。
いたたまれない写真です。
私もなぜか左目ばかりがものもらいになります。
そうして、決まって10年に一度、右目に巨大なものもらいができるんです。
左目に視力がないので、右にできた年は大変です。
仕事にも行けず、寝たきりです。
右目さん、いつもいつもありがとうと思います。
きっと、10年に一度は盛大に感謝されたい右目の陰謀と思っております。
私は子供の頃に結膜炎でした。やはり女医さんでした。
ケツマクエンと言えずにケツマクレンと言っていたとか・・・すべったかも!(*゜.゜)ゞポリポリ
眼科は少ないので混んでいると聞きます。御だいじになさってください。
フォトは気持ち悪いかも、葛餅を飲み込んだ無精ひげの口にも見えます。(||゜Д゜)ヒィィィ!
(*_*)
病気って、左右対称にかからないんですよね。
不思議~。
どちらかに偏る傾向があるような。
私はものもらいには強いかもしれません。
仕事にも行かれないとあっては大変!
視界不良は危険です。
一度だけ、ものもらいを切ったことがありました。
眼帯をしたのですが、不便この上ないですね、あれは。
まだ結石のほうが可愛いもんですよ。
あっ、こちらも言いましたよ。
でも、結膜炎を放置しても、特に問題なかったです。
失明の危険もないし、痛くもかゆくもなし。
目ヤニが多いのだけが気になりました。
フォト、ごめんなさいね。
自分でもギョッとしたので、縮小してみました。
葛餅というより、大福かなぁ??
それは多分、結石なのではないかしら。
あったからって、害はないのよ。
たくさんだったり、大きかったりすると、目がゴロゴロするのが問題だけど。
自然に取れることも多いし。
様子見でいいのでは?
復讐ものでした。
頭に近いほど痛みが増す気がするので、結膜結石って
凄く痛そうです!
砂希さんは慣れてらっしゃるけど、私にできたら大ショック!
迅速に処置してもらえて、よかった。
うーん、全然痛くないので大丈夫ですよ。
ただ、異物感があるので困ります。
和田慎二さんは、なんといっても『スケバン刑事』ですね!
『ピグマリオ』もよかった。
お亡くなりになったのが残念です。
漫画家って、不規則で不健康な仕事みたいですね。
もっと、楽しい話を書いてほしかったのに…。
『銀色の髪の亜里沙』も読みましたよ。
サンショウウオが可愛かったです♪