これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

スカートでは危険な松本城

2024年04月07日 17時53分34秒 | エッセイ
 先月末、国宝松本城を訪れた。
 2017年にバスの車窓から見たことがあり、「素敵! いつか行きたいわぁ」と願っていた場所だから、念願かなったりというわけだ。
 東京・練馬区からのアクセスは、立川まで出て特急あずさを利用するのが一番である。松本駅から徒歩14分という好立地であるため、気軽にフラッと出かけることもできる。もっとも、駅に合わせて建てたわけではないけれど。
 久しぶりの特急に興奮し、奮発してグリーン車を予約した。



 車内販売もあるが、ホットコーヒーは売られていない。乗り込む前に調達すると行楽気分がさらに盛り上がるに違いない。
「松本、松本。終点です」
 あずさ1号だと、ここには9:42に到着する。駅前には飲食店がたくさんあり、8時頃から開店しているらしい。長野県民は働き者である。まっぷるに掲載されている店を選び、休憩してからお城に向かった。
 お濠が見えてくるとテンションが上がる。



 この日は春休みの土曜日だったこともあり、10時台でもすでに観光客でいっぱいだった。外国人の姿も目立つ。門をくぐるまえに、山を背景にそびえたつ城を撮影した。



 観覧券は大人700円。博物館にも入れるようだが、時間の都合で割愛した。次回があれば覗いてみたい。
 門の中で早々に、色彩豊かな甲冑がお出迎えしてくれる。



 しかし、この先が長い。行列ができていて、30分は待っただろうか。勤勉な県民性を反映し、公開時間は8時半からなので、早ければ早い方がよいと思われる。



 待機中は、少しずつお城に近づくプロセスが楽しい。券売所でいただいたリーフレットを見ながら、城内の予習タイムに充てる。石垣の上には「石落とし」があり、よじ登ってくる敵を迎え撃つため、ここから石を落としたらしい。



 敵の身になって考えてみよう。濠を突破し城に近づいたところで、大きな石が顔や頭に向かってくるのだから、目から星や稲妻が出ること間違いなしである。イタイイタイ……。
 ここを通過すれば入り口はすぐだ。靴袋を受け取り、靴下で中へ入った。
 城内には撮影ルールがあった。基本的に自由に写真を撮れるのだが、階段付近は撮影禁止である。何しろ、どの階段も急勾配で、55度から61度というから上り下りに集中しないと危ないのだ。階段というより梯子に近いかもしれない。女性はスカートを避けた方が無難であろう。靴や手荷物を持ったまま、上に行く人と見学を終えて下る人とが狭い場所ですれ違うのだから、空間的にかなり厳しい。足元だけでなく、上背のある人は頭上にも注意が必要だし、背中のリュックが引っかかる難所もある。スタッフが「上りどうぞ」「下りどうぞ」と交通整理をしてくれるので、指示に従って行動することが必要だ。
 先ほど、外から見た石落しの仲間が城内にもあった。



 小さな窓は鉄砲狭間となっている。



 窓があると、敵の武器が飛び込む可能性もあるため、最小限の大きさにしているらしい。
 これより縦に広い窓が矢狭間である。



 飛距離を取るため山なりに射ることも考慮して、少し大きめにしないといけないのではと察した。
 窓から外を眺めていたら、戦闘モードになったようで、心拍数と血圧が上昇してきた。アドレナリンが分泌されたのだろうか。今から430年前に建てられたという松本城は、五重の天守を誇る我が国最古の城である。いくつもの修羅場に立ち向かい、戦い抜いた歴史に勇気をもらえる気がした。
 火縄銃や鉄砲、銃弾などもたくさん展示されていた。







 小刀に見えるが、これも銃らしい。



 最上階から見える景色の美しいこと。





 山も城も堪能できるロケーションは欲張りだ。
 見上げると、城を守る神様である二十六野神が祀られている。



 日本最古の五重天守を守り抜いたのだから、絶対、御利益があるはずだ。混雑していたが、私はそっと両手を合わせた。
 下界では、待機者の行列がどんどん長くなっている。見るものをみたら速やかに下るのがよかろう。出口に向かって進んでいくと、増築したことを示す表示があった。



 正直言って、古さの違いがよくわからない……。素人なもので。
 この先には月見櫓なるものがあり、徳川家光が立ち寄る予定に合わせて造ったのだという。月は見えない時間であるが、ここからの景色もオツなものだ。



 出口にたどり着くと、一気に肩の力が抜けた。城の中で戦モードになっていた証拠であろう。
 はー。
 強い気持ちになりたいときには、ここで感化されるのがよろしいかと思ふ。
 次回は、松本グルメをお届けしまっす!

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コメント (10)
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