前校長は、「生徒の人権」に敏感な人だった。
「先生方、生徒を呼び捨てにしているのであれば、それは人権問題です」
くん、さん付けで呼ぶ先生のほうが少ないかもしれない。私もつけずに呼ぶほうだが、意識を変えなければという気がした。
一方、私立のある高校では、「男女を問わず、生徒には『さん』付けで呼ぶよう指導を受けている」という。男子には『くん』というのも許されない。現に、社会では男性にも『さん』付けとなるから、そちらのほうが大人扱いをしていると感じる。個人的には好感が持てた。
今年は、担任を持っていることもあり、生徒を「○○さん」「△△くん」と呼ぶよう努力している。
だが、私語の多い生徒や、問題を起こす生徒にはつい、「○○!」「××!」と呼び捨てとなる。敬称をつけて注意すると迫力がないので、「ここは例外」と割り切る。メリハリをつける場面も必要であろう。
私は授業中、なるべくたくさんの生徒を指名する。35人の生徒全員が当たることもあるくらいだ。
昨日も、端から順番に生徒に答えさせていた。
「じゃあ、次は新井さん」
「石川くん」
順調に進行し、授業の残り時間が10分となったときだった。中本という生徒の番で、なぜか舌がもつれ、思いがけない呼び方となった。
「次は、中本様」
言った瞬間、しまったと思ったが、やり直すことはできない。
一瞬、間ができる。
呆然としている当人を差し置いて、周りの生徒がドッと笑った。
「中本様だって~!」
「あはははは」
私も笑うしかなかった。
「やだね、様にしちゃったよ」
ウケを狙って、さらに続ける。
「じゃあ、今度は中山様」
「はいっ」
集中力が切れそうな時間帯に、やたらと盛り上がり、授業は終わった。
同じネタは、もう使えないけどね……。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
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くん、さん付けで呼ぶ先生のほうが少ないかもしれない。私もつけずに呼ぶほうだが、意識を変えなければという気がした。
一方、私立のある高校では、「男女を問わず、生徒には『さん』付けで呼ぶよう指導を受けている」という。男子には『くん』というのも許されない。現に、社会では男性にも『さん』付けとなるから、そちらのほうが大人扱いをしていると感じる。個人的には好感が持てた。
今年は、担任を持っていることもあり、生徒を「○○さん」「△△くん」と呼ぶよう努力している。
だが、私語の多い生徒や、問題を起こす生徒にはつい、「○○!」「××!」と呼び捨てとなる。敬称をつけて注意すると迫力がないので、「ここは例外」と割り切る。メリハリをつける場面も必要であろう。
私は授業中、なるべくたくさんの生徒を指名する。35人の生徒全員が当たることもあるくらいだ。
昨日も、端から順番に生徒に答えさせていた。
「じゃあ、次は新井さん」
「石川くん」
順調に進行し、授業の残り時間が10分となったときだった。中本という生徒の番で、なぜか舌がもつれ、思いがけない呼び方となった。
「次は、中本様」
言った瞬間、しまったと思ったが、やり直すことはできない。
一瞬、間ができる。
呆然としている当人を差し置いて、周りの生徒がドッと笑った。
「中本様だって~!」
「あはははは」
私も笑うしかなかった。
「やだね、様にしちゃったよ」
ウケを狙って、さらに続ける。
「じゃあ、今度は中山様」
「はいっ」
集中力が切れそうな時間帯に、やたらと盛り上がり、授業は終わった。
同じネタは、もう使えないけどね……。
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