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これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

罪ほろぼし

2011年11月17日 20時25分12秒 | エッセイ
 娘の中学では、昨日、今日が定期考査だった。3年生は、内申書の成績が決まる重要なテストとなる。
 試験前の大事な時期だとわかっていたのに、今月早々、私は風邪をひいてしまった。しかも、悪いことに、娘にも移してしまった。
「うう~、ゲホゲホゲホ……喉が痛い」
「ゴメン、ゴメン。ミキが、お母さんの布団で昼寝するから移ったんだよ」
「成績下がったら、お母さんのせいだ……」
 熱こそ出なかったが、中耳炎も併発し、かなりつらそうだ。内科と耳鼻科で薬をもらい、フラフラしながら勉強している。あれでは頭に入らないだろう。
 試験の朝、私は罪ほろぼしに、職場近くのお地蔵さんにお参りすることにした。1学期にも、テスト当日、このお地蔵さんにお参りしたら、御利益があったのか、「思ったよりできた」と喜んで帰ってきたことがある。結果として、成績が大幅にアップし、お地蔵様様であった。
 お賽銭は、「十分にご縁がありますように」で15円がいいと聞く。しかし、財布の中を見ると、10円玉はあっても5円玉がない。これでは「遠縁」となってしまう。やや高望みの志望校が、さらに遠くなるようで縁起が悪い。

 そうだ、コンビニで何か買おう!

 ちょうど、水が欲しいと思っていたところだ。ファミリーマートに入ると、「霧島の天然水 95円」というポップ広告が目に飛び込んできた。これなら、100円出して、お釣りの5円玉ゲットでちょうどいい。
「ありがとうございました」
 店長に見送られ、私は5円を握りしめて店を出た。
 お地蔵さんは2体ある。1体は「延命地蔵」、もう1体は「子育地蔵」だ。ひとまず、「子育地蔵」の賽銭箱に15円を入れ、「ミキがテストでいい点を取れますように」と手を合わせた。努力不足であることは十分わかっているので、間違っても「実力を発揮できますように」などとお願いしてはいけない。たまたま勉強したところが、たくさん出題されるとか、適当に書いたところが運よく合っている、といった幸運を狙うしかないのだ。「子育地蔵」のあとは、「延命地蔵」にも同じことをお願いする。
「テストはどうだった?」
 帰宅してから娘に聞くと、「今までで一番できた」という返事である。「おお~!」とお地蔵パワーに驚いた。
 試験2日目の今日も、ファミリーマートで「霧島の天然水」を買い、お地蔵さんの元へと向かう。「延命地蔵」の賽銭箱に15円を入れ、昨日と同じように祈った。
「今日は音楽がダメだった。でも、あとはいい感じ」
「へー、スゴいね!」
「でしょ。今回は今までのテストの中で一番頑張った」
 違うよ、お地蔵さんがスゴいんだよ、という言葉は口に出さずにおいた。
 高校受験の日は、もちろんお参りするつもりだ。
「子育地蔵」「延命地蔵」あらため、「学業地蔵」としたら、全国から参拝者が殺到するかもしれない。



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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
 「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
コメント (12)
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