「野生のセキセイインコを見たい!!」という夢が叶った私が新たに抱いた
「数万羽規模の野生のセキセイインコの大群が見たい!!」
「セキセイハリケーンを見ながら感動死したい!!」という壮大な夢。
毎年決まったルートを通る渡り鳥と違って、
広大なオーストラリアの内陸を餌や水を求めて、なんの規則性も持たずに放浪しながら生きてる野生のセキセイインコ。
数十、数百羽ならともかく、数万羽クラスの大群となると、
いつ、どこに出現するのか、鳥の専門家や現地のガイドでさえ予想ができない。
出会うのがきわめて難しいと思われるセキセイの大群に出会うためには、
大群が目撃されたという情報を入手した瞬間に、荷物をまとめてなるべく早急にオーストラリアまで飛び立つ。
という方法しかないのです。
どうしてもセキセイの大群を見たい私は、実際に行けるかどうかは別として、
大群が発見されたらとにかく連絡をください。と、
いつもお世話になっている現地のガイド氏に何年も前からお願いしていた。
そしてその連絡は突然やってきた。
思ったより早かった。
数万羽のセキセイを見たいと思い始めてすでに10年以上は経ってるけど、それでも早いと思った。
絶対見たい。と強く願っていたにも関わらず、
この夢が叶うのはもっと遠い未来のことなんだろうな。なんて漠然と思ってた。
だって、野生のセキセイの大群に出会うことがどれだけ大変で難しいことなのか、誰よりもわかってたから。
☆
見に行く。と決めたものの、私が日本を出発できるのは、
大群が発見されたという情報をもらってから、10日以上経過してからだったので、もう大群はバラバラになってるかもしれない。
過去に発生した大群も、わずか数日でバラバラに分散してしまったとのことやったし。
私が出発する1週間ほど前に、第一捜索隊が先発チームとして現地に出向いたのだけど、
結果として、数千、数百の群れは見れたけど、数万の群れはもう見れなかったという報告を受けた。
あぁ。そうなのね。やっぱり大群が発生してからもっとすぐに出発しなきゃ無理やったんや・・・
ちょっとがっかりしたけど、まぁでも数万羽じゃなくても、久しぶりに野生のセキセイに会えるならそれでいいや。と思って
万羽セキセイの夢が叶うかもしれないと思うと、だいぶ緊張して、お腹こわしたり、夜も眠れなかったけど、
ちょっと気楽な気分になってた。
それが、出発日当日。
仕事から帰ってきてバタバタと出発の準備をしていると、
現地に残ってセキセイの大群を探し続けてた、野生のインコカメラマンのO君がついに大群を見つけたとの報告が!!
その現場は当初の宿泊予定地から数百キロも離れた場所で、急遽宿泊場所も変更することになった。
わー。ヤバい。マジで夢が叶うかも!?
もう準備でバタバタな上にソワソワしておかしな精神状態なまま、
飛行機に乗ってオーストラリアへと飛び立ったのでした。
☆
翌日の早朝にオーストラリアに到着し、その日はセキセイを探すアウトバックの小さな町までひたすら移動。
そして次の日の朝。ついにその時が訪れた。
数十、数百羽の野生のセキセイの群れは頭の上を飛んで行ったりするけど、大群はどこにおるんかなぁ・・・?
ほんまにまだ大群おるんかなぁ・・・?
半信半疑になってきたときにガイド氏が叫んだ。
「あの地平線の緑、セキセイじゃない??」
見てみると、まだ遠く地平線の彼方に、緑の雲のようなものがふわりと浮きあがった!!
ほんまや!動いてる!!セキセイや!!
信じられない規模だった。自分の想像をはるかに超えてきた。
車の上によじ登り、双眼鏡で確認。ヤバイ。ヤバすぎる。手が震える。心臓がバクバクする。

(撮影:Oさん)
まるで1匹の巨大な生物のようなセキセイの大群。神話に出てくるヤマタノオロチみたい。。。
地平線を埋め尽くすセキセイインコの大群。
地平線の上の野生のセキセイインコの大群
大きな群れと大きな群れが合流し、さらに大きな群れになって蠢く。
野生のセキセイインコの大群
そしてその群れはどんどん私たちの方に向かってきた。
そして、同じような数万羽規模の群れが、前から右から左から後ろから、
どこを見ても大群だらけ。というトンデモナイ状況になった。もう完全に正気を失うよね。
数万羽セキセイを見たいと思ってから約10年、10回以上オーストラリア訪問して、
ついに!!とうとう私の夢は叶ったのです!!!
ガイド氏によると、15万羽はいるとのこと。15万羽ですよ!!!!まさか15万羽も見れるとは!!!
野生のセキセイインコの大群
感動死はしなかった。
死なないまでも号泣はするだろうと思ってたけど、不思議と涙も流れなかった。
もっと取り乱すかとも思ったけど、意外に平静だった。
でも内心は死ぬほど感動してた。
気温は40度近くあったにもかかわらず、興奮してずっと鳥肌が立っていた。
すべてが自分の想像を超えていた。
これ以上の凄い光景はもうこの地球上にはないと思うし、
これほどの規模のセキセイの大群を、私が生きてる間にはもう二度と目にすることもできんと思う。
もう私はいつ死んでも、人生に悔いはありません。
夢が叶うって素晴らしい。
今回、私の夢が叶ったのは、約10年前からずっと私の鳥見の旅を案内してくれてきたガイドのOさんと、
野生のインコ・オウムカメラマンになったO君、このふたりの尽力のおかげ。
ふたりの熱い情熱には頭が下がります。本当にありがとう。
OさんとO君と私は、8年程前にも3人で一緒に南オーストラリアで鳥見の旅をした仲間。
キャンプやったから大変やってんけど、めちゃくちゃ楽しかった思い出深い旅で、
またいつか3人一緒に旅したいとブログにも書いていた。
その当時から3人とも、セキセイの大群を見たいと思い続けてたので、
今回3人一緒にこの素晴らしい光景を目にすることができて、本当によかった。
Oさんは「(この光景を)ずっと見せたかった。」と言ってくれて、とても嬉しかった。
Oさんは、今回の
15万羽のセキセイの大群についての想いのこもった記事を書いてくれ、
その中には私のものとは比べものにならない素晴らしい動画も掲載されているので、ぜひ見てみてください。
カメラマンのO君も、そのうち素晴らしい写真を世に出してくれることでしょう。
今回、私たちがセキセイの大群を見たわずか数日後、何年も干ばつだったこの地域に大雨が降り、
セキセイたちを見た場所や、宿泊した2つの町、途中立ち寄った町などが、洪水で水没してしまったそうです。
クイーンズランド州のアウトバック地域はほぼほぼ全域通行止め、
訪問するのが数日ずれていたら、行くことも帰ることもできなかった。
私たちの数日前に出発したチームは大群は見れなかったし、数日遅れてたら洪水で訪問すらできなかった。
そして洪水レベルに水が豊富になったということは、
セキセイの大群も完全に分散して、急いで繁殖準備に入ったか、また別の場所へと移動したと思われ。。。
今回、本当に奇跡のようなタイミングで、セキセイの大群を見ることができた。
たぶんやけど、天国のすみれちゃんとフジ坊も、私の夢を叶えるために力を貸してくれたんやと思います。
一生分の運を使ったと思うけど、この夢を叶えること以上に運を使う値打ちあることなんてないよね?
到底叶えることは難しいと思ってた夢が叶ったことはとてもうれしいし、幸せやけど、
人生の目的を失って、腑抜け状態になるかも?って心配にもなった。
でも、全然腑抜けてないし、幸せはずっと持続している。
人生の目的を果たしたので、もうすでに私は余生を生きているといってもいい。
余生なんやから、うれしいことがあったらラッキーやし、嫌なことがあっても別にたいして気にしない。
だって余生なんやもん。
☆
Oさん、O君、一緒に行ってくれたAさん、私の夢の背中を押してくれた愛する人たち、
私が夢を抱くきっかけをくれた歴代のセキセイさんたちに。
心からありがとう。

(撮影:Oさん)