褒めるが勝ち・その10

2011年10月15日 | お客さん宅で
(NHKのドラマ見ました。松下幸之助の妻、「むめの」さんの物語です)

アトム電器の特選品カタログ、「リホームのご提案」を持って、大切なお客様を一軒一軒訪ねます。
『こんにちわ~、いつもありがとうございます。いつ来てもお忙しそうで商売繁盛ですね、素晴らしいですね。Kさんちの景気の神様を少し分けて頂きたいですわ~』と、ギフト品でしょうか、包装しながら会釈のKさんへニコニコ挨拶いたします。
カタログ届けに訪ねても、ほとんど商売の事は話しません。お客様の玄関で、まずは何か気を付けまして、素晴らしいことやら綺麗なことを見つけることから始めます。

アトムの勉強会で学びます。
お客様との話法の基本は、まず最初の最初の会話を通じて、どれだけお客様が「気持ち良く」なるかということを、これがとても大切であると学びます。
例えば、「こんにちわ~、いの一番にお宅様に駆けつけました。こんなお得なお話をまず一番に伝えたくて来ましたよ~」なんて、心の底から言うのです。第一印象が大事です。まずはお客様に「私って大切にされてるのね」と、「気持ち良く」なっていただかなくてはなりません。
品物を具体的にお勧めするときは、どんな特長を話すよりも、この商品を使っていただくと「お得」であることを説明します。
便利も、珍しいも大事でしょうが、人は「使うと電気代が安くなってお得」とか「私だけは特別にお値段安く、サービスしていただいてとってもお得だわ」とか、「お得、お得、お得」に魅力を感じると学びます。

私はいつでも普通にします。まずは玄関入るとき奥さんに何か褒めること、「私の思ってたことを褒めてもらったわ」と感じてもらえるものがないかと考えますね。
ピンポ~ン、赤ちゃんを抱いた奥さんに、『こんにちわ~、Tさんのお子さん二人目ですか?、可愛いですね~女の子さんですか?』、「3人目よ3人もいますのよ、一番上の女の子は幼稚園、次の男の子は下に見える保育園、この子は男の子よまだ誕生日来てないのよ」と、
『素晴らしいですねお子様3人ですか、それは凄いことです子供は多いほど良いですよ。もう一人女の子で二人づつになります最高ですね』と挨拶します。

『こんにちわ~、Aさんちの庭は凄いですね、手入れの行き届いた庭木は素晴らしいですね』と、ご夫婦揃ってあいさつします。
「アトムさん、このモミジもうすぐ紅葉するとそりゃあ素晴らしいのよ、ライトアップをして見るとまた一段きれいなのよ、京都のお寺の紅葉に負けないくらいにきれいなのよ」と奥さん嬉しくお話ですね。

『こんにちわ~、Fさんこんにちわ。きれいですね~、玄関の外の花をきれいに咲かされてますね~』と、ちょっとした植込みの黄色い花を褒めますと、「日差しがきつくて枯れちゃったのよ、残った分がそれだけなの、そんなにきれいですか褒めてもらって嬉しいわ~」と、
最初のお店のKさんだって、赤ちゃん抱いたTさんや、庭が自慢のAさんや、花を育てるFさんも皆さんとっても「気持ち良い」、とても穏やか気持ちよく話が弾んでニコニコします。何を見ても、良いとこ見つけ褒める癖って良いですよ。
何を見てもあら探し、これはとってもまずいです。
商売初めてずっとです。玄関入って何か褒めることないかと探します。どんなことでも褒めて気を悪くする奥さんは、一人もいませんホントです。

今晩のNHKで、「神様の女房・最終回」を見ました。松下幸之助とその奥さん「むめの」さんの物語です。
とてもたくさんの著書を残した松下幸之助の本の中に、こんな一文がありました。

物が動いて、お金が動いて、それで一応の商売が成り立つというものですが、もう一つ根本的に大事なことは、物や金とともに、人の心もまたこれにのって、移り動いていかなければならないということです。
単に物をつくり、物を売り、そしてお金を得ているというだけなら、商売とはまことにさくばくとしたものになってしまいます。そうでないのです。物とあわせて心をつくり、物とともに心を売り、そしてお金とともに心をいただく、つまり物や金がかよいあうだけでなく、お互いの心というものがその間にかよいあうことが、きわめて大切なのです。そこに、商売の真の味わいというものがあると思います。(
販売のこころ:著)

会話の初めに心して、品物届けて心ものせる、そしてお代に心をいただく、大切な商人の心がけがいっぱいありますね。

《褒め言葉 探す間に 好きになる》

「褒めるが勝ち」シリーズが10回になりました。過去記事は次のとおりです。
褒めるが勝ち・その9 テレビが売れる理由(わけ)
褒めるが勝ち・その8 殿様の気分ですね
褒めるが勝ち・その7 Nさんは実に明るい
褒めるが勝ち・その6 Kさんの場合
褒めるが勝ち・その5 日本を褒めよう
褒めるが勝ち・その4
褒めるが勝ち・その3
褒めるが勝ち・その2
褒めるが勝ち