誌上:阿南市人権教育啓発市民講座
演題:「日朝ストックホルム合意と拉致問題」 その①
北朝鮮人権人道ネットワーク 代表 陶久敏郎
救う会徳島 代表 陶久敏郎
令和3年4月27日に予定されていた標記の講座が、徳島県並びに阿南市で新型コロナウイルス感染拡大が顕著となったことにより中止となったため、準備していた原稿を誌上で公開して啓発に努めたいと思う。
1. 人権教育・啓発と「救う会徳島」の活動
・平成14年4月に阿南市の人権啓発課に配属された私は、「すべての人の人権が尊重されるまちづくり」を目指して仕事をすることになった。
・同年9月17日に日朝首脳会談が行われ、その後、5人の拉致被害者が帰国したが、拉致問題が人権問題として県内のどの集会でも話題になることがなかった。
・拉致被害者はすべての人に含まれないのかという強い憤りがこみ上げ、この局面を打開するには、拉致問題を国の「人権教育・啓発に関する基本計画」に盛り込むことが不可欠だと考えるに至り、徳島県内に拉致被害者救出のための支援団体がなかったことから、有志に呼びかけて救う会徳島を設立した。
・平成15年1月に設立した救う会徳島の活動目的は、①すべての拉致被害者の一日も早い救出、②拉致問題を、国の「人権教育・啓発に関する基本計画」に盛り込むことの2つ。
・設立してすぐ、平成15年2月の徳島県議会に「北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決について」と題する請願書を提出して採択される。
・請願項目に、「北朝鮮による日本人拉致問題を人権問題との認識に立ち、今後、徳島県の行政と教育の場で積極的に取り上げ、広く県民に対して啓発していくこと。」を盛り込んだ。
・この請願採択が功を奏し、その後、徳島県及び県教委の人権に関する計画に47都道府県で初めて「日本人拉致事件」というフレーズが盛り込まれた。
・この請願採択以降、救う会全国協議会及び家族会合同の会議に出席するたびに、拉致問題を、国の「人権教育・啓発に関する基本計画」に盛り込むことを運動方針に明記することを提案してきた。
・平成17年3月の合同会議で運動方針として明記され、当時の小泉首相に要望書を提出する。また、同月の参議院内閣委員会においてこの問題を質問した拉致議連の森ゆうこ議員に対し、当時の伊吹文明官房長官は、「次の計画見直し時には盛り込む」ことを明言する。
・勢いを得て、全国の個人・団体に賛同を募り、何度となく早期実現を求める要望書を起草して政府に提出する。
・それから6年、平成23年4月1日の閣議決定により、国の「人権教育・啓発に関する基本計画」に、(12)北朝鮮当局による拉致問題等、として盛り込まれる。ちなみに、拉致問題等とは「日本人配偶者問題」を含んでいるということで、政府は何度もこの点について明言している。
・こうして救う会徳島設立の目的の一つは実現することはできたが、肝心の「①すべての拉致被害者の一日も早い救出」はいまだに実現していない。もっと言えば、平成14年9月の日朝平壌宣言後に5人の拉致被害者が帰国してから、拉致問題は1ミリも前進していないというのが現実である。
・では、どうすれば良いのか?が今日のテーマ。
演題:「日朝ストックホルム合意と拉致問題」 その①
北朝鮮人権人道ネットワーク 代表 陶久敏郎
救う会徳島 代表 陶久敏郎
令和3年4月27日に予定されていた標記の講座が、徳島県並びに阿南市で新型コロナウイルス感染拡大が顕著となったことにより中止となったため、準備していた原稿を誌上で公開して啓発に努めたいと思う。
1. 人権教育・啓発と「救う会徳島」の活動
・平成14年4月に阿南市の人権啓発課に配属された私は、「すべての人の人権が尊重されるまちづくり」を目指して仕事をすることになった。
・同年9月17日に日朝首脳会談が行われ、その後、5人の拉致被害者が帰国したが、拉致問題が人権問題として県内のどの集会でも話題になることがなかった。
・拉致被害者はすべての人に含まれないのかという強い憤りがこみ上げ、この局面を打開するには、拉致問題を国の「人権教育・啓発に関する基本計画」に盛り込むことが不可欠だと考えるに至り、徳島県内に拉致被害者救出のための支援団体がなかったことから、有志に呼びかけて救う会徳島を設立した。
・平成15年1月に設立した救う会徳島の活動目的は、①すべての拉致被害者の一日も早い救出、②拉致問題を、国の「人権教育・啓発に関する基本計画」に盛り込むことの2つ。
・設立してすぐ、平成15年2月の徳島県議会に「北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決について」と題する請願書を提出して採択される。
・請願項目に、「北朝鮮による日本人拉致問題を人権問題との認識に立ち、今後、徳島県の行政と教育の場で積極的に取り上げ、広く県民に対して啓発していくこと。」を盛り込んだ。
・この請願採択が功を奏し、その後、徳島県及び県教委の人権に関する計画に47都道府県で初めて「日本人拉致事件」というフレーズが盛り込まれた。
・この請願採択以降、救う会全国協議会及び家族会合同の会議に出席するたびに、拉致問題を、国の「人権教育・啓発に関する基本計画」に盛り込むことを運動方針に明記することを提案してきた。
・平成17年3月の合同会議で運動方針として明記され、当時の小泉首相に要望書を提出する。また、同月の参議院内閣委員会においてこの問題を質問した拉致議連の森ゆうこ議員に対し、当時の伊吹文明官房長官は、「次の計画見直し時には盛り込む」ことを明言する。
・勢いを得て、全国の個人・団体に賛同を募り、何度となく早期実現を求める要望書を起草して政府に提出する。
・それから6年、平成23年4月1日の閣議決定により、国の「人権教育・啓発に関する基本計画」に、(12)北朝鮮当局による拉致問題等、として盛り込まれる。ちなみに、拉致問題等とは「日本人配偶者問題」を含んでいるということで、政府は何度もこの点について明言している。
・こうして救う会徳島設立の目的の一つは実現することはできたが、肝心の「①すべての拉致被害者の一日も早い救出」はいまだに実現していない。もっと言えば、平成14年9月の日朝平壌宣言後に5人の拉致被害者が帰国してから、拉致問題は1ミリも前進していないというのが現実である。
・では、どうすれば良いのか?が今日のテーマ。