三笑会

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「安倍政権の北朝鮮政策を検証する」その112

2019-08-29 17:02:45 | 日記
「安倍政権の北朝鮮政策を検証する」その112

第198通常国会(H31)質問主意書&政府答弁書
質問第二号

「拉致」の定義等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十一年一月二十八日
有田 芳生   

       参議院議長 伊達 忠一 殿
答弁書第二号

内閣参質一九八第二号
  平成三十一年二月五日
内閣総理大臣 安倍 晋三
________________________________________

   「拉致」の定義等に関する質問主意書

 平成二十五年一月二十五日拉致問題対策本部決定の「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」(以下「この方針」とする)に関して質問します。

一 この方針における「拉致」とは何か、その定義についてお示しください。

一について(答弁)
 お尋ねの「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」(平成二十五年一月二十五日拉致問題対策本部決定)における拉致とは、北朝鮮当局により、日本国内外において、本人の意思に反して行われた、主として所在国外移送目的略取及び誘拐(刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百二十六条)その他の刑法上の略取及び誘拐に相当する行為をいう。

二 この方針において、政府は「北朝鮮による拉致問題は我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題」であるとしています。そこで以下お訊ねします。

1 「我が国の主権に関わる重大な問題」であるとはどのような意味なのか、一般国民にも理解できるように分かりやすく説明してください。
 また、北朝鮮による拉致問題は、どのような国際規約又は条約、日本の法令等に抵触して我が国の主権に関わる重大な問題となっているのか、具体的に関係条文等を掲げて分かりやすくお示しください。

2 「国民の生命と安全に関わる重大な問題」であるとはどのような意味なのか、分かりやすく説明してください。
 また、北朝鮮による拉致問題は、どのような国際規約又は条約、日本の法令等に抵触して国民の生命と安全に関わる重大な問題となっているのか、具体的に関係条文等を掲げて分かりやすくお示しください。

二について(答弁)
 「我が国の主権」及び「国民の生命と安全」に関わる重大な問題であるとは「どのような意味なのか」とのお尋ねについては、北朝鮮による拉致問題は、一についてで述べたとおり、北朝鮮当局により、日本国内外において、本人の意思に反して行われた、主として所在国外移送目的略取及び誘拐(刑法第二百二十六条)その他の刑法上の略取及び誘拐に相当する行為に係る問題であり、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であるとの意味である。
 また、北朝鮮当局による拉致が抵触する国内法令等については、個別具体的な事実関係に即して判断されるべき事柄ではあるが、一般論としては、主として所在国外移送目的略取及び誘拐について定める刑法第二百二十六条その他の略取及び誘拐に関する刑法の規定等であると認識している。

三 この方針にある「拉致実行犯」とは、具体的にどのような法令に抵触して犯罪者となったのですか、日本国内で拉致された横田めぐみさんの事案及び日本国外で拉致された有本恵子さんの事案を例にとって、それぞれの事案の具体的事実に即してお示しください。

三について(答弁)
 お尋ねの「どのような法令に抵触して犯罪者となった」の意味するところが明らかではなく、また、捜査に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたいが、お尋ねの「有本恵子さんの事案」については、魚本公博につき、結婚目的誘拐の罪(刑法第二百二十五条)で逮捕状の発付を受けている。

  右質問する。

「どうする、拉致問題」

2019-08-29 06:55:04 | 日記
「どうする、拉致問題」

北朝鮮人権人道ネットワーク
代表 陶久敏郎

 拉致問題はわが国の主権と人権および国民の生命と安全に関わる重大な問題として、政府は平成14年9月の日朝平壌宣言以降、内閣の最重要にして最優先課題として取り組んでいるが、同年10月に5名の拉致被害者が帰国してからは1ミリたりとも前進していない。
 それではどう解決していくのか?「北朝鮮との関係に関する政府の方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、日朝国交正常化を実現していく」というものであり、具体的には、「政府としては、いわゆる「ストックホルム合意」(平成26年5月)に基づき、拉致問題をはじめとする日本人に関する全ての問題の解決に向け全力を尽くしていく考えである。」とし、また、この合意を破棄する考えはないことも明らかにしている。これからすると、政府方針は、拉致被害者家族の「家族会」や支援団体の「救う会」が主張している「拉致問題最優先」「全拉致被害者即時全員一括帰国」とは大きくかけ離れている
しかし、この政府方針がいま大きく揺らいでいる。本年6月に大阪で開かれたG20 に出席したトランプ大統領は、同月30日に板門店で北朝鮮の金正恩国務委員長と事実上の3回目となる米朝首脳会談を実現している。この会談で、両者は膠着状態にある非核化交渉を再開するものの、非核化を急がないことで合意した。
「非核化を急がない」とはどういうことか。私は、①北朝鮮がアメリカまで届くICBM(大陸間弾道ミサイル)に核弾頭を搭載して攻撃しない、②新たな核・ミサイル実験をしない、③北朝鮮の核・ミサイルを中東に輸出しないことを遵守すれば、アメリカは北朝鮮の核保有と金正恩体制の存続を容認するという意味と解釈する。また、板門店に同行した文韓国大統領が米朝首脳会談に同席できなかったことは、北朝鮮の核・ミサイル問題は米朝間の交渉課題であり、日本と韓国は交渉国には入らないと公言されたようなものである。つまり、日朝平壌宣言に基づき拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するといった我が国の方針は根底から崩れ去ったととらえるべきだ。
では、拉致問題をどう解決するのか。北朝鮮は、「拉致は解決済みだ」という主張を崩していない。安倍首相は前提条件なしで日朝首脳会談を呼び掛けているが、日本からのカネにしか関心のない北朝鮮と膠着状態は続いており、拉致問題を私の内閣で解決すると公言した安倍首相は足元をみられている。
こうなると拉致問題の解決は絶望的に見えるが、私は全く可能性がないとは思わない。我が国が国際社会と連携して北朝鮮内の厳しい人権状況を追求し、その改善を目指す活動に積極的に取り組み、その過程でストックホルム合意に明記されている拉致問題をはじめとする日本人の諸問題の解決をめざしていくことを提案したい。北朝鮮人民が自らの過酷な人権状況に不満を持ち、その不満が拡大していけば金正恩独裁体制の根幹を揺るがすことになる。北朝鮮はこのことを非常に気にしており、かつてのソビエト連邦崩壊やベルリンの壁崩壊は自分たちに無関係とは受け止めていないはずだ。
われわれ「北朝鮮人権人道ネットワーク」は、北朝鮮人民に多くの「情報」を伝えることによって彼らの人権への意識改革を促したい。インターネットの時代、「情報」の発信こそが最大の武器である。昨年末に国連に意見書を提出できるNGO(非政府組織)として登録され、その際に開設したブログを使い北朝鮮の人権状況の実態と、その改善に繋がる情報を順次世界に発信していきたい。当ブログは北朝鮮をはじめ多くの国がアクセスしているとの情報を得ていることから、北朝鮮に人権侵害を受けた当事者および家族等の声をブログに掲載する「世界に届け、NKHNWの声」というプロジェクトを本年6月から始めている。
最後に、微力ではあるが諦めることなく確かな歩みを進めていくことをお約束したい。

※NKHNW・・・北朝鮮人権人道ネットワーク
※この文章は、阿南市発行の「広報あなん9月号」人権教育・啓発コーナー「ひまわり」に掲載されたものです。