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「安倍政権の北朝鮮政策を検証する」その111

2019-08-27 15:48:42 | 日記
「安倍政権の北朝鮮政策を検証する」その111

第198通常国会(H31)質問主意書&政府答弁書
質問第一号

拉致問題対策本部の活動状況と役割に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十一年一月二十八日
有田 芳生   

       参議院議長 伊達 忠一 殿
答弁書第一号

内閣参質一九八第一号
  平成三十一年二月五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   

       参議院議長 伊達 忠一 殿
________________________________________

   拉致問題対策本部の活動状況と役割に関する質問主意書

 内閣に設置されている拉致問題対策本部(以下「本部」とする)について、本部が拉致問題の解決にいかに寄与するのか等、本部の活動状況と役割について、本部ホームページを参考に質問します。

一 平成二十五年一月二十五日に閣議決定された「拉致問題対策本部の設置について」には、「1 拉致問題に関する対応を協議し、同問題の解決のための戦略的取組及び総合的対策を推進するため、内閣に拉致問題対策本部(中略)を設置する」とあります。これが本部設置の目的と理解してよろしいですか。

一について(答弁)

 拉致問題対策本部は、「拉致問題対策本部の設置について」(平成二十五年一月二十五日閣議決定)に基づき、拉致問題に関する対応を協議し、同問題の解決のための戦略的取組及び総合的対策を推進するため、設置されたものである。

二 前記一に関し、「同問題の解決のための戦略的取組」とはどのような取組なのか、具体的に明らかにしてください。また、「総合的対策を推進するため」とはどのような対策を推進するのか、具体的に明らかにしてください。

二について(答弁)
 お尋ねについては、拉致問題対策本部として、「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」(平成二十五年一月二十五日拉致問題対策本部決定)に基づき、①早期の解決に向けた北朝鮮側の行動を引き出すため、更なる対応措置について検討するとともに、現行法制度の下での厳格な法執行を推進する、②日朝政府間協議を始め、あらゆる機会を捉え、北朝鮮側による拉致問題の解決に向けた具体的な行動への継続した強い要求を行う、③拉致被害者及び北朝鮮情勢に係る情報収集・分析・管理を強化する、④拉致の可能性を排除できない事案に係る捜査・調査を徹底するとともに、拉致実行犯に係る国際捜査を含む捜査等を継続する、⑤拉致問題を決して風化させないとの決意を新たにし、教育現場を含む国内地域各層及び各種国際場裡における様々な場を活用して、内外世論の啓発を一層強化する、⑥米国、韓国を始めとする関係各国との緊密な連携及び国連を始めとする多国間の協議を通じて、国際的な協調を更に強化する、⑦拉致被害者家族等へのきめ細やかな対応、既帰国拉致被害者に対する支援の継続及び今後の拉致被害者帰国に向けた準備に遺漏なきを期する及び⑧その他拉致問題の解決に資するあらゆる方策を検討するとの具体的施策について全力を尽くしている。

三 安倍内閣は、平成二十五年一月二十五日に現在の本部が発足して以降、累次にわたり「拉致問題は、内閣の最重要課題にして最優先課題である」旨公言しています。ところが、本部ホームページによりますと、本部会合は、平成二十五年一月二十五日、平成二十六年八月五日、平成二十六年十一月二十八日の三回しか開かれていません。平成二十六年十一月二十八日以降、本部会合が開かれていない理由を明らかにしてください。

四 前記三に関し、第三回会合が開かれた平成二十六年十一月二十八日からすでに四年が経過しています。これでは、安倍内閣が「拉致問題は、内閣の最重要課題にして最優先課題である」旨いくら公言しても、国民は半信半疑となります。四年以上も本部会合を開かない理由は何ですか。政府の見解を明らかにしてください。

六 福田康夫内閣のとき、本部会合は開催されましたか。開催されていないならば、その理由は何ですか。当時の政府の認識をお示しください。

三、四及び六について(答弁)
 政府としては、これまでも、関係府省・関係機関が緊密に連携を図りながら、拉致問題の解決に向け全力を尽くしており、御指摘の「本部会合」についても、例えば、平成十八年九月に設置した拉致問題対策本部においては同年十月十六日及び平成二十年十月十五日に、平成二十五年一月に設置した拉致問題対策本部においては同月二十五日、平成二十六年八月五日及び同年十一月二十八日に開催するなど、必要に応じて開催してきたところである。いずれにせよ、政府としては、拉致問題の全面解決に向けて、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くし、また、拉致に関する真相究明及び拉致実行犯の引渡しを引き続き追求していく考えであり、御指摘の「本部会合」についても、今後とも必要に応じて開催してまいりたい。

五 初代の本部は、平成十八年九月二十九日に内閣に設置されました。平成十八年十月十六日に開催された第一回会合では、「拉致問題における今後の対応方針」を策定しています。同方針の役割及び内容は、その後の内閣によって変更されましたか。変更があったならば、どの内閣のときに、いかなる認識の下に変更の判断が下されたのですか。

五について(答弁)
 御指摘の「同方針の役割」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「拉致問題における今後の対応方針」(平成十八年十月十六日拉致問題対策本部決定)は、平成二十年十月十五日に当時の拉致問題対策本部において再確認された後、平成二十一年十月に設置した拉致問題対策本部において「拉致問題の解決に向けて」(平成二十二年十一月二十九日拉致問題対策本部第四回会合本部長指示)が発出され、平成二十五年一月に設置した拉致問題対策本部において「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」が決定されたところであるが、いずれにせよ、政府としては、拉致問題の全面解決に向けて、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くし、また、拉致に関する真相究明及び拉致実行犯の引渡しを追求し続けてきており、その方針に変わりはない。

七 平成十八年に初代の本部が設置されてからの予算額とその執行状況について、本部内のそれぞれの部署ごとにお示しください。

七について(答弁)
 お尋ねの「平成十八年に初代の本部が設置されてからの予算額とその執行状況」及び「本部内のそれぞれの部署ごと」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「内閣所管(組織)内閣官房(項)内閣官房共通費」のうち内閣官房拉致問題対策本部事務局に係るもの及び「内閣府所管(組織)内閣本府(項)内閣本府共通費」のうち内閣府大臣官房拉致被害者等支援担当室に係るものについて、年度ごとに、①予算額及び②執行額をお示しすると、次のとおりである。
 「内閣所管(組織)内閣官房(項)内閣官房共通費」のうち内閣官房拉致問題対策本部事務局に係るもの
 平成十八年度 ①約二億六千九百万円 ②約二億三千二百万円
 平成十九年度 ①約四億七千三百万円 ②約三億八千百万円
 平成二十年度 ①約五億三千四百万円 ②約四億三千七百万円
 平成二十一年度 ①約六億二千六百万円 ②約三億二千五百万円
 平成二十二年度 ①約十二億四百万円 ②約三億五千五百万円
 平成二十三年度 ①約十二億四百万円 ②約三億四千八百万円
 平成二十四年度 ①約十二億四百万円 ②約四億六千九百万円
 平成二十五年度 ①約十二億七百万円 ②約八億五千八百万円
 平成二十六年度 ①約十三億三千万円 ②約十億七千八百万円
 平成二十七年度 ①約十二億九千八百万円 ②約十億六百万円
 平成二十八年度 ①約十三億円 ②約十一億二千六百万円
 平成二十九年度 ①約十二億九千六百万円 ②約十一億七千百万円
 「内閣府所管(組織)内閣本府(項)内閣本府共通費」のうち内閣府大臣官房拉致被害者等支援担当室に係るもの
 平成十八年度 ①約四千六百万円 ②約二千万円
 平成十九年度 ①約五千万円 ②約千七百万円
 平成二十年度 ①約五千万円 ②約千六百万円
 平成二十一年度 ①約五千万円 ②約千三百万円
 平成二十二年度 ①約三千六百万円 ②約九百万円
 平成二十三年度 ①約三千六百万円 ②約九百万円
 平成二十四年度 ①約三千四百万円 ②約九百万円
 平成二十五年度 ①約三千三百万円 ②約八百万円
 平成二十六年度 ①約三千五百万円 ②約九百万円
 平成二十七年度 ①約三億二千七百万円 ②約五百万円
 平成二十八年度 ①約三億三千七百万円 ②約八百万円
 平成二十九年度 ①約三億四千九百万円 ②約八百万円

八 日朝平壌宣言、ストックホルム合意及び北朝鮮に関する日本政府の方針については、日朝両国間の外交関係全般に係る事項であることから、外交を所管する外務省が担当しているものと認識してよろしいですか。

八について(答弁)
 御指摘の「日朝両国間の外交関係全般に係る事項」の意味するところが必ずしも明らかではないが、北朝鮮との関係に関する政府の方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、日朝国交正常化を実現していくというものであり、その実現に向けて、外務省等の関係府省・関係機関が緊密に連携を図っているところである。

九 本部は北朝鮮当局と直接交渉する権限を与えられているのですか。与えられているならば、担当部署はどこですか。また、本部がこれまで北朝鮮当局と接触してきたならば、その回数をお示しください。

十 安倍総理は、しばしば「あらゆるルート」で北朝鮮当局と接触していると発言してきました。北朝鮮当局と接触するとき、本部、官邸、外務省の三者間において連携を取っているのですか。また、内閣の中に北朝鮮当局との接触ルートが複数存在することは拉致問題解決にとって有効と政府はお考えですか。具体論ではなく、一般論としてお示しください。

九及び十について(答弁)
 北朝鮮に対しては、在中華人民共和国日本国大使館等を通じて、拉致問題の解決を強く申し入れてきているが、これ以上の詳細については、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。いずれにせよ、政府としては、関係府省・関係機関が緊密に連携を図りながら、拉致問題の解決に向け全力を尽くしているところである。

  右質問する。