てんとまる

朝いちで、絵本のネームを見直す。前は完璧と思ってたのに、気になる部分がごっそり出てきた。夫に聞くと、絵を送るのは夕方だというんで、予約してあった美容院へ。
３カ月ぶりだったんで、「プリンみたいになってますねぇ」といわれた。プリン…？　はじめ、何のことかよくわからなかったけど、よく考えたら、上が黒で下が茶色、染め方がムラになってるってことかと気づいた。美容師さん、からくちぃ。
髪を切ったあと、もう少しサッパリしたくて、ショッピングセンターで服やバッグを見てまわった。ウインドウショッピングをすると、心が晴れ晴れしてくるから、ふしぎ。
おなかがすいたんで、スタバに入って、シナモンロールを食べる。ホカホカに温めてもらったものをナイフとフォークで食すと、びっくりするほど美味しかった。
コーヒーを飲みながら、ミニミニ原稿用紙を広げる。慣れてくると、まわりの目も気にならなくなる。無事、１枚完成。
家に帰って、もう一度ネームを見直し、夫にみてもらう。てん（、）が気になるねぇと話してて、わかち書きにするんだから、ぜんぶ取ってしまおうかということになった。かなり、すっきりした。すると…、今度は、まる（。）が気になり始めた。
人が話すことばに、てん（、）やまる（。）はないからと、絵本では取ってしまう作家さんもいる。詩人の方も、つけない方が多い。出版社さんの決まりもあるから、そちらにあわせないといけないけど、提出するときは、こちらの思いを伝えたい。
家にある絵本をあれこれ見てると、（。）のない絵本が出てきた。
「きれいっ!!」
夫と声をあわせて叫んだ。今回の絵本は、ビジュアルにかなり気合いを入れてるから、見た目の美しさを選考して、（。）も取ろうということで落ち着いた。
子供たちを迎えにいったあと、何度も声に出したり、プリントアウトして、確かめる。三女が膝に乗ってきて、読んでというんで、読んでると、長女も寄ってきた。
「この○○○っていうのが、よくわからん。□□□やったら、わかるけど」
と、のたまう。「パパ～!!」と紙を持って、夫に聞きにいくと、その通りだというんで、あわてて直した。
他にもみてもらうと、１カ所わかりにくいところがあり、それも娘のいう通りに直す。
最終的に、語尾を「た」にするか、「る」にするかというあたりで、延々、悩み、ようやく完成したのが、６時すぎ。まだまだ直しが入るだろうけど、ひとまず間に合ったと思ったら…、夫はまだ絵が完成しない。夜中の１２時までに出しに行くわといってたけれど、それも間に合わず、結局、一睡もせずに、朝まで絵を描き続けていた。
絵は、まだまだ直しが入るらしい。山でいえば、二合目くらいか。まだまだ頂上は見えない。