【創作びより】

画集を見ながら

午前中ずっと、ネタ帳づくり。こういうコリコリした作業は、かなり好き。つい最近のメモなどは残っていたので、それも見直した。へぇー、こんなとこから発想してたのかぁと、われながら驚いた。アイデアが一つも思いつかなかったんで、過去の自分の頑張りに、励まされた。
けど、文字ばかり追ってると、頭がガチガチになってきた。それに、新鮮なネタも欲しい……。
午後からは、画集をながめることにした。お決まりのパターンだけど、脳が開放される。たった1枚の絵からでも、イマジネーションがふくらんでいく。絵のはじっこに描かれたものほど、興味をひかれる。
絵を見て、いくつかのアイデアが浮かんだ。前までなら、これで万々歳、もう走りきったも同然と思っていた。でも、あまい! ここからが、本番。この種が、ふくらむかしぼむかは、腕しだい。いくつもの種を失敗させてきただけに、慎重になる。
ひとつの種から、いくつもの起承転結を考える。今までは、成りゆきまかせに書いていたけど、今回ばかりは慎重に…。
ひさしぶりに、頭がどっぷり、空想の世界にひたってるかんじだった。その脳をひきずったまま、子供たちのお迎えへ。いつもより少し早めに着いたんで、次女のお友達が、わあっと寄ってきてくれた。
一人の子が、次女のカバンについてるお守りを見て、「これ、何?」と聞いてきた。
「お守り。中は開けたらあかんねんよ」と答えると、2、3人が、すっごく興味津々という表情になった。
「なんで開けたら、あかんの?」とたずねてくるんで、「中から、白いヘビが出てくるねん。それとか、小さな神様が入ってるのもあるかな」と、にんまり答えた。
これがいけなかった…。帰りかけたところを子供たちは追いかけてくる。「ほんまに、ヘビ出てくるん?」「神様、そこで住んでるのん?」のけぞるくらい、迫ってくる子供たち……。
子供たちの中で、空想と現実の境い目は、ヒョイと飛び越えられるくらい、壁が低い。
空想の物語でも、でたらめではダメだと、強く思った。にこやかに手を振ってくれるお友だちを見ながら、おばさんは、ちゃんとしたお話を作ろうと、強く誓った。

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