『スクープ』は、現実の未解決事件の謎を解くうえで、いくつかのピースに行き当たるかもしれない刺激を与える。なにしろ「役者」も「時代」も「状況」も揃いすぎていて、これだけ知的挑発をしてくるドラマも希少である。
だいたい、第1話だけとっても「引き」が素晴らしい。
ここからは、固有名詞など劇中のそれに合わせて書く。
物語をけん引する事件、『News Day』紙のベテラン調査報道記者、ジャイデブ・ . . . 本文を読む
NETFLIX INIDIA のオリジナル映画やドラマには、数年前に期待するのをやめることにしたので、以来ほとんど見ていなかった。
が!
私の知る限りで初めて、「これなら会費を払うのも惜しくない」と躊躇なく思える例外的な作品が6月にリリースされた。
『シャヒド』や『Faraaz』のハンサル・メータ監督による全6話のドラマシリーズ『スクープ』〈Scoop、2023〉である。
タイトルか . . . 本文を読む
今年の初め、男性監督 Jeo Baby(ジオ・ベイビー)のインタビューを『Rediff.com』で読み(2021年2月2日付)、同監督の最新作『The Great Indian Kitchen』〈グレート・インディアン・キッチン、2021〉に興味をもった。南インド・ケララ州のマラヤーラム語映画界の作品である。
ベイビー監督は、『The Great Indian Kitchen』を劇場公開する . . . 本文を読む
「いまどき」とは2014年以降を指す。
Amazon Prime Video オリジナルドラマシリーズ『Tandav』への抗議運動について、「表現の自由の観点からして抗議運動はけしからん」と考えるのも、あるいは逆に「信仰心を傷つけるような表現は、批判されても当然」と理解を示すのも、ことの本質から外れる。
「宗教感情を傷つける」という言いまわしを、額面どおりにとらえてはならない。
『Ta . . . 本文を読む
先月、長年続けてきた NETFLIX 会員をやめた。
昨年来、コロナ禍による巣ごもりで日本でも会員数拡大、したがって増益傾向にあるとは、メディアがさんざん伝えてきている。にもかかわらず、この時点で会費を上げるとは、全世界的な災厄の足元を見るようで、不快に感じたことが理由のひとつ。
だが何よりも、会費値上げの理由として挙げられるオリジナル作品には、興味がもてるものが少なすぎるからだ。
私 . . . 本文を読む