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インド映画の平和力

ジャーナリストさこう ますみの NEVER-ENDING JOURNEY

もうひとりの巨匠リッティク・ゴトク(Ritwik Ghatak)監督が手がけた唯一の娯楽映画:哀しみをまとったロマンティックホラー『Madhumati』〈マドゥマティ、1958〉

2021年06月28日 | ボリウッド
 この6月、東京・京橋にある国立映画アーカイブ(NFAJ)が「NAFJ所蔵外国映画選集2021」の一環として『2エーカーの土地』〈Do Bigha Zamin、1953〉を再上映していた。  詩聖ラビンドラナート・タゴールの詩文学から着想し、イタリア・ネオリアリズモの代表作『自転車泥棒』〈1948〉にもインスピレーションを得た、ヒンディ語映画黄金時代のクラシックである。  西ベンガル州の農村を舞 . . . 本文を読む

スティーヴン・スピルバーグ監督の『E.T.』と『未知との遭遇』は、サタジット・レイ監督の脚本『The Alien』の plagiarism(剽窃)だと報じたジャーナリストの回想

2021年06月27日 | ベンガル語映画
 サタジット・レイ監督生誕100周年を見た5月2日、ニューヨークを拠点に活動してきた、インド系のベテラン映画ジャーナリスト、アシーム・チャブラ(Aseem Chhabra)が「When Satyajit Ray got UPSET」(サタジット・レイ監督の叱責)というコラムを、『Rediff.com』に寄せていた。  スティーヴン・スピルバーグ監督の大ヒット作『E.T.』〈1982〉と『未知との . . . 本文を読む

ナチス強制収容所に拘禁されても決して口を割らなかった、英国特殊作戦執行部(SOE)のムスリム女性諜報員、ヌール・イナヤット・カーンの伝記映画はどうなったのか

2021年06月23日 | ウィッシュリスト
 この6月から7月にかけて、東京・大阪・愛知で上演中の輸入ミュージカル『マタ・ハリ』関連のニュースをたまたま目にして思った。  ベルナルド・ベルトルッチ監督『ラストエンペラー』〈伊・中・英・仏・米、1987〉での描かれ方が、よくも悪くも記憶に残る川島芳子にしても同じことがいえるが、“世紀の女スパイ”のように語られるマタ・ハリに、わざわざミュージカルにするほどの実質があったのか。  もっとも、私に . . . 本文を読む

サタジット・レイ監督生誕100周年にちなんで:2000年代からカルト的人気上昇のマーダーミステリ『Chiriakhana』〈動物園〉

2021年06月15日 | ベンガル語映画
 今年はサタジット・レイ監督生誕100周年でもあるので、日本未公開作品から異色のエンターテインメントを紹介しておきたい。 『Chiriakhana』〈動物園〉という1967年のミステリ映画で、オーセンティックなフーダニットである。  以前にも書いたが、レイ監督自身、みずから生みだした名探偵フェルダーを主人公にしたミステリシリーズを書いており、一部は映画化した。  本作のほうは、フェルダーと負けず . . . 本文を読む

必見ドキュメンタリー『Bostrobalikara: Garment Girls of Bangladesh』〈衣料品産業で働く女性たち、2007〉

2021年06月14日 | バングラデシュ映画
 前回に触れた、『グリード ファストファッション帝国の真実』と合わせで見ることを積極的に勧めたい作品とは、『Bostrobalikara: Garment Girls of Bangladesh』〈衣料品産業で働く女性たち、2007〉である。  劇場用ではなくテレビ用につくられた、バングラデシュのドキュメンタリーだ。  ふと気づけば、今年はバングラデシュ独立50周年。  ボリウッド映画(インド . . . 本文を読む