インド映画の平和力

ジャーナリストさこう ますみの NEVER-ENDING JOURNEY

2020年の記憶から:農業3法への大規模な反対運動によって初めての敗北を喫した、与党インド人民党(BJP)の奇怪な陰謀論

2023年09月30日 | インドの政治と司法
 インド系カナダ人シク教徒、ハルディープ・シン・ニッジャル(Hardeep Singh Nijjar)さん殺害に、インド政府/情報機関が関与している疑いを表明したカナダ・トルドー首相の発言以来、非常に気になっていることがいくつかある。言葉足らずになる部分もあるかもしれないが、今後に必要だと思うので、あえて記しておく。  まず、インドという国は昔から、パキスタンとの間でカシミール紛争をかかえている . . . 本文を読む

2024年のボリウッドには希望の光が戻るきざし:アーミル・カーン プロダクション、キラン・ラオ監督『Laapataa Ladies』〈迷子の花嫁、2023〉は、アナンド・パトワルダン監督も高評価!

2023年09月26日 | アーミル・カーン
 9月10日、カナダ・トロント国際映画祭(TIFF)で最新作『Vasudhaiva Kutumbakam』〈家族と繋がる世界、2023〉がワールドプレミアされたアナンド・パトワルダン監督。  それにちなんだインタビュー動画を見ていたら、ボリウッドの最新作を高評価していた。 Anand Patwardhan Interview- “Fought in court for my films” | S . . . 本文を読む

国会・州議会議員の女性クオータ33%を定めるインド憲法修正についての追記

2023年09月24日 | インドの政治と司法
 前回に書いた女性クオータ法案は、9月21日、インド国会上院(Raja Sabha; ラジャ・サバと読む)では、214人の全会一致で通過している(『Rediff.com』2023年9月22日付 PTI 電ほか多数)。  もっとも、インド国会も下院優位(下院優越)である。  とくにこの法案に関しては、インドのメディアはどこも、わざわざ上院議決を待つまでもなく、下院を通った時点ですでに、同法の具体的 . . . 本文を読む

国会・州議会議員の女性クオータ33%を定めるインド憲法修正案がついに成立へ、しかしいまはカナダ首相の国会発言のほうが気になる

2023年09月21日 | インドの政治と司法
 9月20日、インド国会下院(Lok Sabha; ロク・サバと読む)は、第128次憲法修正として、国会(下院)および州議会議席の33%を女性に留保する法案を可決した(賛成454票に対し反対2票)。参考までに『Rediff.com』2023年9月20日付 PTI 電。  インドにおいて、この法案が初めて提案された1996年から27年。  ヒンディ語映画『ようこそサッジャンプルへ』(2008)レビ . . . 本文を読む

『燃えあがる女性記者たち』はどんな政治風土のもとで活動しているのか:ダリット女性の集団レイプ事件を取材しようとして、UAPA(テロ予防法)で逮捕されたジャーナリスト

2023年09月17日 | ジャーナリズム
 インドに多数あるテロ対策諸法令のなかで、筆頭に挙がるのが UAPA(Unlawful Activities (Prevention) Act, 1967)だと、マラーティ語映画『裁き』(2014)レビューほか本ブログでも、たびたび書いてきた。  公開中の『燃えあがる女性記者たち』には、数度にわたる集団レイプの被害者を取材するシーンも出てくる。  彼女たちが拠点とするウッタルプラデシュ州の、政治 . . . 本文を読む