インディアンムービーウィーク2021で上映中の『グレート・インディアン・キッチン』のリアクションを眺めていると、たとえば主人公が強いられる月経中の強制隔離について、「外国の人権問題だけを騒ぐタイプ」によくありがちな問題も目にする。
インドはいまだにこんなことをやっているのかと見下ろしつつ、まったくの「他国事」にとらえるという。
同様の因習は、ボリウッド映画『パッドマン』でも描かれたし、それ . . . 本文を読む
前回に続ける。
『ペトルーニャに祝福を』の主人公ペトルーニャと母親の関係性を見ながら連想したものは、もうひとつある。
日本では1986年に公開された米国映画『女優フランシス』(1982)だ。より正確にいうと、『フィルムの中の女 ヒロインはなぜ殺されるのか』(田嶋陽子、新水社 1992年 注)所収の論考「母に食われた娘 女優フランシス」である。
注 『ヒロインは、なぜ殺されるのか』と改題して、 . . . 本文を読む
『ペトルーニャに祝福を』の主人公ペトルーニャは、参加者は男性オンリーというキリスト教(東方正教会)の“禁忌”を犯し、激怒した男たちや警察に追われる。
ことの次第を知ったペトルーニャの母親は、「この罰当たりのケダモノ!」と娘を罵り、家から叩きだす。
テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督インタビューにあたっては、例によって、事前にたくさんの資料を参考にした。そのひとつが、2019年に行なわれた、 . . . 本文を読む