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インド映画の平和力

ジャーナリストさこう ますみの NEVER-ENDING JOURNEY

『グレート・インディアン・キッチン』にちなんで:外国の人権問題に“正義の御旗”をふりかざすときには

2021年06月10日 | 読む映画
 インディアンムービーウィーク2021で上映中の『グレート・インディアン・キッチン』のリアクションを眺めていると、たとえば主人公が強いられる月経中の強制隔離について、「外国の人権問題だけを騒ぐタイプ」によくありがちな問題も目にする。  インドはいまだにこんなことをやっているのかと見下ろしつつ、まったくの「他国事」にとらえるという。  同様の因習は、ボリウッド映画『パッドマン』でも描かれたし、それ . . . 本文を読む

『ペトルーニャに祝福を』と『女優フランシス』、そして『フィルムの中の女』(田嶋陽子、新水社・講談社+α文庫)

2021年06月05日 | 読む映画
 前回に続ける。 『ペトルーニャに祝福を』の主人公ペトルーニャと母親の関係性を見ながら連想したものは、もうひとつある。  日本では1986年に公開された米国映画『女優フランシス』(1982)だ。より正確にいうと、『フィルムの中の女 ヒロインはなぜ殺されるのか』(田嶋陽子、新水社 1992年 注)所収の論考「母に食われた娘 女優フランシス」である。 注 『ヒロインは、なぜ殺されるのか』と改題して、 . . . 本文を読む

『ペトルーニャに祝福を』と『愛という名の支配』(田嶋陽子、太郎次郎社・新潮文庫)

2021年06月02日 | 読む映画
『ペトルーニャに祝福を』の主人公ペトルーニャは、参加者は男性オンリーというキリスト教(東方正教会)の“禁忌”を犯し、激怒した男たちや警察に追われる。  ことの次第を知ったペトルーニャの母親は、「この罰当たりのケダモノ!」と娘を罵り、家から叩きだす。  テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督インタビューにあたっては、例によって、事前にたくさんの資料を参考にした。そのひとつが、2019年に行なわれた、 . . . 本文を読む