仏教に近しい感覚を抱いていたのが、「おまえはダメだ」と鼻先で扉を閉められたような10代の記憶から。
小学校から高校まで、身近に日蓮宗系の在家主義仏教徒がいたので、先祖供養として『妙法蓮華経』(『法華経』)を上げていた。本来は朝夕に行なうのだが、学校もあれば、遠足や運動会など行事もいろいろ、週末は書道塾にも通っていたので、できるときに夕方だけ自分ひとりで、という程度のゆるやかなものだったが。
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コロナ禍のせいで1年以上もペンディングにせざるを得なかった原稿のひとつを、ようやく形にできることになった。
それについては後日お知らせするが、その原稿執筆に関連して、むかしからつくっているファイルをあらためていて、考えるところがあった。
なんのファイルかというと、ユダヤ教・キリスト教・イスラーム・ヒンドゥ教・仏教という、世界の主要宗教における女性の地位をテーマにした記事や論文の資料である。 . . . 本文を読む
引き続き、ベンガル語映画『Brahma Janen Gopon Kommoti』〈神さまはご存じ、私のヒミツ〉が、なぜ絶賛されるべきかについて語りたい。
ヒンドゥ教徒社会における女性の劣位、とくにそれが最も極端に現われる、寡婦殉死(サティ)、花嫁持参金(ダウリー、注)殺人、女児殺人などの犯罪に関して言及する著述は、日本にも少なくない。
注 花嫁側が、花婿側から要求される現金や宝飾品、家電製 . . . 本文を読む
前回の続き、『Brahma Janen Gopon Kommoti』〈神さまはご存じ、私のヒミツ〉を讃えるべき理由の第2である。
それは、従来、女性が排除されてきた役割に女性が就くにしても、機械的でしかないのなら、そんなものは進歩ではないというメッセージが貫かれていることである。
よりくだけて言うなら、政治家でも社長でも編集長でもなんでも、ダメな男の座を継ぐのがダメな女でしかないのなら有害 . . . 本文を読む
前回紹介したベンガル語映画『Brahma Janen Gopon Kommoti』〈神さまはご存じ、私のヒミツ〉は、一見ユーモアをまじえたファミリードラマという趣だ。
そのため、インド社会になじみがないとわかりにくいかもしれないが、多少なりとも知る人が見れば衝撃を受けるのは必定、文字どおり革命的な内容を扱っている。
その第一は、女性のヒンドゥ教僧侶を登場させ、全面的にポジティブに描いている . . . 本文を読む