2016年7月1日にバングラデシュ・ダッカで起きたレストラン襲撃事件を描くヒンディ語映画『Faraaz』〈ファラーズ、2023〉。
2月のインド公開時に少し触れておいたが、その後 Einthusan にもアップされたので、既見の読者も多いかと思う。
この間、インドの批評家たちのレビューを多少チェックしていた。いちおう好評価はしているものの、全体的に通り一遍という印象だ。
他方、「なぜイ . . . 本文を読む
9・11米国同時多発テロ事件の直後から多発した、ヘイトクライムによる殺人事件の最初の被害者は、報道された限りではシク教徒男性だった。ターバンによって、ムスリム、すなわち同時多発テロの主犯とされていたサウジアラビア人、オサマ・ビンラディンの “同類” と誤解されたためだった。
シク教徒男性にとってのターバンは、教義上の義務であるし(ただし、さまざまな事情からまとわない者もいる)、その形状は独特 . . . 本文を読む
先に紹介したカシミール紛争関連の劇映画からもうひとつ、『Lamhaa』〈その瞬間、2010〉について。
本作の Rahul Dholakia(ラフール・ドラキア)監督は、グジャラート大虐殺(2002年)で息子が行方不明になった、拝火教徒(パールシー)の友人の実体験を元に、『Parzania』〈パルザニア、2007〉という劇映画をつくり、高く評価された。
友人一家は、ムスリムが集住するコロニ . . . 本文を読む
『The Kashmir Files』関連のインド報道のなかに、「本筋の議論から離れるが、そもそもカシミールを描いた劇映画に、これまで、どれだけまともなものがあったか」という趣旨の記事を見かけて、主だった作品だけでも挙げておきたくなった。
『No Fathers in Kashmir』〈カシミールに父はいない、2019〉
劇映画で最初の1本と言うなら、現時点ではこれを措いてない。
アシュウィ . . . 本文を読む
本国では2021年12月にリリースされたばかりの『Chandigarh Kare Aashiqui』〈チャンディーガルで恋が生まれる、2021〉。
日本では『盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~』(2018)で知られる、アーユシュマーン・クラーナー主演の最新作。
監督は名作『わが人生3つの失敗』(2013)のアビシェク・カプール。編集は『Main Madhuri Dixit Banna C . . . 本文を読む