1年あまり前、2020年3月に本国公開されたベンガル語映画。見ないで死んではいけない傑作である。
前回に書いたマラヤーラム語映画『The Great Indian Kitchen』〈グレート・インディアン・キッチン〉のエンディングが、本作のビギニングと言ってもよい。
ただ、『The Great ~』が問題提起にフォーカスしているのに対して、本作のほうは、そういう次元をはるかに超えている。サ . . . 本文を読む
今年の初め、男性監督 Jeo Baby(ジオ・ベイビー)のインタビューを『Rediff.com』で読み(2021年2月2日付)、同監督の最新作『The Great Indian Kitchen』〈グレート・インディアン・キッチン、2021〉に興味をもった。南インド・ケララ州のマラヤーラム語映画界の作品である。
ベイビー監督は、『The Great Indian Kitchen』を劇場公開する . . . 本文を読む
インド近現代史のなかでも、英国からの独立運動に関する資料について、むかしから「これは」と思うものを見つけるたびに読んでいる。
こんにちのインド亜大陸情勢を分析したり論じたりするうえで必須であることはもちろんだが、欧米や南アフリカ、東南アジアから日本に及ぶという世界規模のスケールでダイナミズムに富み、とてもおもしろいからだ。
そうしていると、悪名高い Divide and Rule(分割統治 . . . 本文を読む
“ラブ・ジハード”なる陰謀論で不当な攻撃をされた、サイーフ・アリー・カーンとカリーナ・カプールが結婚したのは2012年。
当時『Rediff.com』は、「Bollywood homes where Ram and Rahim coexist」というビジュアル特集を組んで、祝意を表わしていた(2012年9月25日付)。
ここでいう Rahim とはアッラーの名前のひとつ、Ram はヒンドゥ教 . . . 本文を読む
以前に触れた、2020年9月25日付の国連人権理事会・恣意的拘禁作業部会(WGAD)の意見書。
これに対する日本政府の異議申立「入管難民法の手続きを順守しており、人権諸条約に抵触するものではない」(3月27日付)を、上川陽子法相が3月30日付の記者会見で明らかにしたと報道されている(『東京新聞』2021年3月30日付の共同電など多数)。
「WGAD が根拠にした自由権規約も、批准したのだか . . . 本文を読む