インド映画の平和力

ジャーナリストさこう ますみの NEVER-ENDING JOURNEY

『Section 375』〈インド刑法375条〉を「読解」するために、見ておきたい『Gangster』〈ギャングスター〉

2020年06月30日 | ボリウッド
 先に触れた『Section 375』〈インド刑法375条〉や NETFLIX 配信予定の劇映画を語るうえでも、紹介しておきたいのが『Gangster』〈ギャングスター〉である。  おなじみ Einthusan には、このリンク先のほかに UHD バージョンもある。ともに英語字幕つき。画質がぜんぜん違うので、できれば UHD のほうを勧めたいのだが、こちらはプレミアム会員のみとなっている。  『 . . . 本文を読む

「インド映画に出てくるムスリムに悪人はいないよ」

2020年06月26日 | 国際結婚の日常感覚
 6月14日に自ら命を絶ったという、ボリウッド(ヒンディ語映画界)の中堅俳優スシャント・シン・ラージプートを追悼する気持ちから、彼のフィルモグラフィをあらためている。  そうしたなかで、何度も浮かんでくる想いがある。  彼にとって初耳ではないだろうが、もしも機会があったなら、自分の口からも伝えたかったな――。  ボリウッドがボリウッドとして存在することによって、人種・民族や信仰の違いなどによる . . . 本文を読む

インドは性犯罪事件の「同意」をどう規定しているか――『Section 375』(インド刑法375条、2019)

2020年06月25日 | ボリウッド
 最近、性犯罪をテーマにした映画の仕事をするなかで、たまたまこんな記事を目にした。 【性犯罪刑法改正】一番大事な「同意」の話(2017年2月27日付)  著者の小川たまか氏と面識はなく、失礼ながら、著作を密に追っているほどでもない。だが、性犯罪に関して精力的な取材・執筆活動をしていることは、この YAHOO!ニュースのレギュラーページだけからもうかがえ、ポジティブな印象を抱いていた。  この記 . . . 本文を読む

必見の映画『Axone』〈アクニ〉、Einthusan で待望のリリース

2020年06月23日 | お知らせ
 おなじみ、インド映画ストリーミングサイト Einthusan で、昨年、簡単に紹介した『Axone』〈アクニ〉が、先週末にリリースされた。もちろん英語字幕つき。  本ブログで大騒ぎしたのが少しは役に立ったのか(?)、今後は、日本語字幕で本作を見る機会も、ほかにいくつかありそうだ。とはいえ、いずれも時期は未定なので、この機会にぜひ。  ただ、主要キャラである北東7州(NE)出身者の会話は主として . . . 本文を読む

6月12日公開『コリーニ事件』レビュー

2020年06月08日 | お知らせ
 今週金曜日に発売される『週刊金曜日』6月12日号(1284号)に、同日公開予定のドイツ映画『コリーニ事件』(2019)のレビューを書いています(P.56-57)。 ☆きんようぶんか 映画 司法行政を動かした法廷サスペンス 『コリーニ事件』   2年前に本ブログでも触れた、法廷ミステリ『コリーニ事件』の映画化である。  主題をひとことでいえば、「ドイツ司法の戦争責任・戦後責任」。  ふと思い . . . 本文を読む