1月18日の公開以来、文字どおりの大好評で上映館が拡大しつつある必見の名作『バジュランギおじさんと、小さな迷子』。知るかぎり観客の圧倒的多数が本作のメッセージを正しく受けとめていて、本当にうれしくも心強くも思う。
半面、映画評論家や映画ライターなど映画関係著述業者のコメントなどは、よくいっても通り一遍、不勉強も目立つ。なかには「唐突に始まる歌と踊り」と書いている批評もあって、「ミュージカル・リ . . . 本文を読む
本日発売の『週刊金曜日』1月18日号に、同日から公開の『バジュランギおじさんと、小さな迷子』のレビューを書いています(英語字幕つき本国版予告編はこちら)。
☆きんようぶんか 映画
排他主義批判と印パ友好への祈り
『バジュランギおじさんと、小さな迷子』
インド映画の輸入公開において日本は絶対的後進国だといつも嘆いてはいるものの、「大幅な周回遅れ」がたまさか幸いすることもあって、この年末年始、 . . . 本文を読む
映画『シャヒド』の前半では、主人公シャヒド・アズミが冤罪を着せられて投獄された、ティハール刑務所での日々が描かれる。
その同房者のなかに、シャヒドに脱獄計画を話して一緒に出ないかと誘う者がいる。獄中にいるのだから食事時間など任意にできないにもかかわらず、「ラマダーン(イスラームの断食月)なのに、(飲食が禁止される)日中によくも食えるな」(注1)と“敬虔なムスリム”を気取って、ムスリム囚人たち . . . 本文を読む
1993年の山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)で市民賞を受賞した『神の名のもとに』(1992)。インド亜大陸には優れたドキュメンタリー監督も多いが、同作のアナンド・パトワルダン監督は、筆頭に挙げるべき存在で、国際的知名度も非常に高い。
『Sanju〈サンジュ〉』や『裁き』、『シャヒド』でも触れたが、現代のインド亜大陸の政治や社会、国際関係を理解するうえで、常に意識していなければなら . . . 本文を読む
『女神は二度微笑む』を通じてメインテーマ『エクラ・チョロ・レ〈もしも君の呼ぶ声を聞いて〉』の出自と内容を知り、タゴールやM・ガンディが一気に身近になったところで、英国からの独立運動の端緒、1857年に起きたインド大反乱が舞台の史劇大作を紹介したい。
インド共和国記念日の前日、1月25日に現地公開予定の『Manikarnika: The Queen of Jhansi〈ジャーンシーの王妃マニカ . . . 本文を読む