さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

大船渡 広大な被災地にバーがある 37

2015年10月21日 | 東北シリーズ



大船渡にオサレなバーがあるとパンフレットに載っていた。しかし到着してみると、
見渡す限り津波に流された広大な荒地と工事現場ばかりではないか。近くまで来ても、
やはり更地ばかり。ほんとにあるの???と思いかけた頃、仮設商店街の裏手に
ありましたー。開店時間がちと遅いので、始まったばかりだったのです。

あとでオーナーに「店を見つけるのに、もうちょっとわかりやすくすれば」と言って
みたら、「これ以上混まないほうがいい」とおっしゃってました(^益^;



内部はこんな感じ。外の様子は、前の記事のホテルから歩いてきた写真をご覧下さい。
うっそ!という別世界、まるで「どこでもドア」をくぐったような気分。



都会にあるバーにいるような気になる。バーテンダーも、地元の若者ですが、東京の
大学に通って帰ってきたとか。先ほどの店のおばさまと同じように、BRTには乗った
ことがないとか。若い人たちは自分の車で移動しますからね。

ちなみに一軒目はどこで飲んだか聞かれたので、そのおばさまの話をしたら、
「あれっ?お産で休んでいたはずなんですが、もう復帰したのかあ」ときたもんです。
地元民はお互いみんな知っているんだなあ。



ムール貝のアヒージョ。津波で荒れ地になった大船渡の仮店舗でだ。
「どこから取り寄せているんですか?」と聞いたら、なんと地元産だそうです。
外来種は生命力が強く、外洋船についてきて日本の港町ならどこでも繁殖していて
採れるとか。でもごはんのおかずにはなりにくいし、たくさん採れても地元の人は
「いらないよ」と言うそうです。。。




この店のオリジナルカクテル。陸前高田にあった酒造が津波ですべて流されてしまい、
ここ大船渡に引っ越して再開した「酔仙」に、同じく陸前高田のマスカットサイダーを
ブレンドしたもの。ここで飲まなきゃね^^

私が滞在しているホテルの話になりました。広大な更地の真ん中に一軒だけぽつんと
残っているホテルだけに、当然そこに泊まっているのだろうとわかってらっしゃる。
この町で一軒だけ営業再開をしたものだから、予約が殺到し、メディア関係社などは
1年という長期で借りたりもしているとか。

復興土木関係者は、平日宿泊して週末には内陸に帰るため、土曜の夜だけは予約が
取りやすいらしい。どお~りで他の曜日は取れずに、土曜だけ泊まれたというわけかー。



酔った勢いで、3軒目を物色する。更地が広がっているので、明かりは見つけやすい。
しかし手前にちらりと見えるように、思わぬところに柵がある。よけたりまたいだり。
気をつけないと、「落っこちたり」になっちまうw



広~い更地と工事現場の真ん中に、こんなオアシスが煌々と輝いている。中では
還暦をはるか過去においてきた女性たちが待っていることだろう。せっかくこういう
ところに来たのだから行けるところまで…と思いつつ、足取りが怪しくなっていたので、
この日はこれで打ち止めにしたのでした。