Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 128(染付菊花文深皿)

2021-05-20 20:46:33 | 古伊万里
ウチの古伊万里もだんだんショボい品だけになってきましたが、古伊万里の師匠であるDr.kさんが「染付菊花文小鉢」が紹介されており
勝手に便乗する形でウチの似たような深皿を紹介することにしました。
「染付菊花文深皿」
八角形に成形された16cmほどの深皿で、器面を天明期に登場する「茄子紺」と呼ばれる濃い呉須で塗りつぶし
その中に墨弾きの技法を使って菊文を散らし、さらに地紋として唐草文が描かれています。
倉石梓氏の「古伊万里染付図譜」ではこのタイプを「白抜様式」、さらにその中でも「墨弾き併用グループ」と分類しています。

時代的には18世紀後半(天明~寛政期)と考えられ、落款が入らず、蛇の目高台ではない点からも、この時代の特長が見て取れます。
ワタシがこの品を入手したのは十数年前で、当時はまだ生活骨董のブームが残っていた時代で
業者さんもまだもっともらしい値段を付けて売っていたものでした。
白抜様式はこの時代を代表する様式の一つではありますが、あくまでも生活骨董であり
現在では本来の骨董としての価値は失われてしまったんでありましょうか。
(幕末の雑器として扱われていた時代に戻った!?)