III.手袋山
BC044.何でも叶うってことは……
ポケットの中から悪戯用の魔法の粉をとりだして、パラパラと粉を空からかけた。空からでは、うまくかからないので、おじいさんは菷から落ちそうになった。
そのとき、首にかけた革袋から、大切な魔法の粉があたり一面にこぼれた。
あわてたおじいさんは、おじいさんにとっては、魔法の粉より大切な入歯を口から落とした。
魔法の菷から落ちそうになったおじいさんはあわてて体勢をたてなおしたが、あたりは“何でも叶う魔法の粉”でいっぱいになった。そのとき落ちていく入歯にも魔法の粉がかかった。両手で粉をはらったおじいさんは、入歯をさがした。
入歯はむこうの空たかく飛んでいた。おじいさんは、目を手でこすって、びっくりしていた。
「もぐ、もぐ、もぐ……」
あれじゃ、わしには、なかなかつかまらんじゃろうとおじいさんは言ったつもりだったが、入歯がないのできちんとした言葉になっていなかった。
入歯は虹の上をこえたり、下をくぐったり、ついには、虹の中に入って見えなくなった。
魔法でつくった入歯は口の中で、ふわふわしていて、もぞもぞする。だから、あの入歯はとっても大切なものだ。真っ赤な顔をしたおじいさんは、一生懸命に入歯のあとをおった。あわてればあわてるほど魔法の菷は思いどおりにきちんと動かない。
おじいさんは、魔法の菷を両手で力いっぱい握りしめながら、
「蝶々のように華麗にとはいわない。せめて、芋虫くらいにはきちんと進みたいものじゃ」
また同じことをいい、大いに嘆いた。
そうしていると、魔法の菷はおとなしくなった。
「そうその調子」
と、おじいさんが喜んで言ったとき、ビシーとムチをふるうような大きな音をたてて、魔法の菷は矢のように太陽めがけて、飛んだ。
右に左にななめに、らせん階段のようにくるくるまわったりしながらも、だいじな入歯をさがしておじいさんも虹の世界に入って行き、すっかり見えなくなった。
そんなことも、知らずにユリカは丸い口をあけて寝ていた。しばらくしてから、空からピカピカと七色に光るものが落ちてきた。
「ねぇ、ねぇ、そこで寝ている子、目をあけて、お口をつぶって……」
その七色に光ったものが叫んだ。その声はあの魔法使いのおじいさんだった。落下しながら、おじいさんは、タヌキのドンゾウじゃないと気がついてもいた。口の中に落ちて、そのまま栄養になってしまってはたまらんと思っている。
「え、なぁーに」
ユリカは目をこすりながらすぐに起きた。
ドサッ!
ユリカのうしろにミニあんパンくらいの大きさのピカピカと光るものが落ちていた。
「わぁー、きれいだな」
ユリカがよく見ると、それは毛虫のようだった。でも、恐くも気持悪くもなかった。なぜって、宝石でできたアクセサリーの毛虫を恐がる人がいるだろうか? 趣味は決して良いとは言えないかもしれないが……。あの魔法使いのおじいさんに言わせたら、そんなことない! と怒ることでだろう。
それで、ユリカは
「わぁー、七色に光る毛虫だ」
と顔を近づけた。
「なにを、驚いているの」
その声は高くってかわいいけど、まのびした入れ歯をしていないおじいさんのような口調だった。つまり、それは本当は魔法使いのおじいさんで、そのおじいさんの声なのである。(せめて
芋虫のようになりたいって愚痴を言っていたでしょう?)
ユリカは、まわりを見まわしたが、誰もいなかった。
「何を驚いているんじゃ」
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[レインボー・ループ]もくじ
BC044.何でも叶うってことは……
ポケットの中から悪戯用の魔法の粉をとりだして、パラパラと粉を空からかけた。空からでは、うまくかからないので、おじいさんは菷から落ちそうになった。
そのとき、首にかけた革袋から、大切な魔法の粉があたり一面にこぼれた。
あわてたおじいさんは、おじいさんにとっては、魔法の粉より大切な入歯を口から落とした。
魔法の菷から落ちそうになったおじいさんはあわてて体勢をたてなおしたが、あたりは“何でも叶う魔法の粉”でいっぱいになった。そのとき落ちていく入歯にも魔法の粉がかかった。両手で粉をはらったおじいさんは、入歯をさがした。
入歯はむこうの空たかく飛んでいた。おじいさんは、目を手でこすって、びっくりしていた。
「もぐ、もぐ、もぐ……」
あれじゃ、わしには、なかなかつかまらんじゃろうとおじいさんは言ったつもりだったが、入歯がないのできちんとした言葉になっていなかった。
入歯は虹の上をこえたり、下をくぐったり、ついには、虹の中に入って見えなくなった。
魔法でつくった入歯は口の中で、ふわふわしていて、もぞもぞする。だから、あの入歯はとっても大切なものだ。真っ赤な顔をしたおじいさんは、一生懸命に入歯のあとをおった。あわてればあわてるほど魔法の菷は思いどおりにきちんと動かない。
おじいさんは、魔法の菷を両手で力いっぱい握りしめながら、
「蝶々のように華麗にとはいわない。せめて、芋虫くらいにはきちんと進みたいものじゃ」
また同じことをいい、大いに嘆いた。
そうしていると、魔法の菷はおとなしくなった。
「そうその調子」
と、おじいさんが喜んで言ったとき、ビシーとムチをふるうような大きな音をたてて、魔法の菷は矢のように太陽めがけて、飛んだ。
右に左にななめに、らせん階段のようにくるくるまわったりしながらも、だいじな入歯をさがしておじいさんも虹の世界に入って行き、すっかり見えなくなった。
そんなことも、知らずにユリカは丸い口をあけて寝ていた。しばらくしてから、空からピカピカと七色に光るものが落ちてきた。
「ねぇ、ねぇ、そこで寝ている子、目をあけて、お口をつぶって……」
その七色に光ったものが叫んだ。その声はあの魔法使いのおじいさんだった。落下しながら、おじいさんは、タヌキのドンゾウじゃないと気がついてもいた。口の中に落ちて、そのまま栄養になってしまってはたまらんと思っている。
「え、なぁーに」
ユリカは目をこすりながらすぐに起きた。
ドサッ!
ユリカのうしろにミニあんパンくらいの大きさのピカピカと光るものが落ちていた。
「わぁー、きれいだな」
ユリカがよく見ると、それは毛虫のようだった。でも、恐くも気持悪くもなかった。なぜって、宝石でできたアクセサリーの毛虫を恐がる人がいるだろうか? 趣味は決して良いとは言えないかもしれないが……。あの魔法使いのおじいさんに言わせたら、そんなことない! と怒ることでだろう。
それで、ユリカは
「わぁー、七色に光る毛虫だ」
と顔を近づけた。
「なにを、驚いているの」
その声は高くってかわいいけど、まのびした入れ歯をしていないおじいさんのような口調だった。つまり、それは本当は魔法使いのおじいさんで、そのおじいさんの声なのである。(せめて
芋虫のようになりたいって愚痴を言っていたでしょう?)
ユリカは、まわりを見まわしたが、誰もいなかった。
「何を驚いているんじゃ」
閑話休題 缶もなかなかのすぐれものです。 缶詰協会のホームページはいろいろと おもしろいですよ。 缶にはプルタブというものがあるでしょう。 あれは昔は、缶から外れるものだったんです。 その缶から外れたものは、危険でした。 缶をあけると、野外でポイ捨てされたからです。 アルミというのは薄いと、かなり動物を傷つけることになりました。 動物だけではなく、子どもたちもプルタブで事故を起こしました。 そこで今のような缶一体型のものが発明されました。 それは今世界中で使用されているそうです。 この発明はSOTエンドというらしいです。。 これは大発明だったらしいです。 大変もうかったらしいですね。 人のためになり、儲かったそうです。 うらやましいものですね。 でも、今の時代、解決しなければならない 問題は山積していますね。 いつの時代も錬金術師はいますが、 そのような人でなく、このような発明をして、 儲けていただきたいと思います。 困難な時こそチャンスだと天才は 思うそうです。 環境問題は問題を解決できるのなら、 そこにビジネス・チャンスがあろうというものですね。 |
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危ないことをやってたんですね。
でも、かみそりなみに切れますから、すぐにきれいにつきましたよ。
あれは都市伝説として「嘘」として伝えられましたが、
本当だったみたいですね。
ぼくの親戚も熱心にやっていましたから、
たぶん事実なんでしょう。
そういう企画に乗ってた連中のことなんです。
http://www.exp.org/pictures/pict015.html
はずれるプルタブでも、
子どもにきちんと説明もしないで、
やらせたらたしかに危険ですね。
わざわざ切り取るって、ますます危険な気がしますね。
必要ないだろうし……。