磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

原爆歌集 慰霊

2008年05月06日 | 読書日記など
『原爆歌集 慰霊』
   山本節子・著/真樹社1998年

いろいろなことをテーマにして平和を願う心で歌っておられます。また、詩や随筆もあります。



装画・装丁 ヒロシマ・ルネッサンス 濱本武一

ケロイドは見た目だけではないのです。下「」引用。

「ケロイドが引き吊りて伸びざる腕重し鮨詰め列車より降りしホームに」

エンライト氏という人が原爆否定されたようです。下「」引用。

「「建設か破壊か」「人間か野獣か」とD・J・エンライト氏の原爆否定論」

「原爆追求 解剖 昭和四十五年」というタイトルでいくつか詠まれています。下「」引用。

「嗚咽しつつ肉親ら入れましし花分けて執刀医遺体を抱え去りたり」

後に随筆でも、解剖のことを書かれています。
--人類の福祉や医療に貢献することを願って解剖を承諾する肉親もおられたことは、この本だけではありせん……。

「殲滅の史 アウシュヴィッツ 昭和四十七年」と、アウシュヴィッツのこともいくつか詠まれています。下「」引用。

「大量に人間を殺めし毒ぞこれチロクンBガスの灰色の粒」

この著者の永井隆関連の歌はいくつか紹介しました。下「」引用。

「バケツもて夫人の遺骨を拾います永井隆氏の原爆日記」

墓碑……。下「」引用。

「八月の死者の名並ぶ墓碑ありぬ「墓碑なく一家滅亡」もあらん」

そういえば、ベトちゃんのお母さんのことは知らない……。下「」引用。

「結合児ベトチャンを産みし母親よ殲滅の史を黙し耐うるや」

人体解剖を直接立ち合ったという。下「」引用。

「ある被爆少年の解剖で医師の掌にのせられた、ちょうど牡蠣のように肥大し、青くなった眼球を見たことがある。また、女性の頭蓋骨がトランクの蓋を開けたような恰好に開かれたため、長く垂れ下がった黒髪を見た、性器の内面まで掌の上で検べられる虚しさをこの身にしみこませてしまった。解剖に直接立ち合ったものとしてこの問題へのコンプレックスはどうしようもないのである。
     「真樹」(昭和43年8月)」










もくじ

Index





エンタメ@BlogRanking




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。