磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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光文社文庫 原爆機反転す

2008年06月11日 | 読書日記など
『光文社文庫 原爆機反転す』
   若木重敏・著/光文社1994年

以前、紹介しました。
この本の著者は『広島反転爆撃の証明』も書いておられます。
--高射砲のことは、知識になった気がします。



海軍の技術将校だったという著者。下「」引用。

「私は戦時中、海軍技術将校といして、呉(くれ)の海軍工廠砲熕(ほうこう)実験部弾薬科に勤務し、。そこの理化学班の班長をしていた。砲熕実験部といえば前大戦中の海軍の火砲関係新兵器研究の主力となった研究機関であり、私の班は、私のほかに、技術大尉二人、技手四人を含め全研究員四十名からなっていた。
 主な仕事は、当時、生産不足になっていた高角砲用の時限信管の役目をする、制度のよい時計のような、どんな条件下でも正確な燃焼速度で燃える特殊な導火薬、日本製レーダーでは、どうして探索距離で太刀打ちできなかった米国のレーダーに対抗できる遠距離まで飛べる大口径砲弾用の明るい照明弾用光薬、それにとにかく事故の多かった信管用起爆剤の改良などであった。」

そして、広島文理科大学に協力してもらい、広島で仕事をしていたという。

--2点について拘っておられます。
1. 日本に来てからのB29機のこと(反転爆撃)。
2. 空襲警報はなかった。

米軍は反転はなく、警報があった……。

NHKでは、呉を通ったというが、著者はそうでないという。

エノラ・ゲイ号の機長チベッツは、航路を二種類いっているという。

エノラ・ゲイ号に余裕があったと著者。

NHKのラジオによる空襲警報もなかったという。

NHK取材班が書いた『原爆搭載機、射程内ニ在リ』について。

原爆搭載機「射程内ニ在リ」

--エノラ・ゲイ号まで届く高射砲はなかったという。
あったとしても、時限信管がなく、役立たなかっただろうという。下「」引用。

「そんなすぐれた時限信管は当時の日本は持っていなかった。この点だけでも、私も多少信管の研究をしていたので、断言できる。
 今となると、よくわかるのが、高射砲が能率よく効果を発揮するには、当時の米海軍の機密兵器のVT信管(電気敵近接信管、信管自体から電波を発信し、その反射波を感知して飛行機と最短距離になったときに弾丸を炸裂させる信管)がなければならなかったのである。このVT信管も持たずに高度を飛んでいるB29を落とせるはずがない。」

当時の高射砲のレーダーも、性能はよくなかったという。下「」引用。

「-略-NHK原爆資料班という大事な方たちが、このような兵器や砲術や軍事情報について、ずぶの素人としか思われない小田氏とかいう人の言うことを、なぜこのように全面的に信用してしまうのだろうか。確立射撃には、確立射撃の大家がいる。その方の意見でもお聞きになればよかったのに。
 戦闘機による激突だけが、B29による激突だけが、B29を落とす可能性のある方法だったかもしれないが、本土決戦を目の前にして、二、三機の飛行機の到来に対してまで特攻戦闘機を使うはずがない。しょせん、どうあがいても、エノラ・ゲイ号の攻撃を受けざるをえなかったのが広島の運命であったといわざるをえないのが現実だったかもしれない。」

反論されたら、著者は何かしら答えてほしいものであると一読者のボクは思う。
--といっても、病気などでは仕方がないとも思えるが……。


【追加 2008年6月21日】

B29を高射砲で撃墜したという本があります。

横から見た原爆投下作戦











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