磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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日本のいちばん長い日 運命の八月十五日

2007年05月25日 | 読書日記など
『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』
    大宅壮一・編/角川文庫s48年

この本は大宅壮一が書いたものではない。本編を書いたのは半藤一利、プロローグは安藤満。当時、若い文藝春秋の社員であった者たちの名をだすのはふさわしくないと、大宅壮一の名をかりたという……。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「8月15日正午の『玉音放送』にいたる運命の24時間を、日本人の精神構造をテーマにして見事に構成した劇的な人間記録。未曾有の敗戦を目前に、日本の中枢にあった人々が、苦悩と焦燥の中で何を考え、何を志向したか。-略-」

この本はずいぶん読まれたと思う。
若いときボクもこの本を読んだ。大宅壮一はすごい切れると思った。
ほかの本をとって、そうでもないと思った……。

映画化され、それも見たように記憶する。

その年は凶作さえも予想されていた。下「」引用。

「日本は疲弊の度をくわえつつあった。しかも、この秋は昭和六年いらいの大凶作が予想されいたのである。日本に戦う余力はほとんどない、というのが各大臣の意見であった。」

自殺を美学とする「美しい日本」
“わが屍を超えてゆけ”--阿南陸相はいった。

日本国に責任ある立場のある方が責任あることを理解していることはいいが、死んで責任が解決するわけがありませんね。

こんな美学を受け継いだから、自殺数が欧米の二~三倍もあるという方もいます。

井田中佐は全将校自刃を主張。
畑中は、「逆賊と汚名をうけてもいい、国民としてのこされた最善の道をとりたいと思うのです」
奇妙に人の心を打ったという。

畑中の意見が本当の意味で責任をとるということだろう。
無責任にも死んだと西欧の人間なら思うことだろう……。
しかし、畑中にしても責任などとれなかっただろう。とれるわけがないだろう。取り返しのつかないことをしたとしかいいようがない。


佐々木大尉は「われわれの美しい祖国は滅びるのである」と涙をうかべて抗戦続行を訴えたという。

祖国を焦土とかえってしまったのに、美しい祖国とは妄想の美しい国だったのでしょうか? 現実検討能力のなさも、ここまでいけば何をいっていいのかわかりません。

徳川侍従の態度、立派だと思います。殴られたら、血へどを吐くのは当たり前。
殴る軍部の凶行こそが醜い!
この時、戦争を継続すると、玉音盤を奪い取ろうとする軍の一部。
その時の論理は五・一五などと同じだったという。


歴史探偵らしく、天皇の白い手袋のことも書かれてありました。下「」引用。

「7 さまざまな記録には、天皇は“白い手袋”で頬を拭われたと記録されている。すべて下村宏氏の手記にもとづいているのだろう。しかし、侍従職の人たちそのほかの証言によれば、そうした席に手袋をはめられたまま望まれることはないという。おそらく白いハンカチを手袋と下村氏が見違えたのであろうということである。」

そして、文庫版にあたり書かれています。下「」引用。

「こんど文庫として再出版されるに際し、こうした新しい事実をどうすればよいか、いろいろと戸惑うものがあった。-略-歴史を正しく書くことは難かしい。まして当事者の生存している現代史を書くことの困難さについては、改めて記すまでもない。」






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