磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原爆詩集 峠三吉

2006年07月11日 | 読書日記など
『原爆詩集』
   峠三吉・作/四国五郎・装丁/
    新日本文学会広島支部われからの詩の会・編/
    新日本文学会広島支部われからの詩の会1951年、復刻版

「ちちをかえせ」という詩で有名な峠三吉さんの詩集です。
この本の「序」として「ちちをかえせ」という詩は掲載されています。



この詩集は80円だったみたいです。
手作りといっていいのではないでしょうか?
この本はもちろん復刻版です。

活字でなくて、手書きで書かれています。
ふるい表記で書かれてもあります。
今の表記にすこし直してあります。



昔の井上陽水のアルバムでも、自筆で歌詞が書かれてあったのを思いだしました。

原爆をなくしたいという思いは、狂おしいばかりであったように思えます。ヒロシマのことを思えば、ヒロシマのことを考えれば当然のことだろうと思います。下「」引用。

「人間ならぬ人間

ぼくらは大洋の涯 環礁での実験にも飛び上がる
造られる爆弾はひとつ宛 黒い落下傘でぼ
らの泪堝に吊りさげられる
舌をもたぬ炎の踊り
肺のない舌のよぢれ
歯が唇に突き刺さり 唇が火の液体を噴き
声のない炎がつぎつぎと世界に拡がる
ロンドンの中に燃えさかるヒロシマ
ニューヨークの中に爆発するヒロシマ
モスクワの中に透きとおって灼熱するヒロシマ」



峠三吉の健康状態もよくなかったようです。下「」引用。

「私はうす暗い広島療養所の一室でこの稿をまとめた。まとめてみながらこの事に対する詩をつくる者としての六年間の怠慢と、この詩集があまりにも貧しく、此の出来事の実感を伝えこの事実を実体をすべての人の胸に打ちひろげて歴史の進展における各個人の、民族の、祖国の、人類の、過去から未来の単なる記憶でない意味と重量をもたせることに役立つべくあまりに力よわいことを恥じた。しかしそれを感じながらもあえて出版しなければならない追いつめられた時代であることを知れば、さらに時間をかけて他日の完璧をきすることは許されないと思った。-略-この詩集はすべての人間を愛する人たちへの贈り物であるとともに、そうした人々への警告の書でもある。
 一九五一・六・一
           峠三吉」

しかし、書かねばならない義務感があったと思われます。



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