『お姫様とジェンダー-アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門- ちくま新書 415』
若桑みどり・著/筑摩書房2003年
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「コレット・ダウリングの『シンデレラ・コンプレックス』が刊行され、話題をよんだのは一九八二年。すでに二十年以上になるが、その間、「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセス・ストーリーは、ますます大量に生産され、消費されている。大量に消費されるからその影響力も絶大である。本書では、ディズニーのアニメを題材に、昔話にはどんな意味が隠されているかを読み解く。いつの間にか思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」けの呪縛から、男も女も自由になり、真の男女共同参画社会を目ざす。」
学生との接触をとおして、ひとつのテーマで講義を記録した本はほかにはないという。
「女らしさの神話とシンデレラ・コンプレックス」
「メンズ・リブ」 下「」引用。
「むしろ、男性も、「男性らしさ」の縛りの中で生かされているという意味においては 、女性においては、女性と同様なのだ。この点から、男性解放運動すなわちメンズ・リブの動きが出てきている。」
召使いを失う、男性にとって既得権益を失うことになるという……。
絵本が幻滅を売っている。下「」引用。
「絵本が、童話が、アニメが、そしてデパートの売り場やホテルまでもが、小さい女の子に「プリンセス」の夢を売りつづけ、「プリンセス・ファッション」を売り、「一日プリンセス教室」を開き、プリンセス文房具を売っている。デパートはピンクの夢を女の子に売って利益をあげればいいがわ、夢を買った子はいつか幻滅するのである。大人は「どせそんな夢は実現しっこないさ」と知っていて売るのだが、女の子はけっして実現されない夢を買わされているのである。」
もくじ
「他力本願の人生プラン」
--男もでは? ただ奇妙な波乗りができるのは、男が有利かもしれない。
老いてみにくいあとの半分……。下「」引用。
「『白雪姫コンプレックス』という本を書いたエリッサ・メラメドというアメリカの心理療法の学者は、女性の人生を二つにわけて、若く美しい前の半分を月の表情に、老いてみにくいあとの半分を月の裏側にたとえている」
白雪姫は若いとき、そしてその後は『継母症候群』……。
著者の願い……。下「」引用。
「私は、私の愛している女子学生たちのすべての人生が幸福であってほしい。あとになって、若い昔はよかった、騙されていた、などと歎かせたくはないのである。彼女の価値は一生かわらずそのひとの努力によって築かれるものであって、肉体的条件によって上下するものではないことを教えたい。そうでなければ人間は必ず老いるものだから、生きていくこと自体が劣化していくことになってしまう。そんなことで女性の人生に希望があるだろうか?」
習得した無力感……。下「」引用。
「「女性患者の大半の問題は、子どものころに自己主張を禁じられ、淑女らしくないとしてあらゆることを禁じられたためである」。このようにして習得した無力感が生きる意志を奪ってしまう。」
グリムとヒトラー。下「」引用。
「石塚(*正英)さんのユニークな視点は、グリム童話のなかの残酷な血の刑罰(グリム童話では白雪姫を焼きごてで継母を殺す--これは悪い女を殺す魔女処刑につながる)を、ナチが利用したというのである。「ナチスは自己の思想を宣伝するのにおおいにグリムを利用した。たとえば第二次大戦中に『赤ずきんの狼はユダヤ人であり、赤ずきんはドイツ人、赤ずきんを救い出す漁師は国民を解放するアードルフ・ヒトラーである』」と宣伝した」
index
ディズニー。下「」引用。
「さらに、石塚さんは、ディズニーのアニメ「白雪姫」は、移民大国アメリカの秩序を形成するために大幅に変改されたものだという。著者が引用しているマーク・エリオット著、古賀林幸訳『闇の王子ディズニー』(草思社、一九九四年)によると、ディズニーはイングランド系移民の厳格な父と、やさしい母という典型的な家父長制家族に育った。グリム童話を彼はこの母から聞いて育った。若くして商業アニメ製作者となった彼は、いっぽうで熱心な反ユダヤ主義者、反共主義者であり、日米開戦の一年前、つまり一九四○年、正式にFBIのハリウッド情報提供者になった。」
index
いじめられ症候群……。下「」引用。
「私もすこしシンデレラ化(いじめられ症候群)していたか、上野千鶴子さんが言ったように「おしんドローム」していたらしい。」
しかし、いじめる側にまわったバカな人間よりは、ずっとマシだろう……。
いじめる側がいなければ、いじめは起こらない……。
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もくじ
若桑みどり・著/筑摩書房2003年
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「コレット・ダウリングの『シンデレラ・コンプレックス』が刊行され、話題をよんだのは一九八二年。すでに二十年以上になるが、その間、「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセス・ストーリーは、ますます大量に生産され、消費されている。大量に消費されるからその影響力も絶大である。本書では、ディズニーのアニメを題材に、昔話にはどんな意味が隠されているかを読み解く。いつの間にか思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」けの呪縛から、男も女も自由になり、真の男女共同参画社会を目ざす。」
学生との接触をとおして、ひとつのテーマで講義を記録した本はほかにはないという。
「女らしさの神話とシンデレラ・コンプレックス」
「メンズ・リブ」 下「」引用。
「むしろ、男性も、「男性らしさ」の縛りの中で生かされているという意味においては 、女性においては、女性と同様なのだ。この点から、男性解放運動すなわちメンズ・リブの動きが出てきている。」
召使いを失う、男性にとって既得権益を失うことになるという……。
絵本が幻滅を売っている。下「」引用。
「絵本が、童話が、アニメが、そしてデパートの売り場やホテルまでもが、小さい女の子に「プリンセス」の夢を売りつづけ、「プリンセス・ファッション」を売り、「一日プリンセス教室」を開き、プリンセス文房具を売っている。デパートはピンクの夢を女の子に売って利益をあげればいいがわ、夢を買った子はいつか幻滅するのである。大人は「どせそんな夢は実現しっこないさ」と知っていて売るのだが、女の子はけっして実現されない夢を買わされているのである。」
もくじ
「他力本願の人生プラン」
--男もでは? ただ奇妙な波乗りができるのは、男が有利かもしれない。
老いてみにくいあとの半分……。下「」引用。
「『白雪姫コンプレックス』という本を書いたエリッサ・メラメドというアメリカの心理療法の学者は、女性の人生を二つにわけて、若く美しい前の半分を月の表情に、老いてみにくいあとの半分を月の裏側にたとえている」
白雪姫は若いとき、そしてその後は『継母症候群』……。
著者の願い……。下「」引用。
「私は、私の愛している女子学生たちのすべての人生が幸福であってほしい。あとになって、若い昔はよかった、騙されていた、などと歎かせたくはないのである。彼女の価値は一生かわらずそのひとの努力によって築かれるものであって、肉体的条件によって上下するものではないことを教えたい。そうでなければ人間は必ず老いるものだから、生きていくこと自体が劣化していくことになってしまう。そんなことで女性の人生に希望があるだろうか?」
習得した無力感……。下「」引用。
「「女性患者の大半の問題は、子どものころに自己主張を禁じられ、淑女らしくないとしてあらゆることを禁じられたためである」。このようにして習得した無力感が生きる意志を奪ってしまう。」
グリムとヒトラー。下「」引用。
「石塚(*正英)さんのユニークな視点は、グリム童話のなかの残酷な血の刑罰(グリム童話では白雪姫を焼きごてで継母を殺す--これは悪い女を殺す魔女処刑につながる)を、ナチが利用したというのである。「ナチスは自己の思想を宣伝するのにおおいにグリムを利用した。たとえば第二次大戦中に『赤ずきんの狼はユダヤ人であり、赤ずきんはドイツ人、赤ずきんを救い出す漁師は国民を解放するアードルフ・ヒトラーである』」と宣伝した」
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ディズニー。下「」引用。
「さらに、石塚さんは、ディズニーのアニメ「白雪姫」は、移民大国アメリカの秩序を形成するために大幅に変改されたものだという。著者が引用しているマーク・エリオット著、古賀林幸訳『闇の王子ディズニー』(草思社、一九九四年)によると、ディズニーはイングランド系移民の厳格な父と、やさしい母という典型的な家父長制家族に育った。グリム童話を彼はこの母から聞いて育った。若くして商業アニメ製作者となった彼は、いっぽうで熱心な反ユダヤ主義者、反共主義者であり、日米開戦の一年前、つまり一九四○年、正式にFBIのハリウッド情報提供者になった。」
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いじめられ症候群……。下「」引用。
「私もすこしシンデレラ化(いじめられ症候群)していたか、上野千鶴子さんが言ったように「おしんドローム」していたらしい。」
しかし、いじめる側にまわったバカな人間よりは、ずっとマシだろう……。
いじめる側がいなければ、いじめは起こらない……。
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