磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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徳川夢声代表作品集 小説篇 上

2009年02月22日 | 読書日記など
『徳川夢声代表作品集 小説篇 上』
   徳川夢声・著/六興出版社1953年

「自序」 下「」引用。

「本書に選び出した十四篇、ツクリ話は一つもない。全部、実話である。
 但し、実話といっても、この中「鰻山一等兵」「鰻山君少年期」「スージー嬢の恋」「桜田航空兵長の話」以上四篇は、鰻山君(仮名)自身、筑波君(仮名)自身、桜田(仮名)航空兵自身から、聞いた話であるから、御両人がもしツクリ話を聞かしたものとしたら--そこまでは請負えない。-略-」



■目 次■
原爆新比翼塚  3
鰻山一等兵  37
鰻山君少年期  71
絶食  99
わしは教祖じゃ  121
スージー嬢の恋  153
狸猫  181
命令  203
伊与さん粗伝  225
聖時計師  247
牛馬の労  267
炳として明なり  281
桜田航空兵長の話  295
嫁がせる心境  319
 装幀 鈴木慎太郎

--「原爆新比翼塚」
どうも、週刊誌ネタなんて言葉がむかし聞いた覚えがあります。

「さくら隊」を週刊誌ネタにして書いたような随筆?

それも、受けるように、わざと曖昧にしているのでは?……。

これを遺族たちが読まれたら、どう思われるのか?

--ボクには、困った文章に思えました。

強引に比翼塚論……。下「」引用。

「いきなり底を割ってお話するが、この新比翼塚というのは、今度目黒の羅漢寺に建った「原爆殉難碑」のことである。私は、なにも異をたてて、殊更に、この碑を比翼塚と誇称するわけではない。
 殉難碑の臺石を書く、人名を並べて念頭に浮べている間に、
 --そうか、こいつは一種の比翼塚だ。
 と、私は思ったのである。もっとも、場所が目黒だったから、そういう連想が浮かんだものに違いない。目黒には昔から有名な、權八は品川でハリツケの上獄門になって、死骸はひそかに東昌寺に葬られた。するとある日、小紫(吉原三浦屋の女郎)がやってきて、その墓前で自害した。この二人を葬ったのが比翼塚である。」

さくら隊のメンバーの名前が書かれてある……。

そして、丸山と園井の比翼塚と奇妙な論理を展開……。下「」引用。
「けれども、丸山定夫の骨と、園井恵子の骨とは、ぴったりとよりそっているかもれしない。」

著者は根拠があるというが、上のことが事実かどうか、お寺さんに聞けばいいのではないか?
根拠というのは、園井が丸山を嫌っていたという。
これも、現在ではセクハラといわれるかもしれない論理ですね……。

ヅカ時代のファンが……。下「」引用。

「園井恵子嬢は、美しい吉岡夫人約で、こればかりはどんな汚い劇場でも、妖しきまでの美しさを持ち続けていた。そして、大抵の都市では、ヅカ時代の彼女のファンが居て、なにかと楽屋に贈り物をした。」

そして原爆で苦しむ園井の姿の表現も視点があまりにも奇妙で、まるで古代ローマや魔女裁判での様子を思い出す……。下「」引用。

「あのたしなみの良い園井君が、股もなにもオッぴろげて、七転八倒でしたからね。」

一億総白痴とテレビのことを言った人が、……。







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