磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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久延毘古 14

2008年05月09日 | 読書日記など
『久延毘古 14』
   深澤忠孝・編/久延毘古文庫1986年

この雑誌にも原爆小文庫に関わる長岡弘芳さんあての手紙がそえられていました。




特集 米田栄作ーモダニズムの抒情と原爆悲劇の鎮魂者ー

初期の作品。『種子』。下「」引用。

「ああ もし奥さん その柿の種は
塵箱に捨てさせないで下さい
どうか おたくの小庭に蒔いてやつて下さい。
   (『日本詩人」大14・2)」

むかしの詩、北原白秋などを思い起こす。

--公園にホームレスがいる時代、公園の木も食べられる果実をならす木を植える人もいるかもしれないと想った……。

上の詩などについて。下「」引用。

「現在まで確めえた米田の最も古い作品は、それに載った「種子」(本誌2頁参照)である。これは白鳥省吾選による第二席入選作であるが、米田は別の筆名「紫村春文」でも応募しており、萩原朔太郎選の選外佳作で、巻末に題名と氏名が紹介されている。この事実を十七歳の米田がどんな気持で受け取ったかは想像に難くないが、その内実はどこまでも推測にすぎない。しかし、当時の白鳥と萩原の目にとまり、一定以上の評価を受けたことは、青年前記の米田にとって極めて重大な出来事であったろうことは十分想像できる。」

--米田英作・資料。
・『鳩の夜』昭12・3、晩鐘社(広島)刊。
・『川よ とはに美しく』昭26・4、新文明社(広島)刊。
・『川よ とはに美しく』昭27・9、第二書房(東京)刊。
・『未来にまでうたう歌』昭30・6、ぷれるうど詩話会(広島)刊。下「」引用。

「○ 本詩集はサブタイトルとして「広島風物詩抄」をもち、本文初めの扉に「死んだ人人に/生き残った人人に」がエピグラムされている。詩集題は、室生犀星の命名。」(※)序詩、室生犀星。
・『八月六日の奏鳴』昭和36・2、季節社(広島)刊。
・『不一の花々』昭48・9、湯川書房(摂津市)刊。
・『広島不虚』昭48・11、湯川書房(摂津市)刊。
 『川よ とはに美しく』、『未来にまでうたう歌』、『八月六日の奏鳴』三冊の掲載。
・アンソロジー『詩集 広島』昭34・8 季節社(広島)刊。」

資料など豊富に上げられていました。


そして、付記。下「」引用。

「今年の原水爆禁止統一世界大会開催の不可能が決定的になり、各団体等は個別にそれぞれの催しを行うもののようである。二度目の分裂であるが、これも当然の帰結であろう。原因は、イデオロギー信仰や先行、今回の選挙結果の明暗等もとより様々あるが、その根には日本人の個人としての弱さがあることは否定しきれない。「ヒューマニズムの原爆詩人・米田英作」の単独者の姿勢が、またひときわ重たく、貴重な意味を持つことになるのであろう。
 ちなみに本年は、国際連合が制定した「国際平和年」である。(7・20、校正時に)」








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