磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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岩波講座アジア・太平洋戦争5 戦場の諸相

2009年07月22日 | 読書日記など
『岩波講座アジア・太平洋戦争5 戦場の諸相』
   倉沢愛子、他・編/岩波書店2006年

本文よりも、月報の方がおもしろかった……。



見送りも時期により違ったようだ……。
秘密動員なんてものも……。下「」引用。

「-略-一九四一年七月、対ソ戦にそなえた関東軍特種演習いわゆる開特演だが、これは初めての秘密動員になり、見送りのイベントが禁止された。出征のかたちはここで質的に変化した。もっとも見送りのない秘密動員は国民の士気にも影響するとして、対英米戦争開始後には若干緩和された。」

さらに書かれてある……。下「」引用。

「家族には悲しい別れなのに景気よく出征兵士を見送るイベント、それは帝国主義的戦争の通性なのであろうか。少なくとも、近代日本では一九四○年まではその歴史的性格が認められるのではなかろうか。これに対し、生きて帰還する可能性が少なくなってきた戦争末期の陰湿さは対照的といえる。ここに何らかの意味を見出すとすれば、このイベントが戦争への国民の支持を測る指標になりうるかどうかということであろうか。そして、ひいては銃後形成の指標と考えてよさそうである。」

小泉総理の問題点……。下「」引用。

「小泉総理の行動は、明らかに前者、つまり引き続き覇権を維持する方向をひた走りに走っているように思う。であるがゆえに日中、日韓政治摩擦の激化をものともせずに靖国参拝を続けることになるのだろう。アメリカとの同盟関係強化も東アジアでの覇権維持を確信させる重要な条件となっていると思われる。彼のこの行動は、日清、日露を潜りぬけた明治の政治家の国際感覚を後追いしているようにも思われる。日英同盟を軸にアジアでの覇権を求める彼等の動きは、日米同盟をよりどころに派遣者として振る舞う小泉総理と二重写しとなるからだ。-略-」

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以上、月報……。

この時代の性とは何だったのだろう? 下「」引用。

「入営の決まった若者たちは盛大な見送りを受けて旅だっていく。一九四三年一二月一日同連隊に現役入営した千葉出身の会社員松本虎吉の回想(「私の中の軍隊--万年初年兵回想の断片」)によると、小学校の同級生に盛大な送別会をしてもらい、そのあとで芸妓もあてがわれた。会社のもっとも親しい同僚は吉原遊廓に誘ってくれた。やはり軍隊に“性”の問題はついてまわる。-略-」

慰安婦と売春婦の相違?……。下「」引用。

「その例が兵士の暴力的性行為による「慰安婦」への破壊性の発揮である。また、男性アイデンティティの表出としての性的行為を暴力をともないがちであった。戦場での攻撃性が「慰安所」での性行為にも現われたことは、コンドームに「突撃一番」という名前をつけたことにも象徴されている。女性たちは単なる性的対象物とされ、兵士たちは「慰安所」との性関係を通して女性を支配し、それによって「真の男」たることを確認した」

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木下監督のことも書かれてあった。下「」引用。

「-略-『神風特攻隊』は松竹の木下惠介監督の演出で企画が立てられたものの、木下の前作『陸軍』(松竹、一九四四年一二月封切)に不満を抱いた当局の意向で実現に至らなかったという-略-」

映画『原爆の子』『二十四時間の情事』についても書かれてあった……。
















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