磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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核兵器と科学者の責任

2008年04月02日 | 読書日記など
『核兵器と科学者の責任』
   C.G.ウィーラマントリ(著)/
     原善四郎、桜木燈和(訳)/中央大学1987年

この本を読んで驚いた部分。下「」引用。

「世界は核兵器に三百万兆ドル以上も費やし、核兵器の貯蔵は一九四五年の三発から一九八五年には五万発にも達している。特殊技能を必要とする科学者の人的資源のほぼ五○%が、現在、軍事研究と軍需産業に携わっている。毎年幾百万人の生命を失わせている発展途上国のグローバルな問題解決のために技能を提供している科学者は一%にも及んでいない。一般にそうみられてはいないが、現代の大きな社会問題の一つである。」

50%もの学者が軍事関連を研究しているとは……。

平和をつくりだすことでもある、発展途上国のグローバルな問題解決のために技能を提供している科学者は一%にも及んでいないとは……。




表紙の裏に「著者のことば」が書かれてあります。下「」引用。

「本書はまず、戦争に関する国際法の多面的な事象を法律家でない一般の人々にもよく理解してもらえるよう詳細にわたって論ずる。次に核兵器の現況と“核の冬”に関する最近の研究を照らして、核兵器の使用と製造の違法性を論証し、科学者が意識的にこれに関与することの法律的な合意を吟味しようとするものである。」

あのカーター大統領さえこう語ったそうだ。下「」引用。

「カーター大統領も離任演説のなかで、「万一生き残った者も、自殺行為をおかした文明社会が毒物汚染によって破滅するまっただなかで、絶望して生きのびなければならないであろう」、と述べた。」

オッペンハイマーは水爆に反対して、赤狩りにあう……。下「」引用。

「水素爆弾について科学者たちは良心のもう一つの決断に迫られた。多数のものは前とおなじく憂慮しなかった。一部の科学者は新兵器を熱望する避けがたい政治的勢力に譲歩した。だが、それを防止するためにもてる影響力を行使した科学者もいた。」

「核の冬」--これは避けられないことだろうとボクも思う。下「」引用。

「一九八二年にP・G・クルッツェンとJ・W・バークスは、核爆発によって点火された大量火災が、太陽光線の地表への到達を妨げる多量の煤煙(ばいえん)を発生し、気候に悪影響を与える可能性を示唆した。」

三次元モデルでも確認されたようです。下「」引用。

「TTAPSの“核の冬”のシナリオは、TTAPSが用いた一次元モデルの代りに三次元モデルを用いた研究者たちによって、追試され、確認され、厳密化された。」

カール・セガンは警告する。下「」引用。

「カール・セガン博士は論文「核の冬」のなかでこの問題における自己の立場を次のように要約している。「核戦争は理論的にしか扱えない問題である。それは実験になじまない。われわれがなにか重要な因子を解析から落としていて、そのため実際の影響はわれわれの計算よりも小さなものなることも考えれる。その逆に、われわれの認識が足りない悪影響がはるかに甚大になるということもありうる。従来からの経験ではむしろその方になりそうである。結果がわれわれの計算より良くなるか、悪くなるかの判断に数百万の生命がかかってくるのに、なぜ既成の概念にとらわれるのか?」

ジョナサン・スケルの警告。下「」引用。

「こうした現実の一つをジョナサン・スケルは次のようにきびしく述べている。「自己に偽るところがなければ、集積された核兵器を一掃しないかぎり、大虐殺が--今日でなければ明日、今年でなければ来年--ひょっとしたら起こるかもしれないことだけでなく、起こりうることを認めなければならない。」」

ニュールンベルグ憲章第6条は次のように定めるという。下「」引用。

「(a) 平和に対する罪 すなわち、侵略戦争または国際条約、協定もしくは保証を侵犯する戦争の計画、準備、開始、または遂行……。
(b) 戦争犯罪 すなわち、戦争の法規慣例違反。かかる違反行為には……都市、町村または村落の理由なき破壊、または軍事上の必要性によって正当化されない惨害を含むものとする。
(c) 人道に対する罪 すなわち、戦争以前、または戦争中、一般住民……に対しておこなわれる……絶滅点その他の非人道的行為……」
 「戦時における文民の保護に関する条約」(一九四九年八月一二日の「ジュネーブ第四条約」)も一般住民に対する犯罪に同様の訴追権を与えている。」

ジェノサイド条約










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