磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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岩波ブックレット No.648 東京大空襲60年母の記録-敦子よ涼子よ輝一よ-

2009年06月12日 | 読書日記など
『岩波ブックレット No.648 東京大空襲60年母の記録-敦子よ涼子よ輝一よ-』
    森川寿美子・著/早乙女勝元・解説/岩波書店2005年

一般の人が書かれた文章に、早乙女勝元が解説文をよせている……。



一般の施設だけでは、やはり足らないだろう……。下「」引用。

「こうして子どもたと二人だけになった私たちは、「出征兵士の家」という札を戸口に掛けられ、銃後の守りの責任義務を負うことになりました。三日ほどして一枚の葉書が届きました。夫からです。出発前の短時間、家族との面会が許されたから来るようにとあります。場所は牛込矢町何番地だったか、家の名前も忘れましたが、面会した部屋の様子は鮮明に覚えています。絵画館前から消えた夫はもう一人の兵隊さんとこの民家に一事身を寄せていたのです。あのころの召集兵はこうした形をとっていたそうです。近々出発するらしい夫と何を話していいのかもわからず、父も同じです。短い面会時間は終わり、部屋からは一歩も出ない夫と別れました。-略-」

ひどいパンデミックに襲われたときも、こんなふうに動かないといけないだろう……。
--パンデミックも、人類vs伝染病の戦いだろう……。

「〈解説〉東京大空襲を語りつぐ」早乙女勝元・著。 下「」引用。

「森川寿美子さんの戦争体験記を、当時、新宿にあった編集事務局で、最初に読んだのは私である。十年を一昔というなら、三昔余も前のことで、私はまだ三十代だった。本書の二ページから一六ページまでがその部分で、戦争前期分(一七~四○ページ)はつい最近に執筆されたものである。」

美濃部都知事……。下「」引用。

「私たちは、美濃部亮吉都知事に陳情し、東京都の援助の下に『東京大空襲・戦災誌』(全五巻)の編纂事業に乗り出した。それは予想外にスンナリといった。都知事が民主的な学者で、社共両党の支持で誕生した革新都政だったからではなかったかと思う。」

背景も知ってほしいという……。下「」引用。

「ここで読み返してみたいのは、森川寿美子さんの戦災以前の記録である。
 三越専属の和裁修行の「お針子さん」から社会に出て、結婚し母となったごく平凡な一人の女性が、あれよあれよという間に、取り返しのつかぬ凄惨な火焔地獄にまで追い詰められている。
 当時の女性には選挙権もなく、民主主義や人権など、薬にしたくもなかった。うかつなことをいえば、「非国民」扱いされかねず、真実の情報も規制され、社会的な発言も封じ込められいていたから、その意味では不可抗力だったといえなくもない。見えざる言えざる聞けざるだったのだ。」

そして、伝えたい思い……。下「」引用。

「「世界中が平和、平和と叫び続けているのに、地球上で一日たりと、戦争のない日はありません。今この一瞬だとて何かかが起きています。本当に怖いことです。こんな時代にいくら豊かな社会と言われても、反発の気持ちがうずきます。昔は、と言えば年寄りはすぐ昔は、と笑われそうです。でも、やはり言わなければだめです。次の時代を担う人の責任ある舵取りこそが大事なのです。私たちが生を受けた日本を少しでも住みよくして、子どもたちに引き渡せるように……」
 同じ轍を踏んではならじの思いが、切実に伝わってくる。-略-」







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