磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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早乙女勝元長編青春小説集4 青春の歯車

2009年05月29日 | 読書日記など
『早乙女勝元長編青春小説集4 青春の歯車』
   早乙女勝元・作/理論社1974年

かつて、こんな時代があったんだと……。
そんな感じで読みました……。



「おことわり」と最初に書かれてあります。下「」引用。

「通称 〈ダンプの鉄〉とよばれるわが主人公は、最初は、実は〈雷〉というあだ名で通っていたのです。ですから、一九六四年、この小説が民主青年新聞に連載されたときの題名は、「おれは雷」でした。
 こんど、一本にまとめるにあたって、大はばに改作の手をくわえ、新しく登場人物のイメージを掘りさげていくうちに、むこの〈雷〉が、どうも雷らしくなくなってしまいました。そこで、この長編は「青春の歯車」と変ったのです」

主人公は工場勤務……。下「」引用。

「そのとき鉄男は、工場の外へ出て、昼食のパンを求めてきたところだった-略-」

失望する鉄男……。下「」引用。

「社長は、解散をさけび、いち早く事務所へ姿を消したが、鉄男は失望したのは、そのことではない。解散の声と同時に、事務所前の空地にひしめいていた全従業員が、まわりからなしくずしに現場へむかって動きだしたことである。そこに、ふみとどまろうとする者はなかった。-略-」

今も続いていることだろう……。下「」引用。

「便所など許さん、昼休みにしろ」
 そのとき鉄男は、鼻息も荒く、職長の背後へ突進していた。-略-」

時代がうかがえる……。下「」引用。

「「わが社の厚生施設と致しましては、便所があります」
「便所があっても、チリ紙がねえや」
「怪我とチリ紙は、自分もちなのさ」
「オイオイ、月末になりや質札ばかりで、昼めしのパン代もないんだぜ」
-略-」

「おわりに」早乙女勝元・著。
--13歳から鉄工場で働いていた著者。
1963年の秋から冬にかけて、東京の工場をたずねたという。下「」引用。

「きわめて少数ながら、わたしの想像の及ばぬところの若者たちがいたのである。
 それは、おどろくほどたくましい創意と、楽天性と、エネルギーとを持って、自分たちの目の前にたちはだかる厚い壁に体当たりする新しいタイプの青年たちだった。-略-東京の江戸川区にあって、「ドレイ職場を解放しよう」と、この三年間闘っている全国金属日本ロール製造支部の組合員たちなどは、その典型といっていいだろう。
 かれらは、一様に個性的で明るかった。-略-」

今や横の人間関係はみごとに切られているのでは?








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