磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

あしたへげんまん

2007年07月12日 | 読書日記など
『あしたへげんまん』
   竹田まゆみ・著/小坂しげる・絵/新日本出版社1971年

今の学校とはずいぶん違う雰囲気がえがかれている作品といっていいかと思います。太平洋戦争から、学童疎開へと続く級友(クラスメート)との友情……。



ラジオが流れると凍りついたという。下「」引用。

「--大本営陸海軍部発表、帝国陸海軍ハ、今八日未明、西太平洋ニオイテ、米英ト戦闘状態に入レリ--」

「また、たくさんわかい人たちが出征していくんですね」
こんな会話が。

明治以降の日本は戦争が好きだったと表現する方はおられますね。

でも、けっして庶民は好きだったとはボクは思えません。

ただ、軍人さんに憧れていた少年などが、そうあったとしても不思議ではないとも思います。

--でも、これは子どもが無邪気だからではなく、あくまで教育だと思います。
しかし、教育の分野でも、ほとんど反省されていませんね……。

天皇陛下という声が聞こえると、気をつけをしたという。下「」引用。

「もう、東条首相の声なんかミカには聞こえない。耳の中は、心臓がひっこしてきたみたいに、どきんどきん音がする。
「天皇陛下の……。」
 拡声器の声がりんとさけんだのと、全校生徒のズックが、ぱしっと音をたてたのと同時だった。天皇陛下ということばをきくとは、いつでも、どこでも、気をつけ! のやりなおしなんだ。」

戦争がはじまるという話をされているとき、おもらしをする女の子。
大切な時だから、緊張していたという。よく我慢していたというが、我慢していたら、もらしていなかったと思うけど……?

--そういう意味じゃないのかもしれないけど……。

トクさんという知的障害者が登場します。

父は教師であるが、工場。生徒も工場で働く。
工場のみまわり役人が、作業能率が悪いと文句をいう。それに対して怒る父。下「」引用。

「あなたはなにをいうのか。一日でも、いや一時間でも、あなたは学生たちといっしょに油にまみれて作業をしたことがあるのか。-略-」

役人たちは何もいわず、こそこそと帰っていったという。

--正しいことを言うのには勇気がいるという。
……おかしな世界ですね。

生徒が賛同者をつのって、暴力教師を批判する手紙を書いた。
しかし、クラスの3人はそこに名前を書かなかった。
勇気をもってその手紙を教師に見せる。
教師は、間違っていたと反省。
そして、どうして3人は名前を書かなかったのか?
それほど、教師を信じられないのかと批判する教師。

戦場から送られてくる血や泥がついた軍服。
鉄のボタンも壊れているものもある。--ひどい戦闘……。
そのボタンをとって、使えるようにする。
それが生徒の仕事……。

市電にのっていて、護国神社になると。
「右側、護国神社でございます。みなさま脱帽敬礼ねがいます。」
こんな車掌の言葉があったようです。

盆踊りは『日の丸行進曲』!

戦争がおわった日。
津川先生は、原爆でそれぞれの家族が亡くなったことを告げる。








index

もくじ





エンタメ@BlogRanking



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。