磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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かえらぬ鶴

2007年08月24日 | 読書日記など
『かえらぬ鶴』
   瀬戸奈々子、林田みや子(著)/二見書房昭和36年

ボクがもし復刊できる能力があるのなら、したい本はこの本です。小さな子どもを残して亡くなられた方と、その母が書かれた本です。



最初の方にある遺児のモノクロ写真。下「」引用。

「亡き母の写真を抱いて慰霊祭に参列した真美ちゃん(提供・週刊現代)」

こころをうつ写真です。

--永井隆博士が、愛娘に「茅野(かやの)ちゃんだけじゃないんだよ」と。
そして、今もたくさんの「茅野ちゃん」が世界にはいっぱいいます。
正義の国というアメリカがなかったら、このように多くの「茅野ちゃん」は生まれなかったような気がボクにはしてならないです。

「序に代えて」というのを厚生大臣・灘尾弘吉が書かれています。下「」引用。

「私は、この『かえらぬ鶴』を読んだ。そしてはげしい願いをこめた。この若き人妻の苦しみに泣き、死にゆくわが子をみつめる老いた母親の叫びに共感した。文学というものが、日常市井の声を代表するものであるとしたら、これこそ文学の一典型であると思った。しかも、きわめて現代に密着した……。
 この奈々子さんの手記は、英訳され、さらにプラウダの記者によって、ソヴェト語にも訳されると聞く。」

被爆して寝込む弟。
母は製氷会社の焼け跡に氷があると聞き、息子のために取りに行く。
弟は「氷が食べたい」というと、奈々子さんは取りに行く。

奈々子さんは被爆してからのち、神戸の美容学校で勉強。
広島駅近くの美容院に勤務。

原爆病院に入院する奈々子さん。
奈々子さんの歯がないと思う母。
実は歯肉から血がながれ、血で歯が染まっていたという。

「折鶴の会」が慰問され、そのお礼の手紙を書かれる奈々子さん。
文面からして、どうしてこう昔の日本人は人間的によくできているのだろうと思う。

そしてお母さんの願い。

--それにほど遠い現在の日本。

そして、何度も同じ漫画を映画化などにされていますが、このような作品も掘り起こしていただきたいと思います。










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